PICクラブ 第45回情報交換会


【第45回情報交換会概要】


開催日時  2013年 3月31日(日) PM1:00〜PM5:30
開催場所  川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)
      7階 第3会議室

【まとめ】 

 桜が満開の初春の日曜日、期末の忙しい時期ではありましたが、
今回も大勢の方々の参加を頂きました。
今回はPICの応用というような感じのお話が多く、いつもとちょっと異なる
感じの情報交換会となりました。

《スナップ》







【講義】

1.PIC32MXの最新開発計画の紹介 : 後閑

 去年から今年にかけてマイクロチップ社が最も力を入れて開発していると
いう、32ビットのPIC32の最新の開発計画について紹介しました。
何と、200MHzで300DMIPSを超えるPICが登場するようです。
詳細資料は会員の方々には配布します。

新しいCPUコア microAptiveにより
PIC32の速度は飛躍的にアップする
200MHzクロックで314DMIPS
ROM:2MB RAM:512kBまでアップ


2.PICからTwitterにつぶやく方法の紹介 : 後閑

 PIC+RovingのWiFiモジュールの組み合わせで、Twitterに自動的につぶやき
を送信し、それへの返信で機器のオンオフ制御を行う方法について、実演を
交えて解説しました。
デモに使ったものは、下記のような簡単なボードです。
PIC16F1936/38ですべてを制御しています。
詳細資料は会員の方々には配布します。

自動つぶやきボード
左下がWiFIモジュール




実際につぶやいた内容と
返信で制御を実行した例


【作品紹介】

1.PIC32用プログラマの問題について  :大泉さん

PIC32用の書き込み器を自作中、データシートどおりでは動作しないのに
困惑。ウェブ検索で動作可能な方法は判ったがデータシートとは大きく
ことなるのでどうしたものかと???

結果的には、動作したものが正しい
ドキュメントが間違いという結論???


2.JavaFX2でシリアル通信Apを開発 : 平峯さん

継続挑戦中のNCマシン開発の一環で、NCデータをシリアル通信で
入力し、編集してNCマシンを駆動するために必要なアプリを自分で
開発するため、Java FX2に挑戦した内容を説明していただきました。
NetBeans+JavaFX2という開発環境を初めて使って開発を開始。
多くの情報に惑わされながらも何とか開発できたとのこと。

 「Java FXへのお誘い

3.グラフィック開発ツール GDD Xの試用報告 : 斉藤さん

マイクロチップ社が提供しているGDD X(Graphic Display Designer)を
使って、PIC32+カラーグラフィックLCD+タッチパネルのボードを
自作し、とりあえず、タッチパネルの動作確認まで進んだという報告
次回はグラフィック表示に挑戦とのこと。

大型LCDのタッチパネルをタッチすると
座標が上側のキャラクタLCDに表示される


4.I2Cモニタ : 近藤さん

初めて名古屋から参加された近藤さん。写真のような小型のI2Cモニタ
を紹介。小型ですが完成度は高く中身は濃いもののようです。
PIC24に自作RTOSを実装し、I2Cを絶縁して外部と接続できるようにして
取り込み、カラーグラフィックLCDに内容を表示しています。
タッチスイッチも組み込んでいて、これで、車関連の情報を表示するような
ものを作る予定とのことでした。

RTOSはアセンブラで開発したとのこと
小型でスマートな外観は完成度が高い
ものです。

「I2C モニタ

5.ラジコンロボット「クローラ」 : 河野さん

タミヤのロボット躯体に、XBeeによる無線通信機能を持たせたPIC24の
マイコンボードを搭載。さらに自作のPIC Pico Basicインタプリタを搭載
して、パソコンからコマンドを直接入力することで、ロボットの前進、後進
回転とラジコン制御ができます。さらにWiFiで直接画像を送信できるカメラ
を搭載し、パソコンで画像が見られるようにもなっています。



砲弾のよなものがWiFi送信できるカメラ

クローラ概略フロー

XBeeによる無線送信
制御はPIC24FJ64GA002に自作Basicの
インタプリタが実装されています。


パソコン側はXBeeのみ
TeraTermでBasicのコマンドを直接入力して
制御する

6.ラジコンカー : 梁取さん

久しぶりに参加の梁取さんから、各地のカルチャスクールで教えている
PICを使ったラジコンカーのデモと部品等の紹介がありました。

ラジコンカーの全体校正
ラジコン機能は市販のプロポと受信機で構成


制御部はPIC+FETモジュールの構成



駆動部は山崎教育システム社の製品を使用
タミヤよりしっかりしたもののようです。
価格も安いとのこと

7.DIOのシミュレーション : 松元さん

PICなどの入出力いずれも可能なピンの信号をフォトカプラで絶縁して
入出力どちらにも使える回路を考案し、LTSPICEでシミュレーションした
結果の報告。
入力と出力の切替時に貫通電流が流れるが、通常の入力、出力動作は
正常に行われることが確認できたとのこと。
ちょっと部品点数が多いのが難点。

汎用DIO回路のシミュレーション

8.PIC32にグラフィックLCD : 笠木さん

PIC32にカラーグラフィックLCDを接続してグラフィック表示に挑戦
今回は基板を作成しハードウェアを開発してバックライトを点灯させる
ところまで。次回はグラフィックに挑戦とのこと

基板にPIC32とLCD用フレキコネクタを実装


バックライトを点灯させるところまで完成


9.OBDUモニタ : 小野寺さん
車の情報が取り出せるCANのメンテ用コネクタから情報を取り出して
モニタできるツールの紹介
dsPIC30F4012のCANモジュールを使って接続し、各種の車内の情報を
LCDに表示しています。

疑似信号を生成するツールとOBDモニタ
詳細は「トランジスタ技術 20011年8月号」
に掲載とのこと




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