【A/D変換とは】
一般にA/D変換というと、Analog/Digital Conversion つまりアナログ信号から
ディジタル信号への変換を意味します。逆は「D/A変換」と呼びます。
コンピュータの世界は、現在はほぼすべてがディジタルの世界で動いています。
(昔にはアナログコンピュータと呼ばれるものがありました。)
しかし、自然界はすべてがアナログの世界です。
従って、コンピュータの入出力を自然界とインターフェースさせようとすると、つまり
我々が普段接している世界に、コンピュータをつなごうとする時には、必ずA/D
変換とD/A変換が必要になります。
【A/D変換の原理】
原理は至って簡単です。自然界のアナログの信号を、一定間隔で切って取り出
したものがディジタル信号です。下図のようにあらわすことができます。
つまり、あるアナログのデータ(赤線)をディジタル値で表現するには、ある時刻の
データを一定間隔で刻んだとき(青色の線)、データが間にある時の刻み値が
時刻 tでのディジタル値となります。
この「一定間隔」というのには2つの意味があって、一つは量が一定間隔で刻まれ
るという意味で、もう一つは時間が一定間隔で刻まれるという意味です。
すなわち、アナログ量というのは時間的にみたら連続した量で切れ目はありませ
ん。 しかし、ディジタル量というのは一定時間間隔の値しかありません。これを
「離散値」といいます。
【D/A変換は?】
それでは、A/D変換の逆のD/A変換はどうするのでしょうか?
コンピュータの中で持っているディジタルデータは、一定時間間隔の値しか持って
いません。しかし、アナログデータというのは時間で見たら連続しているデータで
切れ目はありません。従って、D/A変換はこの切れ切れの値の間をつなぐ働き
をします。
しかし、実際の間のつなぎ方には色々な方法があり、それぞれに特徴があります。
例えば、最近のステレオを皆ディジタル化されていますが、この時に使われるのが
D/A変換です。つまり、CDから呼び出したディジタルデータをD/A変換して
アナログデータつまり「音」に変換しています。
しかしこの変換方法と、ディジタル値の間のつなぎ方(補間)はフィルター等によっ
て行われ、この方法によって微妙に音質が変わってしまいます。難しい世界です。