【第2回情報交換会概要】
開催日時 1998年6月13日 PM1:00〜5:30
開催場所 川崎市 中原 マイクロアプリケーションラボ内
出席者 落合 幸喜氏
池田 義行氏
川村 浩之氏
高木 美薫氏
松崎 仁生氏
小田島雄一氏
梶川 信宏氏
菅原 雄介氏
小川 晃氏
徳田 裕司氏
原 隆氏
後閑 哲也
(吉田勝男氏)
【まとめ】
第2回の情報交換会は14名+1名で、前回同様皆さん情報収集に
一生懸命の姿が印象的でした。 今回はこれからPICを使ってみよう
という方から、仕事や趣味でバリバリ使っている方と混在しており、
それぞれに貴重な情報と、ノウハウを得ることが出来たようです。
特に、今回はPICとは異なるXILINX社のPLDの設計ツールのデモ説明
があったり、3COM(USRobotics)のPalm-Pilotをコントローラ
としたロボットなど、興味の沸く作品の紹介がありました。
時の経つのも忘れる半日でした。また次回の開催も期待して散会
しました。
さらに、今回の会のため、下記の方々からパーツを提供して頂きました。
参加者で有り難く頂きました、ありがとうございました。
浜中延啓氏 Digital Timer、ACケーブルなど
小川 晃氏 Pentinum用Cooling Fan
高木美薫氏 電解コンデンサ、エミフィル、スイッチなど
池田義行氏 日本語PIC説明書CD−ROM
また、自社のスペースを快く提供して頂いたMALの小川さんには心より
お礼申し上げます。
【参加者写真】
( ) 小川氏、池田氏、落合氏、 川村氏、徳田氏
原氏、菅原氏、高木氏、小田島氏
後閑、 梶川氏、 松崎氏
【スナップ写真】
皆さんの作品紹介の模様。
それぞれに皆さんの作品
を詳しく聞いたり、質問をしたり
で、全員が熱心に情報交換を
していました。
【自己紹介と作品紹介】
1)吉田勝男氏
今回は残念ながら会には出席できなかったのですが、作品だけの
紹介ということで参加されました。
アマチュア無線を趣味とされており、今回の作品は「簡易ディジタル
電圧、電流計」です。PIC16F84を使い、入力した信号の電圧を測定
して3桁のセグメント発光ダイオードで表示するというものです。
入力信号の電圧測定には、抵抗とコンデンサによる簡易A/D変換
の方式を利用しており、精度はいまいちですが、簡易の直流電圧
測定には便利な測定器です。上にあるのがセグメント発光ダイオード
とそのドライブ用のトランジスタ群。
下側にPICとコンパレータがある。
電源は基板固定用のアルミ板に3端子
レギュレータが固定されており、ACアダ
プタから電源を供給する。
基板はプリント基板になっておりきれい
な仕上がりです。
説明と回路図が下記にあります。
★簡易ディジタル電圧、電流計
(2)落合幸喜氏
前回から連続の参加、今回はパラレルインターフェース接続のPICライタ
用のWindows版ライタプログラムのデモと説明紹介がありました。
Windows版のライタプログラムは少なく、今後フリーソフトとして公開する
予定とのこと。楽しみにお待ち下さい。
下図はメインの画面です。
また下記は提供されたドキュメントのファイルです、ダウンロードして
ご覧下さい。
(3)小田島雄一氏
仕事でPICをバリバリ使って、子供のおもちゃや、ロボット、シリアル用
各種変換器などを開発している。
今日は、その中から、「電話の自動応答システム」の紹介がありました。
これは、パソコンなどの上位処理装置とRS232Cで接続し、電話回線に
直接接続して、電話の自動接続応答をしながら、プッシュホンの信号
(DTMF)を解読して上位パソコンに送受信し、色々なサービスを実現
する装置です。
中身には、PIC16F84を4個LAN接続し、独自プロトコルで協調させな
がら機能分担して高速処理を実現しています。
各種のサービス機能はパソコン上でVC++で作成している。
下記写真は試作品で社内で結構便利に使っているとか。その他にも
応用範囲の広い装置ですね。
またこのようなLAN接続したシステムは、これから自動車や家庭内の
LANとしての使い方が注目されており、色々な標準化や規格化が
世界的に進められているようです。
(自動車用には「Controller Area Network (CAN)」という標準規格が
あるそうです。)下側に並んでいる
ICがPICです。
上の大きなものは
電話回線とのインター
フェースをするための
テレコムモジュール。
上記の簡単な紹介資料です。PDFファイルですので、ダウンロードして、
Acrobat Readerでご覧下さい。
★ 電話の自動応答システム説明書
(4)菅原雄介氏
仕事でもPICを活用することを考えながら、趣味の世界を楽しんでいる。
今回紹介して頂いたのは、PICをコントローラとして使い、上位の制御
装置としてPalm-Pilotを使ったユニークな作品が2点です。
一つ目は、テスタをPalm-Pilotの画面でグラフとして表示する「デジタル
テスタ」、二つ目は、モータ制御にPICを使い、動作制御にPalm-Pilotを
使うという「ロボット」です。
ディジタルテスタは、PIC16C711で計測データをA/D変換し、そのデータ
をRS232C経由、Palm-Pilotに送っています。Palm-Pilot側では、C言語を
使ってデータをグラフとして表示するソフトを開発している。
見た目にデータの変化が分かりやすいテスタで、実用域です。左側がPICによる
データ入力部で
それをPalm-Pilotで
グラフ表示している。
いずれも電池で動作
するので持ち運びが
出来る。
ロボットの方は、PICとリレーでモータのOn・Off制御を行いますが、
それをどのようにするかはPalm-Pilotにグラフィックな表示で、簡単な
動作を指定することが出来るようになっており、連続した一連の動作
を組み立てることができるようになっている。
Palm-Pilot側のプログラムも自作品で、Palm-Pilotで出来るゲームが
発想の源になっているとか。詳しくは下記HomePageで見られます。http://www.kt.rim.or.jp/~suu/
ロボットにPalm-Pilotを載せた
ところ。 駆動部は田宮模型の
キットで作られている。
制御部は秋月電子の
プラチナキットがベースにな
っている。
梵天丸が駆動部の原点と
なっているそうです。
(5)小川 晃氏
MALのオーナーで今回はXILINX社のPLDを使って作った8桁カウンタ
を応用した電圧計と、ML2036というサイン波発生用のICを利用した
低周波発振器の紹介がありました。
8桁カウンタはXILINXのFoundationシリーズという非常に安価なPLD
開発ツールを使って自作したもので、今回この開発ツールのデモで
使い方の説明がありました。
PICとこのようなPLDの組み合わせによる工作で、アマチュアでも性能
の優れた開発が可能となります。一度試してみる価値のある方法です。周波数カウンタ
上側にあるのがXILINX社
のPLD。
下側は、PICを使った4桁
発光ダイオード表示部
スイッチで上位下位4桁
づつ切替表示する。
ML2036応用低周波発振器
下側の基板にあるのが
ML2036
上側はPIC制御の4桁表示
ユニット
XILINXの低価格開発ツールは下記共立電子でオンライン購入が
出来ます。但し特別価格販売は期間限定です。
http://eleshop.kyohritsu.com/(共立エレショップ)
(6)後閑哲也
今回は秋月電子製DDSキットをPICで制御した「低周波発振器」と
PIC用リアルタイムOSである「PICROS」の説明をしました。
低周波発振器は、周波数安定度は水晶発振子の精度であり、
かつ正弦波も非常に歪みの少ないきれいな出力です。
出力レベルもDDSの出力が一定で安定なので、測定器としては
3拍子そろったものが出来ます。PICROSはマルチタスク、多重割込みが可能なリアルタイムOSで
256ワードと小さなサイズで出来ており、サービスマクロ命令も
10個と、一応のことが出来るオペレーションシステムとなっています。
(7)
(8)池田義行氏
PICの販売を仕事にしている。技術的に詳しくはないので勉強がてら
クラブに参加。PICの入手でお困りの方は彼に相談すればOK。
また講習会やマニュアルなどの情報入手に関しても情報を沢山
お持ちです。
(9)川村浩之氏
前回に引き続きの参加。今仕事でブイの開発ではなく、Visual BASIC
などを使ったソフトの開発をされているとのこと。
(10)高木美薫氏
梶川氏の紹介で飛び入り参加。電子部品メーカにお勤めで、カー
オーディオの開発のベテラン。ハードの開発だけでなく、ソフトも
ということでPICを勉強中とのこと。
(11)松崎仁生氏
今回神戸からわざわざ駆けつけて頂いた。熱心に情報収集されて
いました。特殊テレビカメラ関連のお仕事をされているとのこと。
子供のころからの電子工作の趣味で、マイコンに興味を持ち、仕事
にも活用されているとか。
(12)梶川信宏氏
気象衛星NOAAからの画像受信などをアマチュアで可能としてし
まったベテラン。アンテナの制御にPICを使うことを検討中だとか。
(13)原 隆氏
小川氏の紹介で飛び入り参加。電子回路設計をお仕事にされて
いる方。皆さんの熱心さに感心すると同時に、色々なアイデアが
参考になったとか。PLDの設計ツールを実際のお仕事に使って
いるとか。