【第5回情報交換会概要】
開催日時 1999年5月22日 AM11:00〜PM6:00
開催場所 川崎市 中原 マイクロアプリケーションラボ内
出席者 小川 晃
片山 潮
落合 幸喜
加藤 勇
出雲 健三
黒滝 賢治
小野寺康幸
有井 智哉
松家 光雄
佐藤 成
高木 美勲
梶谷 伊平
川村 浩之
後閑 哲也
堀 浩一郎
大藤 眞弘
中村 幸治
【まとめ】
第5回の情報交換会は、午前中にCCS社のCコンパイラのミニセミナ
を小川さんの講師で開催しました。直接C言語でのプログラミングを経験
する機会を持つことができ、即コンパイラ購入に走った方もいらっしゃい
ました。
午後は、いつものように製作品の紹介をしましたが、今回も多くの作品
が持ち込まれ皆で楽しく情報交換を行いました。
その中でも、落合さんが衝動的に買ってしまったというレゴ社のマインド
ストームを持ち込んで来た為、皆これにはまってしまい、いつもより遅く
まで夢中で遊んでしまいました。
今回もエンケイさんや小川さんからプレゼントを頂き、皆さんで有り難く
分けました。
また、自社のスペースを快く提供して頂いた、MALの小川さんには
心よりお礼申し上げます。
《参加者写真》
梶谷氏 有井氏 加藤氏 小川氏 堀氏 川村氏 落合氏
佐藤氏 黒滝氏 出雲氏 片山氏
小野寺氏 中村氏 高木氏 松家氏
スナップ写真です。 途中で大藤さんが居なくなりました。
【作品紹介】
(1) 加藤 勇氏 (フットマウス)
自分で電子機器開発会社を経営されており、今回試作製品である
「フットマウス」を説明して下さいました。
名前の通り足で操作するマウスで、前後左右への動きもスイッチの
機能も片足だけで出来る優れものです。
中味の制御はPIC16C711で行われており、X,Yの位置をアナログで
取り込み、マウス信号に変換してパソコンに出力するようになって
います。足で強く端に動かすとマウスの動きが速くなるなど、なかな
か良く考えられています。もうすぐ製品化され売り出されるとか。
数多くの意見が出され、まるで新商品の評価会議の様でした。
下図の左側の基板部にPIC16C711
が搭載されています。
中央の黒い板の上に足を乗せて
前後左右に動かすことでマウス
動作をします。
(2) 有井 智哉氏 (水質濁度計用表示器)
海洋観測機器をお仕事にされているということで、水質測定機器の
試作品だそうです。 丸い黒い固まりが汚濁センサで、その濁度を
表示するユニットにPICを応用しています。
センサのアナログ信号を非常に高い分解能でディジタル変換する
必要があるため、外付けのA/Dコンバータを使って取り込み、
5桁のセグメント発光ダイオードで値を表示しています。この表示器
の制御にPIC16F84を使っています。
(3) 小野寺 康幸氏(時計、SX、ATMEL用ライタ)
久しぶりに参加された氏ですが、今回は電子時計をMicrochip社の
PIC16F84と、SCENIX社(代理店 住商デバイス)のSXシリーズの
両方で動作確認をして下さいました。 ほとんど同じプログラムの
ままで両方とも動作していました。
ただし、SXシリーズの方は電源電圧にシビアな様で、5Vを供給
してやる必要があるとのことでした。PIC16F84は3.6Vのガム電池
で十分安定に動作していました。(水晶振動子は32KHz)
PICライタの対象チップにSXシリーズを加え、さらに、アトメル社の
マイコンにも対応して下さいました。
いわゆるパラレルタイプのPICライタに下記写真のように、ちょっと
外付けの部品を追加するだけで、3通りに対応できるライタになる
そうです。
ここで、後閑の方からも、電子時計を紹介しました。 高精度の時計
とするために、12.8MHzの高精度クリスタル発振ユニットを使い、
これで直接PIC16F84をドライブしています。ちょっとオーバードライブ
ですが、全く問題無く動作します。
このユニットの周波数を微調整することで、月差10秒程度の精度に
することが可能です。
上図の金属ケースが高精度水晶
発振ユニットです。
(4) 落合 幸喜(ロボット)
落合さんの定番となったロボットです。 今回は前々回にご紹介して
頂いたロボットですが、完動させたのと、標的となるロボットに今回の
目玉である、レゴ社のマインドストームを使ったことが新しい試みの
ものです。
この標的ロボットは、当日の朝出がけにプログラミングして来たとの
こと、マインドストームの完成度の高さを連想させます。
ロボットの方は、PIC16F84でモータのサーボ制御を行い、PIC16C77
で全体の制御をしているとのこと。結構大きなプログラムとなっている
様です。
この2つのロボットを使った競技は、下図のような黒いテープで囲
まれた競技エリアを出ないようにしながら、標的ロボットを発見し
追いかけ、頭の部分をたたいて押して標的ロボットを停止させると
いうものです。
エリアから出ないように赤外線センサで黒テープを検知し方向を
変えます。標的の探索は2組の超音波センサで反射距離を測定
することで近づいて行き、ハリセンを持った腕を下げることで標的
の頭を叩きます。
(5) 小川 晃氏(赤外線距離計)
赤外線を使った距離センサを応用した距離計です。このセンサは
1m程度までの距離を測定したり、物体の有無を判定したりする機能
を持っており、出力は距離に応じたアナログ電圧となっています。
これをPICのA/D変換でディジタルデータに変換したあと、距離値に
換算して液晶表示器に表示しています。
(6) 出雲 健三氏(アンテナ自動同調カプラ)
アマチュア無線を趣味としている出雲さんからは、アマチュア無線用の
アンテナ自動同調カップラの紹介がありました。厚手のアルミ板を曲げて
作ったケースは、氏のアマチュア魂を感じる出来栄えでした。
原理は、アンテナのSWRと反射を測定し、インピーダンス調整用の
バリコンをモータで回転制御するというフィードバック制御で行っています。
このフィードバック制御にPIC16F84を使っており、SWRと反射波の2値を
同時に最適化するようになっています。
このカプラの特徴は一度同調を取れば、あとは電源を切っても同じ位置
を保持するということです。
SWR計のところは、カットアンドトライで相当苦労された様で、苦労の跡が
しのばれる中味でした。
中味全体 制御基板部
(7) 落合 幸喜(マインドストーム)
いよいよ本日の本命のレゴ社のマインドストームの登場です。
落合氏が気が付いたら買ってぶら下げて歩いていたという代物で
子供のおもちゃというより、大人が夢中になってしまうおもちゃ
です。 下図のRCXというコントローラには、日立のH8という
マイコンが使われているとのこと。いくつかのセンサとモータ
を接続して制御することが出来ます。
動かしかたはパソコンで簡単にプログラミングできるソフト
ウェアが用意されており、赤外線通信でRCXに転送して独立動作
をさせることが出来ます。
結局、最後は自分たちが遊ぶことになってしまいました。
これで解散時間を大幅にオーバーし、充実した一日を過ごす
ことが出来ました。
(8) その他の方々
作品を紹介下さった方々の他に皆さん興味一杯で最後まで真剣に
聞いたり質問したりされていました。
・佐藤 成氏
建物の振動を測定することをお仕事にされているとのこと。
最近はネットワーク経由でデータを収集できるようになっていて
学術目的などに自由に使えるようになっているそうです。
・大藤 眞弘氏
ハードウェア設計を自営でやられているとのこと。当日も徹夜明け
ということで、途中で体調をくずされたため帰宅されました。
サーボやラジコンが得意とのことでした。紹介予定の作品があった
のですが出来ずじまいでした。次回またお待ちしております。
・梶谷 伊平氏
大型ルータのソフト開発をされているとのこと。
昔、LKITなどのマイコンで遊んだことからそのまま仕事になって
いるそうです。
・川村 浩之
ずっと続けて参加されている常連メンバーです。
・中村 幸治氏
日本工業大学の学生さん、ずいぶん勉強になったのでは。
・片山 潮氏
印刷のDTPを自営業でやっているとのこと。ロボットに興味があると
いうことで、最後までマインドストームに張り付いたまま。
きっともう買っちゃっているのでは?
・堀 浩一郎氏
玉川大学の学生さん。小川さんがアドバイザーをしている関係で
クラブに入会。
・松家 光雄氏
ずっと参加されている常連のプリント基板会社の社長さん。
やはり最後までマインドストームに触っていらっしゃいました。
・黒滝 賢治氏
会社でも何でも屋ということで、TK80からずっと触っているとのこと。
今はオーディオ装置が趣味の世界とのことで、トランスの設計から
するとか。マニアですね。
・高木 美勲氏
氏も常連メンバーです。 プログラミングに目覚めたとか。