PICクラブ 第15回情報交換会


【第15回情報交換会概要】

開催日時  2002年 6月1日 PM1:00〜PM7:00

開催場所  マイクロアプリケーションラボ内

出席者

  佐藤 成
  田中 俊幸
  高木 美勲
  五十川 基文
  日高 弘
  樋口 聡
  斎藤 洋一
  小野寺 康幸
  堀 浩一郎
  櫻井 清
  神山 博光
  萩原 進也
  梁取 弘明
  松家 光雄
  長浜 淳一
  菅原 雄介
  内田 高之
  綾 皓二郎
  小田島 雄一
  福士 幸弘
  落合 幸喜
  西村 正弘
  菅沼 直志
  大内山 士郎
  大藤 眞弘
  小川 晃
  後閑 哲也


【まとめ】 

 第15回情報交換会は、またMALさんの事務所に戻って、ちょっと狭い場所で
熱気むんむんといった感じの交換会となりました。今回も新たな参加者が増え、
また賑やかになりました。
 今年になって早々、マイクロチップ社のPIC出荷が20億個を超えたということで
10億個出荷記念に引き続き、20億個出荷記念の盾をPICクラブ宛に頂きました。
 それにしても10億個から20億個までわずか30ヶ月ということで、PICの広がりを
実感します。
 今回の製作品紹介は種類が多く、夜7時過ぎまで飲まず食わずで続けることに
なってしまいました。皆さんの情報収集への熱い期待を感じました。



《参加者写真》  

 下記写真の方々の他に、綾先生、梁取氏、菅原氏がいらっしゃしました。 
 斎藤氏 堀氏   樋口氏 大内山氏 小田島氏 小野寺氏 落合氏 内田氏
           高木氏 菅沼氏
     佐藤氏   田中氏     大藤氏    松家氏
        日高氏   櫻井氏    福士氏   萩原氏   長浜氏 斎藤氏
    神山氏     五十川氏     西村氏  佐藤氏      田中氏   


スナップ
 
 











【作品紹介】

1.PIC16F87xによるPLC   :小田島さん

PICを使ったシーケンサで、PIC16F87xを使ったことで、アナログ入力、I2C通信に
よる増設、USARTによる上位パソコンとの通信、CCPによるPWM出力などなど
いろいろなインターフェースが追加されました。

パソコンでラダ−用命令でシーケンスを記述して
PICにダウンロードするだけで、独立のシーケンサ
としてPICが動作するように、シーケンス言語の
解読実行機能がPIC側に実装されています。
そしてシーケンス命令データはフラッシュメモリに
格納されるので電源OFFでも消えることが無く、
電源Onと同時にシーケンス動作を再開します。


小田島さんの傑作はこのPLCだけでなく、
左記のような秘密のアタッシュケースにありました。
これを出張に持ち歩いていれば、何処に言っても
PICで遊べるのだとか。




 引き続き、シーケンスのラダ−マトリクスの講習をして頂きました。

2.トーレーサーロボ : 梁取さん

教材用ロボットの典型、トレーサーです。これはお台場の未来館で教材として
発売しているものの原型とのことで、比較的簡単に組み立てと調整が出来る
ようになっています。 動きはのんびりしていますが、それでも黒いビニール
テープをきちんとトレースして走ります。

右下に飛び出している基板がセンサー基板で
ここに赤外線の反射型センサーが取り付けられて
います。制御基板、電池(単3型4個)、駆動部と
いう順序で階層になっています




制御基板です。
PIC16F84Aとモータドライブ用ICで大部分です。






駆動部は専用モータ(マブチのF130にスパークキラー
を内蔵させたものらしい)
ギヤボックスは有名教材メーカ製、後輪のキャスタは
タミヤの工作キットシリーズのもの

3.電波時計を利用した1Hz校正信号発生器 : 内田さん

車の車検でスピードメータに使う測定器の校正用に1Hzのパルス信号を出力する
校正器です。 最近電波を出し始めた電波時計の信号を利用して、受信状況を
液晶表示器に表示しながら、外部に1Hzのパルス信号を出力します。

前面パネルには液晶表示器があって、
常時ここに電波時計の受信状態を文字で
表示します。




内部は電波時計受信部は秋月のキットでまとめ
PICによる制御部基板を追加して、電波の受信データ
解析と1Hz信号出力、さらに液晶表示器の表示制御を
しています。


4.2足歩行ロボット : 菅原さん

とうとう菅原さんが2足歩行ロボットを作ってしまいました。ロボカップに参加した
マシンです。菅原さんらしいアイデアは、ロボットはもともと無線制御になっていますが、
それに音声制御機能を追加して音声でコントロールできるようになっています。
「前進」とか「右向け」とかいうとそれに従って動作をします。しかも「皆さん」と命令
すると「元気ですかー?」と叫ぶなど、一味追加されています。


全体がラジコン用サーボで構成されています。
電池が意外と小さいですね。




コントローラは背中におんぶした格好です。




コントローラはH8のワンボードマイコンに
無線の受信ユニットが追加されています。


5.ディジタルマルチメータ : 小野寺さん

PIC16F877を使った基本の応用で、ディジタルマルチメータです。
測定機能は、電圧、電流、周波数で、レンジ切替えは自動で行っています。
表示は4桁のセグメント発光ダイオードで、レンジ切替えはオペアンプの
フィードバック抵抗をFETで切替えることで行っています。
A/D変換はPICの10ビットのA/D変換モジュールをそのまま使っています。

抵抗値の測定と、マイナスの測定に
苦労しているようです。






6.携帯電話利用の警報送信機 : 佐藤さん

接点の警報を監視していて、警報が発生したら、マイコン制御されたプランジャが
携帯電話のキーをたたき、電話をするという機能をもったリモートモニターです。

左側から、H8マイコンのコントローラ、プランジャ付き
携帯電話、受信用携帯電話(普通の携帯)
左端のオレンジのケーブルの先に監視用の接点
を接続し、その接点が警報になるとコントローラで
プランジャを制御して携帯電話のキーを叩きます。
電話がかかると受信用の携帯電話がコールします。



上にあるのがプランジャで電磁石で動きます。
そしてプランジャの先にはリンケージが接続されていて
その先端が携帯電話のキーの上に来ています。
プランジャがOnになるとプランジャの先が下方に
押し出されリンケージが携帯電話のキーを押します。
これを一定の手順で連続的に行えば、指で押したのと
同じ動作をさせることが可能になります。


コントローラはH8で、接点入力はフォトカプラで絶縁し
出力はリレーで、その接点でプランジャの電源を
On/Offしています。



7.障害者用赤外線リモコン : 福士さん

いつも障害者用のツールで福祉に貢献されている福士さんで、今回もやはり
もう一つのライフワークの赤外線通信を題材にした作品でした。


右下のマウスが障害者用の押しボタンスイッチに
なっていて、ボタンを押す回数によって左上にある
テレビリモコンの一部のボタンを押したのと同じ動作
を実行します。実はこのリモコンユニットの中にPICが
組み込まれていて、ここで押しボタンスイッチの回数を
リモコンスイッチのキーに置き換える変換処理をしています。


これは光電変換スイッチを応用して、光ファイバの先の
部分をほんの僅かでも遮るとセンサが反応してブザーを
鳴らします。


8.汎用PIC16F877実験基板 : 日高さん

PIC16F877を活用した実験を行う時に便利に使える汎用のユニットです。
今回のデモでは、和英文モールス符号練習機を見せてくださいました。
細かいところに気を使っていて、同じテストを繰り返す時も、乱数を使って
同じ内容の繰り返しにならないようになっていたりします。

PIC16F877を中心に、スイッチ、発光ダイオード
アナログ入力用ボリューム、液晶表示器
などなど一通りのものがついています。


9.PICプログラマ付き汎用実験ユニット : 五十川さん

PIC16F84A用のプログラマ付き汎用テストボードといった感じの汎用ボード
が2種類です。

パラレル接続のライタと発光ダイオード
スイッチの組合せのボードです。




少しレベルアップして、液晶表示器とダイナミック
スキャン用のスイッチ、シリアルインタフェース
拡張IOとなっています。



10.コミュニティターミナル : 長浜さん

ご近所同士で防犯や火災などの緊急を伝達しあうための道具で、無線通信で
互いに協調して動作するようになっていて、いずれかのターミナルで警報を
検知すると、全部の周りのターミナルにその警報を無線で伝達します。

きれいなケースの納められています。
ターミナルコードの設定や暗証番号などの設定
が出来るようになっています。




中味は、メイン基板と入力端子、無線受信機
から構成されています。




PIC16F873とPIC16F84Aの2個のPICで制御を
していて、無線送信モジュールが右上にあります。



11.ストロボスコープ用画像同期制御ユニット : 斎藤さん

咽喉の写真を声の震えに同期させて画像として見るためのストロボスコープで
声が無い時にも画像がNTSCの信号に同期して静止して見えるようにするための
試作品で、PICでNTSCの垂直同期信号を監視し、それに同期した倍の周波数の
信号を出力します。

PIC16F84Aで動かしています。

12.強力サーボユニット他 : 大藤さん

PICでサーボモータを直接制御して、大型のサーボモータを動かしています。
入力はラジコンのサーボ用と同じ信号で、そのパルス幅に比例させてサーボ
位置を制御しています。馬力があるので非常にゆっくりとした変化にも正確に
追従しているようです。

DCモータを使ったサーボ




パルスモータを
使ったサーボ




汎用の入出力基板で
PIC16C765を使ってUSB接続も可能です。
入出力は全て絶縁型になっています。

13.PIC18FxxxによるNICボード : 後閑

PICNICの基板をそのまま使って、PIC18F452に置き換えて、CCS社のC言語
ベースのLANコントローラを作ってみたものです。
自作のPIC用リアルタイムOSであるPICROSとLAN制御ライブラリを組み合わせて
イーサネットでのUDP通信による制御が可能になっています。
 最新のMPLABでPIC18F452を使ってみましたが、PIC18C452JWと全く同じ
C言語のプログラムで、デバイス用ヘッダファイルを変更しただけで動作しました。
 結構互換性は高いようです。

14.C言語ミニ講習会 : 後閑

CCS社のCコンパイラをベースにして、基本的なC言語によるプログラミングの
仕方をミニ講習会として行いました。
C言語でのプログラミングは、アセンブラ言語に比べれば随分と楽になります。
また、PIC18FシリーズはやはりC言語で使うのが中心になると思われます。



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