秋月通商キットのシリアルROMライタ
今回のROMライタはパソコンとの接続がRS232Cで
大部分のPIC16シリーズに対応しているので便利です。
秋月通商から発売されている、PIC用のROMライタの製作例を
紹介します。
このROMライタはパソコンとの接続がRS232C経由となって
おり、IBM互換機、PC98いずれでも使えるようになっています。
今回の製作例では、これをアルミケースに実装しています。
2.機能仕様
(1)回路構成
ROMライタキットとしては1枚の基板に全てが実装されるように
なっています。その回路構成は16C57を中心にしたPICで構成
されており、下図のようになっています。
(2)対応デバイス
標準では、28ピンのゼロプレッシャーソケットが添付されて
いるので、これで下記のPICにリード・ライトが出来ます。
PIC16C84,16F84,16F83 PIC16C54,55,56,57,58
PIC16C71,710,711
さらにピン数の異なるソケットを追加することにより下記も
可能になるよう、必要な信号が外部に出せるようになっています。
PIC16C62,63,64,65 PIC16C72,73,74
PIC12C508,509
(3)電源
DC15Vから18V 200mA程度を外部から供給します。
3.添付ソフトウェア
標準で添付されているROMライタプログラムはDOS用ですが、
Windows95上で実行させることができますので問題なく使えます。
これには、上記デバイスが全部含まれていて簡単に選択できます。
(1)プログラム表示画面とメニュー
ROMライタプログラムを実行すると下図の様な画面が現れ、
ここから全ての機能が実行できます。
上図はクリックすると拡大できます。 構成は右側が選択メニューに
なっており矢印キーで動かして選択します。 リード・ライトするデータが
左側に表示されます。
(2)パソコンとの接続
接続ケーブルには、通常のモデムと接続するのと同じRS232C接続
ケーブル (ストレート)を使います。
ROMW接続テストの機能を実行すると、パソコンとの接続が正常に
出来ていると、ライタチェックの結果は下図の様な表示となります。
(3)Windows95での設定
本ROMライタをWindows95上で動かすためには、プロパティを下図の
のように設定します。(IBM互換機の場合)
つまり、コマンドラインには -com2 のoptionを付けて、RS232Cが
COM2であることを指定します。あとはプログラム終了時にウィンドウ
を閉じる指定にします。メモリはすべて自動でOKです。
4.実装詳細
今回このROMライタ基板をアルミのケースに実装しました。下図はその詳細
な写真です。
ケース内部の実装全体で、今回使用したアルミケースは、
十分の大きさがあるので余裕で実装できています。
内部には、ROMライタ基板が左側の上ブタに、電源用の
トランスと平滑回路が右側の底側に実装されています。
ROMライタ本体の基板詳細です。 電源のレギュレータIC
は表側の実装高さを抑えるため、裏側に実装しています。
また基板上の部品実装はすべてICより低くなるようにして
います。但し2個の発光ダイオードだけは背を高くしてケース
の上に飛び出る様にしています
ROMライタ基板の上ブタへの実装は、ゼロフォースソケット
の高さを上げてケース上面まで出すため、28ピンのIC
ソケットを2段積みしています。
これがゼロフォースソケットの取り付け詳細で、ICソケットで
浮かした上で、ケースのネジで固定してレバー操作でも抜け
ないようにしています。またPICの挿入を間違えないように
挿入の仕方をケースに書き込んでいます。発光ダイオードは
基板から直接頭だけ出るように穴を開けています。
横から見たICソケットの取り付け詳細です。
基板は10mmほどのカラーで浮かして取り付けています。
電源の詳細です。 平滑用のダイオードブリッジと電解
コンデンサを取り付けています。コンデンサは両面接着テープ
でケースに固定しているだけです。