【ソフトウェア開発環境概要】
PIC32MXそのものはCPUがMIPS社のコアに置き換わっていますので、アセンブラや
Cコンパイラは当然これまでのものとは異なります。
しかしこれらの違いはすべてMPLAB IDEで統合され、全く同じ環境で開発ができる
ようになっています。
ソフトウェアの基本の開発環境は下図のようになります。パソコンを使って開発しますが、
これにMPLAB IDEをインストールし、この統合開発環境の下ですべての開発を行います。
基本の開発言語はC言語となり、MPLAB C32という純正のコンパイラが用意されています。
【MPLAB C32 Cコンパイラ】
マイクロチップ社から提供されている純正のCコンパイラとしてMPLAB C32があります。
これはマイクロチップ社からオンライン販売で購入することもできます。
しかし無償版である「Evaluation Version」がいつでも誰でもダウンロードできるようになって
いますので、評価や、当面の開発はこの無償版で行うことができます。
この無償版の制限は60日間は全く無制限で、製品版と完全に同じですが、60日を過ぎると
最適化機能が固定レベルとなり無効となります。
しかし余程大きなプログラムを作る場合以外は、最適化しなくても実装上の問題はありません
のでそのまま使い続けることができます。サイズの制限もライブラリの制限も何もありません。
MPLAB C32コンパイラの特徴は下記となっています。
・ANSI標準準拠: 算術、メモリ、データ変換ライブラリも準拠
・インラインアセンブラ可能
・割り込み処理作成可能 :マクロが用意されている
・リロケータブルなオブジェクトの生成が可能
・絶対アドレスにプログラムやデータを配置可能
・周辺用ライブラリ関数が用意されている
・DSPライブラリも用意されている。
周辺モジュール用ライブラリは、MPLAB C32をインストールすれば自動的に
組み込まれるようになっていますので、別にインストールする必要はありません。
【書き込み、デバッグ用ツール】
パソコン上でシミュレータを使ってシミュレーションによりデバッグを完了した段階で、
PICにプログラムを書き込みます。このとき使える道具には下記があります。
【MPLAB ICD2】
従来から使われている簡易デバッガ兼プログラマです。
PIC32MXで使う場合には、デバッグの際に30MIPSまでという速度制限が
あります。
【MPLAB ICD3】
MPLAB ICD2の次世代版で、高速化が行われています。
書き込み速度もICD2の10倍以上高速です。
デバッグの速度制限もありません。
USBインターフェースがハイスピード対応になっています。
【MPLAB REAL ICE】
本格的な実機デバッグツールで高速です。
トレースなどもオプションのケーブルを
追加すれば可能になります。
もちろん書き込み機能も持っています。