ラジコン送信機1


初代のラジコン送信機でCMOSのマルチバイブ
レータICでパルスを生成しています。

 1.概要
   ラジオコントロールで色々な乗り物を動かすのは興味が尽きないものです。
   このラジコンの送信機を作ってみました。
   市販のラジコンと送信電波の信号は全く同じですので、市販受信機とこの
      送信機の混在でも同じように動きます。

 2.機能
  (1)送信機
    発振周波数  : 27MHz
    チャンネル数 : 4チャンネル
    電源     : NiCdバッテリ 単3x8個
    変調方式   : AM
    
 3.信号形式

   送信信号 
         下図のような形式で送信される。
     ・全体が約20msの固定周期で繰り返される。
     ・各周期の中で各チャンネルの先頭を示すパルスが並ぶ。
        (このパルスの信号幅は約0.2〜0.3msで固定)
     ・各チャンネルの開始に相当するパルス信号の間隔が各チャンネル
      の制御信号に相当し制御内容により可変となる。
      可変幅は 0〜1.0msecが標準

      @全体の信号(実際にはこれでAM変調されて送信される)

   ____|~|___|~|__|~|__|~|__|~|____  ____|~|__|~|__|~|__|~|___

          |<--->|    |<-->|    |            |
          | CH1 |<-->|CH3 |<-->|            |
          |      CH2       CH4              |
          |<----- 20ms constant repeat ---->|
  
   A各チャンネルの信号詳細

        ____|~~~|________|~~~|________

          0.2ms|<->|        | 
               |<--CH?----->|
                0.5 to 1.5ms proportion to control

 4.構成
   送信機の回路の構成は下図のようになっており、送信電波を作る高周波部分は
   トランジスタで、パルス幅を作り出す部分はCMOSロジックICで構成しています。

                                                         ANT
            _________       __________     ___________    |
           |         |     |          |   |           |   |
           |27MHz OSC|-----|Modulate  |---| Power Amp |---+
           |_________|     |__________|   |___________|
                                |
                             OR Driver
                            ____|________________________
             ______    ____|_    ____|_    ____|_    ____|_
            |Mono  |  |Mono  |  |Mono  |  |Mono  |  |Mono  |
            |Multi |--| Multi|--| Multi|--| Multi|--| Multi|
            | 20ms |  | CH1  |  | CH2  |  | CH3  |  | CH4  |
            |______|  |______|  |______|  |______|  |______|
                         |         |         |         |
                        VR1       VR2       VR3       VR4


 4.回路図
   回路図は高周波部とロジック部の2つの構成からなっています。
   一寸細かいですが下図が回路全体です。それぞれ拡大表示
   出来ます。
    

     原発振は水晶発振子でここに受信用とペアのクリスタル発振子を使います。      そのあとは出力増幅用で、2段目に変調というより、発振のON/OFFを      ロジック部のパルスに基づいて行います。      アンテナの直前のコイルは余計な周波数の発振を防ぐ目的で挿入しています。     

    ロジック部は大部分がモノマルチバイブレータで出来ています。つまり      ジョイスティックの可変抵抗でパルス幅を可変し、それを直列につなげて      チャンネルの列としています。出力には、それぞれのチャンネルに相当      するモノマルチバイブレータの出力をコンデンサで微分して細いパルス      とし、全部のORを取って出力としています。      繰り返しのために約20msecの発振回路をCMOSのインバータで作っています。    回路図は、CADである「HiWIREU」で描いているので    ダウンロードして使って下さい。       ★送信機回路図(ダウンロードしてご覧下さい)

 5.実装方法
   使ったケースはタカチ電機のYM-180です。工作の上で特殊な部品はジョイ
   スティックです。(いわゆる操縦ハンドルです)実際使ったのは秋葉原で
   見つけた可変抵抗式の多分ゲーム用のものだと思います。

 写真は送信機のケースの上ブタをはずした
 ところ。電源用のバッテリホルダー
 (NiCd単3x8個)と高周波基板と制御基板、
 ジョイスティック部が見える。
 2枚の基板にそれぞれ高周波送信部と
 ディジタル部を分けて実装しています。
 これで100m以上は飛ばすことが
 できます。



   さらに送信機の各基板実装の詳細を下記写真に示します。


高周波部分で短波送信機と同じ
構成になっています。


ロジック部でモノマルチによるパルス幅制御
を右側にあるジョイスティックの可変抵抗の
値で制御しています。




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