カラーOLED表示器の表示制御


【概要】

液晶表示器とは異なった表示器ということで、有機LED表示器を使ってみました。
自分で発光するだけあってとてもきれいな発色です。
今回使用したOLEDは、「UG-2828GDEDF11」というもので、「アイテンドー」から
購入したものです。

このOLED表示器の仕様は下記となっています。
   表示タイプ  : パッシブマトリックスOLED
   表示ドット数 : 128x128ドット
   表示色    : 64k色または256k色
   表面サイズ  : 約27x27mm (1.5インチ)
   電源      : アナログ用:2.4〜3.5V(2.8VTyp) ロジック用:2.5±0.1V
   LED用電源  : 13V±0.5V Max 40mA
   
表示器としては非常にきれいですので十分使えますが、13VのLED用電源が必要
でこれがちょっと面倒です。
電源を工夫してぜひいろいろなものに使ってみたいものです。

表示した例は下図のようになり、きれいです。


線間の黒地が白茶けているのは
LED電源が変動しているためです。



【全体構成】

今回もとりあえず表示制御の確認用として作成しましたので、周りには何もつけずに
製作しています。
コントローラには他の試作例と同じように、「PIC24FJ64GA002」を使っています。
回路構成は下図のようになっています。

まず、8ビットインターフェースですので、PORTBに素直に接続しています。

電源は、入力はDC5VのACアダプタを使う前提とし、2.8VをメインのVDDIOとPIC用として
3端子レギュレータで作成し、OLEDのVDDの2.5Vはショットキダイオードで0.3V降圧して
作成しました。

課題はOLEDの13VのバックライトLED用の電源VCCですが、ちょうど都合のよさそうな
白色LED用の制御用ICがありますのでこれを使いました。
しかし、OLEDのLED電流は表示内容により大きく電流が変動するため、電圧が不安定
となってしまって、あまり良い結果とはいきませんでした。
これによる表示への影響は、バックの黒が表示内容により白っぽくなったりします。
また白色クリアの場合にはリップルで画面がすこしちらつきます。
何らかのもう少し安定な電源が必要になります。





完成したコントローラの外観は下図のようになります。OLED表示部はサブ基板で
作成しました。
フラットケーブル用コネクタが小さいのではんだ付けはちょっと難しいですが、
自作基板で何とかなりました。 


サブ基板は表示器の下側に
接続コネクタがあります。

色の発色は非常にきれいです。
表示面保護カバーをつけたままですので
ちょっと白けていますがきれいです。


その後、13Vの電源部を改良しました。標準的なゼナーダイオードによる定電圧回路で
安定化しました。これで一応安定な13Vが供給できています。
表示の改良としては、全画面白色の際のちらつきはなくなりました。また四角枠表示の
線間が白けるのもなくなりましたが、文字表示の場合の背景が白ける現象がなくなりません。
これは何か別の問題があるのかもしれません。
改良後の回路図は下記となります。




【制御方法】

このOLED表示器は初期化でちょっとてこずりましたが仕様書に書かれている内容で
何とか解決しました。

表示は簡単にできたのですが、問題は表示開始行が32ライン分だけずれてしまう現象で、
結局表示開始位置を初期化コマンドでずらすことで何とか解決しました。
ドットごとのカラーデータは16ビットで、ZY-FGD1442701V1と同じですから、楽に
制御できます。座標指定も表示位置と1対1で対応しますので、表示制御は簡単です。
128x128ドット構成なのでZY-FGD1442701V1なのですが、画面サイズがやや大きいので
より見やすくなっています。

【プログラムライブラリ】

試作レベルのプログラムライブラリですが、下記からダウンロードできます。


★★★ OLED UG-2828のプロジェクト 一式



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