【第37回情報交換会概要】
開催日時 2011年 2月 26日 PM1:00〜PM5:30
開催場所 川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)
7階 第3会議室
【まとめ】
春のきざしを感じながら皆さんと勢いあふれる半日を過ごしました。
《スナップ》
【作品紹介】
1.PIC24F DAファミリの紹介 : 後閑
新製品のPIC24FJ256DAファミリに内蔵された、グラフィックディスプレイコントローラ
について、その使い方を説明しました。
本説明に使った資料は会員の皆さんには配布しました。
単体の液晶パネルを直接スキャンでき、メモリ書き換えだけで表示が変えられるので
高速な描画が可能です。
また文字表示や矩形表示のアクセラレータが付属しているので、さらに高速な表示
が可能になります。
下記が説明に使った自作デモボードです。
液晶パネルはマルツ電波さんで販売中
64ピンのPIC24FJ256DA206を使用
USB OTGも内蔵している
USB本の改版執筆のために作成したもの
下記が実際のテスト表示例です。 文字(16×16ドット自作フォント)と矩形表示例
2.MPLAB IDEのToolの使い方について : 櫻井さん
MPLAB IDEに内蔵されているToolの中から、「DMCIツール」の使い方の説明をして
いただきました。 (DMCI:Data Monitor and Control Interface)
DMCIツールを使うと、スライダという機能を使ってプログラム実行中に変数の値を
変更してプログラムを実行できたり、 Dynamic Data Viewという機能を使うと、実行中
のデータの変化をグラフで表示できたりします。
いわば、希望する形式でグラフ表示できる高機能オシロスコープのようなことができて
しまいます。
とくこの機能の中でも、RTDM:Real Time Data Management の機能を使うと、さらに
多くのオシロスコープ機能を発揮できます。
櫻井さんからは、実際にブラシレス3相DCモータの制御プログラム開発の際に使った
実例をベースにしてお話していただきました。
モータコイルに流れる電流波形や、電圧波形などでモータの回転の様子が手に取る
ように判り、これならプログラムデバッグも容易にできると思います。
実際にモータを動作させてDMCIツールの
使い方を説明していただきました。
櫻井さんはモータ制御について下記を出版されています。
グリーン・エレクトロニクス No.4 CQ出版
皆さん真剣に説明を聞いていました。
DMCIについては質問も多く関心を
持っていただけました。
3.LED電球の自作 : 横田さん
LED電球を自作すれば市販のものよりはるかに安価にできるはず、ということで
自作した とのこと。 回路図等の資料は会員の方々には配布済み。
課題は電源でした。当初は市販のトランスとPICで発生させた50HzからAC100Vを作っていましたが、
大型で重くなるので、TTLの発振回路で350kHzという高周波とし、超小型のトランスにしたことで
小型軽量化に成功したとのこと。
これに小型のリチウム電池を内蔵させ軽くて携帯できる100Vアダプタも同時に製作し、これに
市販のLED電球を挿せば懐中電灯にもなるということです。
製作した電球の外観
と中身の構成
3Wクラスの白色LEDと
黄色LEDで構成
リモコンでオンオフ、色調の
切り替え、調光制御が
できます。
色調は白色と昼光の切り替え
将来加速度センサを追加して
地震発生で自動点灯するように
するとのこと
新旧のコントローラの差異
トランスのサイズが大幅に
異なっています
トロイダルコイルは手巻き
懐中電灯の製作例
こちらにも赤外線コントロール
が付いていますね。
リチウム電池からDC100Vを
生成しています。
4.多機能ジョイパッドVer2 : 阿部さん
USBで接続すると、マウス、ジョイパッド、キーボードの機能を1個で操作できる。
スイッチごとに機能を割付できるので、いろいろな用途に使える。
パワーポイントのプレゼンや、ゲームなどなど応用範囲は広い。
というジョイパッド機能を持ったジョイパッドをモジュールとして販売開始。
モジュールで汎用入力ピンが用意されているので、ユーザーが任意の
スイッチなどを接続して製作することができるようになったとのこと。
下側が新作のモジュール
上側がテンキーパッドを接続した例
モジュールキットとして製品販売している
「潟rット・トレードワン」
タカチの超小型ケースに実装しようと
開発中の作品
タッチスイッチとなっています。
PICはPIC18F14K50で20ピンのUSB内蔵
です。
5.PicNESのその後 : 西村さん
PIC32MXを使った超小型ファミコンエミュレータの姉妹作品の紹介。
先代が「PicNES Classic」 これを小型化した「PicNES nano]、タッチパネル形式にした
「PicNES Touch」と3作品を揃えました。
今回はゲームだけでなく、動画再生、音楽再生までできるPDA並みのものとなっています。
こちらがPicNES nano
128×96ドットで24ビットフルカラーの動画再生を
15fpsの速度で可能とした。
SDカードのSPI転送速度がネックとなっているとのこと
こちらが PicNES Touch
きれいな動画を音声付で再生です。
勿論タッチスクリーン操作です。
PIC32MXの100ピンで16ビットフルカラーを
実装しています。
PicNES Touchの内部
びっしりと実装です。
真ん中にバッテリが入ります
このバッテリには任天堂DS用のバッテリを流用
しています。
6.気圧計と高度計 : 小野寺さん
最近秋葉原で入手可能になったアナログ方式の気圧計を使って高度計を製作。
気圧と高度、温度と高度の関係式から変換して高度を求めています。
浮動小数の演算になるので16ビットPICを採用
気圧計はホイートストーンブリッジ構成で数10mVに出力しか得られないので
これをうまく扱うため、マイクロチップ社の22ビットデルタシグマA/Dコンバータを
使用。これには内部に最大8倍の可変ゲインオペアンプが内蔵されいるので
低電圧を直接扱うことができる。
きれいな基板に実装しています。
このあと、基板の発注方法について紹介があり、数千円と意外と安価にプリント基板が
作成できることを説明していただきました。