【第35回情報交換会概要】
開催日時 2010年 7月10日 PM1:00〜PM5:30
開催場所 川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)
7階 第3会議室
【まとめ】
蒸し暑い一日でしたが、総勢50名に迫る大勢の方々の参加で会議室の席が
一杯になるほどでした。
発表作品もレベルの高いものが多く、熱気あふれる半日でした。
マイクロチップジャパンの渡辺さんにも参加いただき、また、全員にPIC32MXの
プレゼントを用意していただきました。ありがとうございました。
《スナップ》
【作品紹介】
1.HI-TECH Cコンパイラの使い方 : 後閑
マイクロチップ社が買収したHI-TECH社のCコンパイラの使い方について
概要を説明しました。
PIC10/12/16用だけが無かった無償のCコンパイラがこれで揃ったことになり
さらにエンハンスミッドレンジのPIC16がリリースされたこともあって
PIC16のプログラムも今後はC言語で作成する機会が増えるものと思われます。
HI-TECH Cコンパイラで他のコンパイラと異なる項目は下記となります。
・データ型
・レジスタ、ビットの記述
・割り込み処理関数の記述
・コンフィギュレーションの記述
2.HI-TECH Cコンパイラの製作例紹介 : 後閑
HI-TECH CコンパイラとPIC12F683の8ピンPICを使った製作例を紹介
(1) 高精度電圧電流計
PIC+18ビットデルタシグマA/D
で構成
最小10μV、10μA単位で計測
(2) 小型GPSモニタ
8ピンPICに液晶表示器とGPS受信
モジュールを接続
I2C通信とRS232C通信をプログラム
で実装
かなり高感度で室内でも窓際から
2m程度内側でも受信できます
3.デジタルアンプ : 横田さん
なんと74AC04で構成したデジタルアンプです。
出力は1W程度ですが、74AC04を12個並列接続し、PWM制御でスピーカを
直接制御しています。結構jきれいな音が再生でき、個人で机上で使うアンプ
としては十分の出力でした。
ケース内の左下側に74AC04が4個
スタック上に実装されています。
音楽再生中でも6Vで電源電流は
80mA程度です。
600kHz程度の周波数のPWMを
入力信号でパルス幅変調しています。
4.FM合成音源ユニット改良版 : 谷川さん
前回のFM音源ユニットを改良し、dsPIC33を3個使って9音源とし
前回外付けだったD/AをdsPIC内蔵のオーディオDACに変更しています。
MIDIのデータを入力し、任意の音源で音楽として出力することができます。
MIDI音源の生成も専用のユニットで作成(H8+QVGA LCDで構成)
dsPIC33Fが3個並んでいるだけ
あとは出力アンプがあるだけで構成
上がMIDIの生成ユニットで
RS232CでFM音源合成ユニットに接続
説明中の作者
作者のホームページは下記
「気侭の電子工作」
5.タッチスイッチ、USBパドル他 : 阿部さん
キット製品として作成したタッチスイッチとUSBパドル、スピードメータ
USBジョイパッド風マウスです。
基板単体、部品キットで発売中 「潟rット・トレードワン」
タッチスイッチパネルキット
購入サイト 「BTOS」
USBジョイパッド風マウス
小さなゲームパッド
スピードメータキット
自動車用のスピードメータ
USBパドルコントローラ
パドルで左右を連続的にパドルを
動かすことができる
6.キットの有効活用 : 古堅さん
市販のキットを有効活用すれば容易に作品ができるという提案です。
例題として秋月の時計キットを使ってバトミントンの得点表示器を
作成しています。
ハードウェアはキットをそのまま使い
プログラムだけ変更して実現している
確かに簡単にできますね。
7.録音機能付きMP3プレーヤ : 斎藤さん
前回動作しなかった作品のリベンジ。
原因は単純なソフトウェアバグでSDカードのファイルのクローズの
タイミングがまずかったとのこと
確かにマイクからの音声が録音でき、同機器で再生できると同jに
SDカードをPCに接続すればPCでも再生できることを確認
手振れでぼけて
しまいました。
すいません!
PIC24FJ64GA002
8.超簡易型音楽プレーヤ : 西村さん
dsPIC33だけでSDカード内のWAVファイルを再生し、スピーカも
直接駆動する再生装置。さらにレベルメータ代用にモノクログラフィック
液晶表示器にFFT表示までしています。
とにかくdsPICだけでつくることにこだわったものです。電源も3.3Vだけ。
中央にあるdsPICのみで構成
今回大型のスピーカにしたので
駆動用のFETを追加したが
普段はdsPICから直接スピーカを
駆動しているとのこと。
とにかくWAVファイル再生、スペアナ表示
と忙しいプログラムです。
9.自動散水制御器 : 西村さん
外出中に自動的に庭の散水をするというかなり実用的な装置を構成
PICで時計タイマを構成し電磁バルブを制御
一日のスケジュールを組み込むことで自動化できる。
組み立てにはバルブ周りの製作に苦労したとのこと。
あと奥さんより「雨が降ったらどうするの?」といわれて対策を検討中
とのこと。
(写真がピンボケですいません)
散水制御器本体
下側にバルブがある
PIC16F88で構成
雷停電対策と
雨降り対策が
今後の課題
使用した電磁バルブ
DC12Vで動作
バルブの耐圧が重要とのこと
0.8kパスカル
10.小物各種紹介 : 藤森さん
自作した小物のいくつかを紹介していただきました。
基板はすべて自作のフライス盤で作成しているとのこと
見事な基板でした。
@PICだけで構成した9桁周波数カウンタ
7セグLEDの駆動方法が非常に
ユニークで、トランジスタなど一切
使わず、PIC直接駆動だけで制御
コモンとセグメントを同じピンで駆動する
という非常に複雑な制御となっています。
A1.1GHzまでカウント可能な周波数カウンタ
B電圧計
CPICkit2互換ユニット
11.QRP送信機 : 日高さん
非常にきれいに作られた作品です。
PICからDDSを制御して7MHzの周波数をデジタル設定できる送信機です。
ロータリスイッチで周波数設定
電源オフ時に現在の設定値をEEPROMに
記憶できるよう、電源オフの遅延回路を
構成
キーヤーの制御も実装している
12.汎用制御基板 : 簗取さん
18ピンのPICマイコン用の汎用基板で、RCサーボ出力用のコネクタがたくさん
実装できるようになっています。
小学生の子供や、全くの素人の方でも組み立てが可能なように
多くの工夫が盛り込まれています。
汎用基板の組み立て完成写真
ICソケットは実装で足を折らないように
ゼロフォースソケットとしている
13.周波数特性測定器 : 矢野さん
以前の紹介のあった周波数測定器のPC側ソフトの改良版です。
実際にフィルタを作成して理論値と測定値の比較をしたところ
グラフがぴったり重なるということでかなり高性能の測定器になっています。
構成は下記ページとほぼ同様ですが、電源や回路図組み立てがグレードアップ
されていて、極低ノイズの特性となっています。
「USB接続周波数特性測定器」
内部は高級機並みの作りで
できている
シールド、基板の構成などなど
最高性能を追求している