TFTカラー液晶の表示制御 その2


【概要】

もう少し大き目のTFTカラー液晶表示器が使いたいということで、132x162ドット
の2.0インチの液晶表示器を使ってみました。
使ったものは、「LQ020B8UB02」というシャープ製のリユース品で、「アイテンドー
から購入したものです。

結論からいうと、この液晶表示器は電源の種類が3種類と多いのですが、制御は
簡単でした。
表示はTFTだけあってとてもきれいです。大きさもちょっと大きいので表示も見やすく
なかなか使えそうです。
今回はバックライトの電源に12Vが必要でしたので、白色LED制御用のDC/DC
コンバータ用ICを使ってみました。

この液晶表示器主な仕様は下記となっています。

LCDタイプ    :TFTアクティブマトリックス
表示ドット数  :132×162ドット
表示色     :65k色
表示面サイズ :約32x39mm
電源       :メイン:2.8±0.1V  デジタルI/O:1.8±0.15V
バックライトLED:12V 20mA Max

実際に表示した例は下記のようになります。前ページのZY-FGD1442701V1と遜色
ないきれいな色で表示されます。
ちょっと視野角が狭いですが、正面からはとてもきれいに見えます。





【全体構成】

今回もとりあえず表示制御の確認用として作成しましたので、周りには何もつけずに
製作しています。
コントローラには同じように、「PIC24FJ64GA002」を使っています。
回路構成は下図のようになっています。

まず、8ビットインターフェースですので、PORTBに接続していますが、ちょっと課題に
なるのは電源電圧が異なるということです。
LCD側が1.8Vで、PIC側が2.8Vです。通常はそのまま直接は接続できませんが、PIC側を
オープンドレイン構成の出力とし、外部で抵抗でプルアップし、そのプルアップの電源を
1.8Vとすれば、見かけ上直接接続したのと同じにできますので回路構成は簡単になります。
ただし、このプルアップ抵抗は、高速パルスを正常に転送できるよう抵抗値を小さめに
する必要があり、その分だけ消費電流が増加してしまいます。

課題の電源は、まず入力はDC5VのACアダプタを使う前提とし、2.8Vと1.8Vの電源は
単純に3端子レギュレータで生成します。これらのレギュレータにはマイクロチップ社に
ちょうど都合の良いものがありますので、オンラインで購入しました。
課題は12VのバックライトLED用の電源ですが、ちょうど都合のよさそうな白色LED用の
制御用ICがありましたのでこれを使いましたが、うまく供給できているようです。
入手はサトー電気です。




完成したコントローラの外観は下図のようになります。液晶表示器部は、キャリーボードも
一緒に購入しましたので、そのまま使っています。ちょっと大型ですので、実際に使う場合
には、表示部本体だけを別基板に実装することになるでしょう。
電源部はすべてはんだ面側の表面実装です。





【制御方法】

この液晶表示器は初期化が非常に簡単で、リセット後のデフォルトに対し
Sleepを禁止し、表示を許可するだけで表示が可能になります。
また、ドットごとのカラーデータも16ビットで、ZY-FGD1442701V1と同じですから、楽に
制御できます。座標指定は、X方向が2バイトで1ドットになりますので、座標は2倍
して制御します。これは容易に1ドットごとに制御できますので、表示制御は簡単です。
RAMサイズと座標サイズも同じですので、特に気を使うところはありませんでした。

【プログラムライブラリ】

試作レベルのプログラムライブラリですが、下記からダウンロードできます。
プロジェクト一式となっています。

★★★ LCD LQ020B8のプロジェクト 一式



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