DDS応用低周波発生器

Direct Digital Synthesizer(DDS)を発振部に
使いロータリースイッチで1Hz単位の周波数可変。
出力アンプ、6桁カウンタ内蔵。



1.概要

ダイレクトディジタルシンセサイザー(DDS)を利用した周波数発生器を
作ってみました。DDSには市販キットを使い、これの制御をPICで行っ
ています。
周波数設定は押しボタンとロータリースイッチでダイヤル式で出来ます。
発振周波数は10Hzから200KHzを1Hzステップで出来ます。
周波数安定度はクリスタル精度ですので、一般の低周波発生器と比べ
はるかに安定なものになっています。
信号の出力も意外ときれいな正弦波で600Ωの出力アンプ付きです。
周波数直読の6桁カウンタを一緒に実装しました。


2.低周波発生器仕様

低周波発生器としての仕様は下記としています。
(1)全体仕様
 ・電源       AC100V

(2)出力信号仕様
 ・信号種別     正弦波のみ
 ・周波数範囲    1Hz〜200KHz(信号としては1MHzまで出る)
 ・周波数可変単位  1Hz
 ・周波数安定度   クリスタル発振精度(約10ppm)
 ・出力電圧     最大5Vp-p 
           スイッチにより-20dB、-40dB 切替
           ボリュームにより連続可変

(3)操作部仕様
 ・ロータリースイッチ(メカニカル方式)によるアップダウン
  単位はHi/Lowスイッチにより、1Hz単位と1KHz単位に切替可能
 ・Up/Downスイッチによる連続可変
  ロータリースイッチよりも高速な可変が可能で、可変単位は1Hzか
  1KHzです。
 ・Hi/Lowスイッチ
  可変する周波数単位を1Hzと1KHzに切り替えるスイッチです。


3.全体構成

全体構成は下図のようになっており、基本となるDDSの低周波発振
ユニットと、6桁の周波数カウンタをベースに、トランスによる電源
回路を付加しています。












ここで使用した6桁周波数カウンタは、別ページの低周波発信器
に使ったものと同じものを使っています。


4.出力信号波形

完成した低周波発生器の実際の出力信号波形を撮ってみました。
10Hzから100KHzまでは出力振幅もフラットで、波形もきれいな
正弦波で、測定器として問題無く使用できます。
500KHz付近からは波形がやや歪んで来ますが、信号としては
出力されている。
実際の出力は1MHz過ぎまで出るが、振幅がかなり小さくなる。


    20Hz        1KHz       20KHz
 露出時間短く      いずれもきれいな正弦波
 一部欠け        で振幅も一定(1V/div)
 

    100KHz      200KHz       500KHz
   ここまでは     やや振幅縮小    波形が正弦波
   全く問題無し    してきた      から歪んでいる

5.外観構成

低周波発生器の外観は下記写真のようになっています。

ケースは良く使う中板のあるタイプです。
上面にカウンタ、下面にDDS発振ユニット
が実装されています。
前面の大きなダイアルがロータリーエン
コーダです。

DDS発振ユニット全体の取りつけ外観です。
電源にはトランスに直接ダイオードブリッジ
を取りつけています。
DDS発振ユニットとスイッチ類の接続はコネ
クタとなっています。
平滑コンデンサは基板の電源端子に直接
半田付けで固定しています。

上面には6桁周波数カウンタユニットが
取り付けられています。

カウンタユニットの電源もやはりトランスから
直接ダイオードブリッジで供給しています。


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