PICクラブ 第7回情報交換会


【第7回情報交換会概要】

開催日時  1999年12月4日 PM1:00〜PM5:30

開催場所  川崎市中原 マイクロアプリケーションラボ内

出席者   小川  晃
      佐藤  成
      小野寺康幸
      高木 美勲
      黒滝 賢治
      大橋 理恵
      落合 幸喜
      大和田和人
      井村  裕
      中尾 裕一
      梁取 弘明
      柏原 俊之
      赤松
      小林  浩
      大内山士郎
      後閑 哲也
    

【まとめ】 

第7回の情報交換会は、初めての参加者が約半分いらっしゃいました。
その新しい方々から、とてもレベルの高い製作品の紹介があったり、
韓国、台湾旅行のお話があったり、オーストラリアでのソーラーカーレース
への参加報告、VHDLのミニ講習会があったりで、とても充実した半日でした。
今回も自社のスペースを快く提供して頂いた、MALの小川さんには
心よりお礼申し上げます。

《参加者写真》




 井上氏

小川氏

落合氏

大内山氏

大橋嬢

小野寺氏

小林氏

梁取氏

   黒滝氏

         高木氏

      大和田氏

 佐藤氏 中尾氏

  井村氏

      後閑

赤松氏

柏原氏



【作品紹介】


1.焦電センサとテレビリモコン応用による自動録画装置 : 井村さん

人間が近づいたら自動的にテレビカメラとビデオレコーダの電源を投入して
画像記録を開始するというもの。人のセンサには焦電センサを使用しています。
全て自作品でできており、本人が高周波関連に強い会社の社長さんということで、
テレビカメラもテレビモニタも、おまけにテレビ受像機まで自作品でした。
もちろん制御部も自作品。この全体の制御にPICを使っています。








2.小型PICライタと圧力検出器 : 大和田さん

電気関係にお勤めの大和田さん、PICの小手はじめに作られたのがライタ。
ノートパソコンのシリアルコネクタにそのまま差し込めるので結構便利かも。

圧力検出器は、圧力センサが自作品ということで、皆驚いてしまいました。
原理は単純、金属片を2枚向き合わせたコンデンサを利用し、加速度や外部
の圧力で金属片の向き合う面の厚さが変化することで圧力変化を検出する。
そのコンデンサの容量変化を、PICの簡易A/D変換の方法で検出し、数値と
して表示します。絶対値の測定は無理ですが、相対的な変化は十分これで
検出できます。
写真右側の、電池の上にある金属棒の左側に、コンデンサの働きをする金属
板が2枚あり、1枚が金属棒に連結していて、金属棒の動きで圧力変化を検出
します。

3.ソーラーカーレース報告、PIC評価ボード : 小川さん

10月1ヶ月間、オーストラリアで行われたソーラーカーレースに参加した小川さん
より、レースや制御装置の概要の報告がありました。
太陽電池の発電した電気を電池に充電仕切れないロスを、電気二重層コンデンサ
に蓄えるというアイデアで最大限にエネルギーを使い切る方式だそうで、この制御
に結構複雑な制御があるようです。

また小川さんの経営するMALで今回シリアル方式のPICライタアダプタを開発した
そうです。下記写真の右側の基板がアダプタです。
パラレル方式のインターフェースはパソコンにより相性があるようで、シリアル方式
の方が安定した動作をするようです。

4.パルスモータ制御ユニット : 赤松さん

PICの使いはじめに自作したパルスモータの制御ユニットだそうです。
赤松さんは自作工作派としては本格派のようで、このユニットの機能
もパルスモータを動かすだけに留まらず、速度制御、位置制御、
リミット停止、最大速度制御、台形制御など、各種の制御方式を
パソコンと接続して試験できるように工夫されています。
パソコン側のソフトも自作品でグラフ表示や、動作シミュレーション
など色々な工夫がなされています。


5.リモートアナログ計測器 : 赤松さん

赤松さんはお仕事が自動計測装置関連ということで、そのお仕事の
副産物として自作したものだそうです。
パソコンとシリアルインターフェースで接続してリモコンしながら計測
データを収集しグラフ表示するものです。
パソコン側のソフトがDOSベースでグラフ表示するようになっており、
高速で精細なグラフが描画されます。本当に市販品と遜色なしです。
計測端末の方も、本職の技術が活用され、アナログ入力部分の回路
は工業計測用のレベルです。
ただし、本端末はPICでは無く、汎用のマイコンが使われています。


6.MP3再生装置 : 赤松さん

今回の交換会の話題を独占してしまった感じです。 フラットパッケージの
MP3用LSIチップセットを汎用の穴明き基板の上に絶縁シートを介して接着
し、ピン間の配線をホルマル線で配線するという離れ業で作られています。
おまけに、スマートメディア用のソケットまで自作品、さらにはケースの
スイッチボタンや、ケースのアニメ漫画まで自作品と聞いて皆びっぎりでした。
これ以上の自作は限界でしょうか?

この装置の紹介は作者のホームページに詳しく説明されていますので
参考にして下さい。

  
★Electronic Lives Manufactureing


7.Music Display : 後閑

後閑より、パチンコ台などに使われている液晶表示器を利用して、音楽の
音色に合わせて色帯の幅をリアルタイムで変化させる表示制御ユニットを
紹介しました。
スイッチドキャパシタフィルタの使い方や、テレビ用のモニタの制御方法など
の勉強になりました。
下記ホームページに紹介していますので参考にして下さい。

  
★Music Display

8.ロボット : 落合さん

毎回ロボットを紹介していただける落合さんから、今回も新作のロボットの
紹介がありました。
今回も母校の競技用に製作したものだそうで、左側の写真にある上に載って
いるのが、協議主催者側から提供される超音波発振器で、全方向に発振
します。この発振装置に風船を付けたものを戦う両者が付け、一定の枠内
で相手を発見し、先に風船を割った方が勝ちというゲームだそうです。
この超音波を検知し方向を割り出すのに超音波センサが1個しか使えない
ルールだということでそれを実現するのに苦労されたとのこと。
でも今回のロボットは足回りに数々の工夫が凝らされており、モータが
ラジコンのサーボの上に載せられていて自由に方向が決められるように
なっています。


9.汎用PICライタ : 小野寺さん

前回から継続して開発中の全PIC及び、SNIX、アトメルにも対応した万能ライタ
です。そろそろ製品として販売を始めるのではないでしょうか?




10.VHDLミニ講習会: 落合さん

今回は落合さんに依頼して、LSIの設計開発用言語である「VHDL」の使い方に
ついて講習会を開催しました。
落合さん自作のCPLD評価基板を使って,ノートパソコンでVHDLで書いたカウンタ
などを実際にXilinxのフリーソフトである「Web Pack」を使ってコンパイルし、即
CPLDに書き込んで試してみるという講習をしました。

皆、数行で書かれたVHDLが実際に機能するところを目でみることで、意外と簡単
に自作が出来るものであることを実感しました。
きっと次回にはこの成果が現れるのでは無いでしょうか?


【参加者紹介】

黒滝さん  お仕事は電力会社関連、何でも屋ということで、現在はパソコンの管理?
        台湾、韓国に旅行に行かれて電気街を徘徊されて来た紹介がありました。
簗取さん  ヤナトリとお読みするそうです。ロボットのホームページを運営している内に
        本業になってしまったとか。
        
佐藤さん  振動計測などの会社のお勤めで、PICで遊んでいるとのこと。

中尾さん  有名なゲーム機の組み立てをお仕事にしているとのこと。
        
大橋さん  もと数学の先生、今はなぜかソフトハウスでプログラマをしているとのこと。

大内山さん シーケンサなどの組み立てをお仕事にしているとのこと。
        PICに興味を持ったのがきっかけ。
柏原さん  秋葉原で有名なパーツショップにお勤め。現在ホームページの立ち上げ
        中で大忙しとのこと。UNIXに少々てこづっているそうです。
高木さん  カーオーディオの設計がお仕事、最近はカーテレビの設計なんだそうで
        ハードだけではやってけないといことで、PICが入門となっているそうです。
小林さん  長野からわざわざ参加していただいた学校の先生です。
        わざわざありがとうございました。
井上さん  大学の卒論にPICを題材にしているとか、頑張って下さい。きっと
        良い情報が入手できたことと思います。





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