PICクラブ 第16回情報交換会


【第16回情報交換会概要】

開催日時  2002年 9月28日 PM1:00〜PM6:30

開催場所  マイクロアプリケーションラボ内

出席者

  内田 高之
  萩原 進也
  戸田
  深沢
  黒滝
  横山 和宏
  堀 浩一郎
  長浜 淳一
  上谷 晴彦
  小田島 雄一
  菅原 雄介
  石田 敬雄
  池田
  梁取 弘明
  田中 俊幸
  江口 耕三
  高木 美勲
  梶川 信宏
  浅岡 孝     
  樋口 聡
  矢野 百人
  西村 正弘
  小川 晃
  後閑 哲也



【まとめ】 

 第16回情報交換会は、MALさんの事務所であいかわらず熱気に満ちた交換会
でした。今回は特に新たな参加者が増え、PIC層の広がりを感じました。
 その中で新潟大学の先生が試作品のご披露をして下さり、高精度な機械加工の
世界を紹介して下さいました。この制御装置にPICを使っていて、この部分について
は、皆さんから色々な改善提案や、新たな考え方が提案されたりしました。
 また、菅原さんからは2足歩行ロボットの最新型を紹介していただき、色々な
工夫などを聞くことができました。皆さんそれぞれに有意義な一日でした。



《参加者写真》  
  下記の他に 高木氏、菅原氏、田中氏がいらっしゃいました。
     梶川氏 西村氏    池田氏            小田島氏   黒滝氏
                            石田氏   梁取氏
           江口氏       矢野氏        樋口氏    浅岡氏  
             小川氏
  黒滝氏 横山氏  戸田氏    萩原氏    深沢氏     内田氏
  浅岡氏     長浜氏         堀氏       上谷氏


スナップ
 
 

 

  

 新潟大学の横山先生
 のお話を聞きながら色々
 考えることが出来ました。


  









【作品紹介】

1.きのこ栽培用温度コントローラ   :戸田さん

自宅できのこの栽培をしようとして、冷蔵庫とヒータでビニールハウスの
中の温度制御をするために試作した温度コントローラです。
PIC16C711を使い発光ダイオードで温度を表示しながら、設定した温度
の上下でヒータと冷蔵庫のOn/Off制御をしています。


発光ダイオードでの温度表示に
工夫があります。
温度の計測センサーはLM35DZです。


2.トレーラコントローラ : 田中さん

工場での運搬用のトレーラロボットの自動制御を行うために試作した
モータの速度制御部です。これまでトランジスタのOn/Off制御であった
ものをFETでのPWM制御に変えたことで、熱の発生と装置の小型化に
画期的な効果があったようです。


モータ制御用のFETが基板の左端に
並んでいます。
2個ずつ並列のHブリッジ構成です。



3.壁掛け温度計付時計 : 西村さん

壁掛けのパネルとして使えるディジタル時計と温度計です。


左側が時計で
右側が温度計です。
時計は未設定のため0になって
しまっています。

内部は自作のプリント基板できれいに
仕上がっています。
左下に温度センサー(LM35DZ)と電源
真中にクロック用の高精度クリスタル
発振器(12.8MHz)が見えます。


2種類の表示のダイナミック点灯制御を、ひとつのポートで制御するため
8ビットラッチのICを追加しています。


4.LANケーブル導通チェッカ : 矢野さん

単純に圧着で自作したLANケーブルの導通確認をするための
テスターです。2つのユニットをLANケーブルで接続すると
発光ダイオードが順に点灯して接続の確認ができるようになって
います。

LANのローゼットの内部に
組み込んでしまっています。


5.ラジコン補助呼び出しブザー : 矢野さん

ラジコンレースの時に、転倒したラジコン車を起こしてもらう係員を
呼ぶために、ラジコン送信機の余ったチャンネルを制御してブザーを
ならすためのユニットです。
ラジコンの受信ユニットに接続してパルス幅を監視し、一定のパルス
幅以下になったらブザーを鳴らすためのフォトMOSリレー接点を出力
します。

これをラジコン車に積んで走らせます。
でもエンジン車なのでエンジンの音の
方がうるさくてブザー音は役に立たなかった
とか。



6.ラジコン電池充放電器 : 矢野さん

ラジコン用バッテリの充電、放電用の装置です。お金にいとめをつけず
に作ったということで豪勢な構成になっています。
放電はFETを負荷として液晶表示器を見ながらロータリーエンコーダで
放電電流を可変に出来ます。放電は放電量を計算して一定の値に
なったらOffとなるようになっています。
充電も定電流充電で、−Δで充電完了を検出しています。
電源はACでもバッテリでも使えるようにDC/DCコンバータがメイン電源
となっており、ファン用に専用の12VDC/DC電源を持っているという贅沢
な構成になっています。

上部に放熱用のファンが4個です。
充電2系統、放電2系統用となっています。
つまみはロータリーエンコーダでこれで
各種設定を液晶表示器をみながら
行っています。


8チャンネルのアナログ計測のため
専用の12ビットA/Dコンバータ
電流設定用にはディジタルポテンショ
メータのICを使っています。


7.2足歩行ロボットVer2 : 菅原さん

前回登場の2足歩行ロボットのバージョンアップです。スポンサーが
ついてよりしっかりしたものに仕上がっていました。
制御はすべて無線通信でパソコンから行います。


まずは両手で万歳です。
各関節がすべてラジコン用サーボ
となっています。



背中にバッテリとコントローラを背負って
片足を上げながら前進歩行します。

電池が意外と小型でこれで2時間くらいは
動くということ。
コントローラはH8




2台同じものです。


制御はパソコンからの指示
パソコンソフト側の仕上がりも
かなり本格的。
これで個々の動きを実際に微調整
しながら結果をデータとして保存し
動きを再現します。





8.割り込み処理ミニ講習 : 上谷さん+後閑

上谷さんの悩みはパソコンからのデータ受信と、そのデータを
セグメント表示器へ表示するためのダイナミック点灯制御を
どうやって同時に実行できるようにするかでした。
結論は、割込みを使って両方を見かけ上同時に動作するように
することでした。

その実現例として、ダイナミック点灯
と表示数値の更新を同時に実現する
プログラム例を紹介しました。


9.回転軸の温度測定と温度情報の光テレメータシステム : 横山さん

 新潟大学の横山先生から、ミクロンオーダーの精度で加工するときの
機械の発熱による誤差を補正し精度を上げる工夫についての説明と
試作器の紹介がありました。
 工作機械の主軸の温度分布を熱電対で測定しながら,その温度分布
から熱による膨張を推定し、ピエゾによる補正動作をリアルタイムで
実行させることで、加工誤差を最小限にしようとしています。
 熱電対の測定系の制御にPICを使って回路を簡単化し、その制御部
そのものを主軸の回転部分に実装してしまっています。
また回転体からリアルタイムにデータを送信するため、光によるデータ
伝送を行い非接触でのシリアル通信でパソコンにデータを送信しています。


中間部に制御部があり、回転体となっています。
上部が光によるデータ送信部とトランス結合による
電力伝送部になります。




10.ACパワーコントローラ : 後閑

もっとも簡単な工作であるトライアックを使った電力コントローラです。
これでもはんだこての温度制御や、電動ドリルの回転制御など
結構使い道が多く重宝するミニ道具です。

丈夫がトライアックによる位相制御部







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