【第34回情報交換会概要】
開催日時 2010年 4月 4日 PM1:00〜PM5:30
開催場所 川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)
7階 第3会議室
【まとめ】
絶好のお花見日和にもかかわらず、大勢の方々の参加をいただきました。
マイクロチップジャパンの渡辺さんからXLPファミリの紹介もいただきましたし、
RTOSの議論もあったり、さらにレベルの高い製作品の紹介があったりで、
内容の濃いものとなりました。
《参加者写真》
《スナップ》
【作品紹介】
1.XLPファミリの紹介 : 渡辺さん
マイクロチップ社から最近の新製品紹介ということで、XLPファミリの
紹介がありました。
8ビットから16ビットまで広範囲に渡って、既に50種類以上のXLPファミリが
発売されているとのこと。今後の新製品は基本的に低消費電力化されていく
とのことでした。
発表中の渡辺さん
2.FreeRTOSの概要紹介 : 後閑
RTOSの必要性の解説と、フリーで使えるPICマイコン用のRTOSとして
「FreeRTOS」の概要を紹介しました。
意外と小さなメモリサイズで、しかも簡単な記述でRTOSが使えるので、
16ビット、32ビットのPICマイコンには適当なRTOSだと思われます。
多くの質問があいついで、皆さんの関心が高いことが良く分かりました。
ついでに新刊「PIC32MX活用ガイドブック」の紹介とその後半にFreeRTOSの
解説があることも紹介しました。
下図がFreeRTOSの動作概念図です。
3.QVGA液晶表示器を使ったカラーオシロスコープ : 後閑
QVGAサイズのカラーグラフィック液晶表示器を使ったオシロスコープです。
タッチスクリーンによる操作としてスイッチを無くしたので直感的で分かりやすい
操作となりました。dsPIC33FJファミリを使い、4チャネル同時サンプリングの
A/Dコンバータと、高速DMAモジュールと16kバイトのRAMを有効に使うことで、
2チャネルの入力を4μsec周期で512サンプリングずつを高速保存しています。
外観と動作例は下図となります。
4.TV用省エネ リモコン : 横田さん
焦電センサを使って人検知機能を入れた赤外線テレビリモコンです。
最近流行の省エネ型テレビと同じ機能で、人が居なくなると自動的に
TVがオフとなり、人が近づくと自動的にオンとなるようにしたリモコンです。
各種リモコン
右端が人センサ付きリモコン
いずれも簡単操作でいつも使う
機能ができるようにしたリモコン
となっている
フレネルレンズの下側に焦電センサがある
PIC16F785を使用
赤外線によるリモコンでSONYプロトコルに
対応している
5.FM音源合成ユニット : 谷川さん
dsPIC33FJを2個使って、7音同時発生、3オペレータのFM音源です。
昔のゲーム器用にあったYAMAHAの音源ICをdsPICで実現したもの。
パソコンとRS232C接続し、コマンドを送ることで多種類の音が発生できる
また、MIDIデータを送ることで音楽を演奏できる。
原理は、7音源それぞれに3種の正弦波発振器をソフトウェアで生成し、
16kHzのサンプリング周期で、3つの音源の合成の仕方を任意に変更することで、
多種類の音質にできます。
dsPICそれぞれで3音源と4音源を生成し、それらをまとめてひとつのD/Aコン
バータに出力して音出力としています。結構きれいな音もでますし、歪ませた
音も出せていました。
次のステップはdsPIC内蔵のオーディオD/Aコンバータを使ってさらに簡素化
することとのこと。
中央がdsPIC33が2個並んだ合成部本体
右端がRS232Cインターフェース
左側はD/Aコンバータと出力アンプ部
本当にdsPICだけでFM音源ができて
しまっています。
6.GPS利用高精度発振器 : 菊池さん
なんと、10MHzの発振器で、10.00000000MHz が保障された発振器です。
源発振器には2重オーブンで温度管理された10MHzのVCOを使い、その較正を、
GPSからの1秒パルスで行うことで上記精度を実現しています。
較正方法は、10MHzを分周したパルスとGPSの1ppsパルスの位相差をdsPICで
計測し、その差が一定になるようにVCOを調整することで行っています。
単純に位相差だけで制御するとジッタなどに追従できないため、dsPICで移動平均
の演算をすることで実現しています。
GPSのセシウムによる精度で較正されるので、ルビジウムによる基準発振器より
1桁以上高精度になるとのこと。
外観は下記のようにしっかりしたケースに実装されており、ルビジウムをリファレンス
にした周波数カウンタで、しっかり11桁が安定していました。
中央の青い四角の部分で2重オーブンの
10MHzVCO
中央上側にdsPIC
右側は電源部
左上側にGPS受信ユニット
左下側にUSBシリアル変換器
素晴らしい出来栄えですね。
上にあるルビジウム発振器をリファレンスに
した周波数カウンタで10MHzの出力を計測
しているところ。
10.000000002 MHzとなっている
表示部
通常のGPSの機能である緯度や経度の表示も
可能とのこと
7.PICライタ最新版 PICerFT : 小野寺さん
PICkit2より安く、ほとんどのPICに書き込みができるPICライタです。
パソコンとはUSB接続で、PICkit2と同じシリアルピンヘッダで接続します。
5V/3.3VのVDDのいずれにも対応可能。VPPも12V系と9V系いずれにも
対応するので、最新のPICにも書き込みができる。
外観は下図のように非常に小型となっている。
上側に載っているのは
秋月製USBシリアル変換ユニット
これの8ビットパラレル出力を使って
実現している。
説明中の作者
名称は「ピッカーエフティ」とのこと
作者のホームページで作り方ならびに
最新ファームウェアのダウンロードか可能
「電子工房」
http://einst.hp.infoseek.co.jp/
8.フットスイッチとフットマウス : 加藤さん
シリーズで挑戦中の加藤さんからUSB接続のフットマウスの最新版と
フットスイッチの新機能の紹介がありました。
フットマウスにはより使い勝手をよくするために、移動範囲の設定や移動速度
などが初期設定でできるようにしています。
またフットスイッチでは、新機能としてキーボードの入力ができるようにしています。
USBの複合インターフェースとしてキーボード、マウスとして認識できるようにする
ことで実現しています。
今後さらにこれを発展させたものして製品化する予定とのこと
外観は下記のようになっています。
フットスイッチの外観
最初にスイッチを押しながらUSB接続
すると初期設定モードとなる。
9.PIC24Fの新製品紹介 :マルツ電波 山脇さん
PIC24Fファミリの基本CPUパーツとして2種類の製品紹介がありました。
下記のように44ピンのものと64ピンのものがあります。
価格等はこれから決めるとのこと。ご意見、アイデア募集中とのことでした。
PIC24FJ64GA004搭載
40ピンDIPサイズ I/O 35本
3.3Vレギュレータ、Xtal、Reset回路実装可能
PICkit2/3用端子実装済み 直接書き込み可能
PIC24FJ128GA006、マイクロSDカード搭載
最大I/O 49本
3.3Vレギュレータ、Xtal、Reset回路実装可能
PICkit2/3用端子実装済み 直接書き込み可能