ラジコン送信機3

PIC16F84を応用したラジコン送信機で、PICで簡易A/D変換を
実行して最大6チャンネルまでの送信機ができます。


1.概要

 PIC16F84を応用したラジコン送信機で、PICで簡易A/D変換を
実行して最大6チャンネルまでの送信機ができます。


2.機能

(1)送信機
  発振周波数  : 27MHz
  チャンネル数 : 4チャンネル/6チャンネル切替え可
             CH1,2:ジョイスティック位置制御
             CH3,4:スイッチ制御
             CH5,6:ジョイスティック位置制御
                (ストラップ設定により有無可変)
  電源     : NiCdバッテリ 単3x6個
  変調方式   : AM


3.信号形式

  送信信号
   ・全体が約20msの固定周期で繰り返される。
   ・各周期の中で各チャンネルの先頭を示すパルスが並ぶ。
     (このパルスの信号幅は約0.5msで固定)
   ・各チャンネルのパルス信号の間隔が各チャンネル
    の制御信号に相当し制御内容により可変となる。
    可変幅は 1.0msecとする。
    従ってパルス間隔は 0.5〜1.5msec となります。


4.構成

 送信機の回路の構成は下図のようになっており、送信電波を作る
高周波部分はトランジスタで、パルス幅を作り出す部分はPICのみで
     



5.回路図

 一寸細かいですが下図が回路全体です。
高周波送信部の原発振は水晶発振子でここに受信用とペアの
クリスタル発振子を使います。  そのあとは出力増幅用で、
ここに変調というより、発振のON/OFFをロジック部のパルスに
基づいて行います。
高周波部は回路の再現性を良くするための改良を加えました。  

     



 ロジック部はPICのみで構成し、ジョイスティックなどの可変抵抗
の値を簡易A/D変換して検出しています。
そして出力のパルスはすべてソフト制御で出力します。
  チャンネル3,4
    スイッチのON/OFFによりパルス間隔を0.5msecと1.5msec切替え
  チャンネル1,2,5,6
    ジョイスティックの可変抵抗でパルス幅を可変
       







原回路図は、CADの「HiWIREU」 で描いて
いるのでダウンロードして使って下さい。

  ★送信機3回路図(ダウンロードしてご覧下さい)
  ★送信機3パターン図(ダウンロードしてご覧下さい)


6.プログラム概要

 PICのプログラム構成を簡単に説明します。
プログラムの構成は至って簡単で、全体が1本の流れになっています。
つまり、まず最初にA/D変換やスイッチの状態の入力処理を行います。
次にその入力の値に基づいてパルス出力を実行します。時間がmsec
なので楽々できます。そしてまた入力に戻るという繰り返しです。

  ★ラジコン送信機プログラムリスト
  ★ラジコン送信機フローチャート

特殊な処理はA/D変換です。この処理の流れは概略下記となります。
Channel1を例にします。
  ポートB0をHighにして可変抵抗を通してコンデンサを充電させます。
    ↓
  十分の時間後(約1msec以上)ポートB0をLowにして逆に放電させます。
    ↓
  その放電の間ポートB7を監視し、0になるまでの時間をカウントします
    ↓
  そのカウント値がA/D変換後の値で、可変抵抗値に比例しています。

その他 センススイッチのon/offにより4チャンネルと6チャンネルを切替
えて います。(基板内ストラップです)


7.実装方法

 使ったケースはタカチ電機のYM-180です。工作の上で特殊な部品は
ジョイスティックです。(いわゆる操縦ハンドルです)
実際使ったのは秋葉原で見つけた可変抵抗式の多分ゲーム用のものだ
と思います。

また各基板の外観を下図に示します。

   
 送信機全体の外観です。
 2個のジョイスティックで可変制御を、また2個の
 スイッチでON/OFF制御をしています。左上の2個の
 つまみはCH5,6用のボリュームとなっています。
  
 送信機の内部実装詳細です。
 バッテリ、送信部、ロジック部、ジョイスティック
 で構成されています。ロッドアンテナをケースから
 絶縁して取り付けています。
 
 ジョイスティック部の詳細
 2個の可変抵抗が直角に付いている
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 送信部の外観図です。小さな基板に全ての
 部品がのせてあります。
   
 制御ロジック部の外観です。
 といってもPICだけで出来ていますので
 極簡単な構成です。


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