卓上型MP3プレーヤ


【卓上型MP3プレーヤの概要】

PIC32MXをメイン処理に使って、MP3デコーダ、SDカード、グラフィックLCD
を周辺機器として接続し、SDカードに書き込んだ音楽を繰り返し連続で
オーディオ出力します。
音楽の曲名とバンド名をかな漢字でグラフィックLCDに表示します。
音質調整もグラフィックLCDで周波数特性グラフを見ながら設定できます。
完成した外観は下図のようになります。


透明アクリルのスケルトンのような感じに
しました。
ロータリスイッチとUp/Downの押しボタン
スイッチだけの操作部です。
ちょっとLCDとの配線が混み合っていますが
長めの配線にしてしまったためです。



基板状態での外観は下記のようになります。



実際の液晶表示器の表示は下図のようになります。

曲名とバンドの表示例です。
カタカナが半角となっている部分
がありますが、オリジナルがそうなって
いるようです。



音質調整のグラフィック表示例です。
高音と低音のレベルとクロスオーバの
周波数の設定とができます。



音量調整の表示例です。
バーチャートで音量レベルを表示します。


【機能仕様】

この卓上型MP3プレーヤの機能仕様は下表のようになっています。
項目 機能仕様 備考
機能内容 音楽出力
 MP3デコーダの出力直接のアナログ出力
音量調整
音質調整
 低音、高音のレベル変更とクロスオーバー
 周波数の設定
ヘッドフォン直接駆動可能


音楽データ SDカードにパソコンで書き込み
ディレクトリなしでルートに直接書き込み
MP3フォーマットのみで8.3形式の英数字のみのファイル名とし、ファイル拡張子は「.mp3」とする
最大2GBまで
機能と表示 曲名とバンド名表示
 128×64ドットのグラフィック液晶表示器に
 かな漢字で表示 各々10文字×2行 表示
音量
 グラフィックLCDにバーチャートで表示
音質
 周波数特性グラフをグラフィックLCDに表示
 周波数特性グラフ形式で表示
  


【全体構成】

この卓上型MP3プレーヤの全体構成は下図のようになっています。
スイッチはロータリスイッチで項目を選択したあと、UP/DOWNスイッチ
で設定するようにしました。





【回路図】

上記全体構成を元に作成した回路図が下図となります。
電源は5VDCが供給されるものとし、液晶表示器のバックライトだけこの5V
を直接供給しています。その他はすべて3.3Vの3端子レギュレータの出力で
駆動されています。
PIC32MXは80MHzのフルスピードで動作させていますが、もう少し遅くても
問題ありません。特に消費電流も発熱も問題ありませんでしたので、そのまま
としています。
グラフィックLCD、スイッチは外付けとしましたので、コネクタだけとなっています。
MP3デコーダ部は、別ページで製作したものをそのまま流用しています。
このMP3デコーダとSDカードはいずれもSPI接続ですので、PIC32MXにある
2チャネルのSPIを使って接続しています。




スイッチのコネクタとの接続は下図のようになっています。
   INT1: ロータリ切り替えトリガ
   INT2: UP
   INT3: DOWN
   RD11、RD0、RC13、RC14、RD1 ロータリスイッチ切り替え入力

 ここでロータリスイッチ切り替えトリガは、ロータリスイッチを回したら必ずパルスが
入力されるようにしています。このために、6接点2回路の1回路を専用に使い、6接点
すべてをGNDに接続しています。こうするとロータリスイッチが回転するとき、一度
接点が離れてから次の接点に切り替わるので、その間に瞬間ですが、Highのパルス
がでることを利用して、INT1割り込みの信号としています。
 さらに6接点すべての入力ができず5入力しかありませんので、1接点は無接続と
しています。

【組み立て製作】

まずは基板の製作からです。
作成した基板は、メイン、PIC32サブ、MP3サブの3枚の基板で構成されています。


右側がMP3デコーダのサブ基板
上側のコネクタはグラフィックLCDと
スイッチ用



ハンダ面側には、3端子レギュレータ、
パスコン、SDカードホルダを実装



【ソフトウェアの製作】

このプレーヤのプログラムは、簡単な構成になっていて、メインループでは
MP3デコーダとSDカード間の通信を常時実行し、スイッチの割り込みで
表示制御とMP3デコーダの設定を行っています。

スイッチはINT割り込みで入力するようにしていますが、ロータリスイッチに
6接点2回路のものを使っていて、下記の切り替え区別をしています。
 ファイル選択、音量、低音周波数、低音レベル、高音周波数、高音レベル
しかし、ロータリスイッチの入力ピンは5ピンしかありませんので、INT1割り込み
が入ったとき、どの信号もLowになっていないときは、ファイル切り替えの場合
として6通りの場合の判定としています。

 MP3デコーダの制御はMP3プレーヤと同じようにしています。