【第53回情報交換会概要】
開催日時 2015年4月11日(土) PM1:00〜PM5:30
開催場所 川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)
7階 第3会議室
【まとめ】
桜の花も盛りを過ぎ、生憎の雨模様でしたが、多くの方々の参加をいただきました。
また今回は丸紅情報システムズ社さんからたくさんのPICのお土産をいただきました。
【講義】
1.Bluetooth Low Energy と RN4020の使い方 :後閑
マイクロチップ社から発売されたBLE対応モジュールRN4020を使い、BLEを試してみました。
確かに接続時間は短く、消費電流も少ないので、バッテリ動作でも十分長時間の動作が
可能です。またRN4020はセントラルにもペリフェラルにも設定できるので、以外な使い方が
ありそうです。
試作したデータ収集ボードは、常時スリープで100μA以下、10秒に1回接続したときだけ
数mAを消費しますが、平均すれば140μA程度にしかなりませんので、リチウムイオン電池で
1年間の動作は意外と簡単に実現できそうです。
下記が試作したデータ収集ボードの外観です。
解説資料は会員の皆様には別途配布しています。
【作品紹介】
1.フェースブック紹介とキッチンタイマ : 村上さん
PICクラブ会員専用のフェイズブックの紹介がありました。みなさん
積極的な意見投稿をどうぞ!!詳しくは下記を参照ください。
「Picfun.club.Gについて」
そのフェイスブックでも紹介されているキッチンタイマの試作品の紹介がありました。
タイムアップで音楽を出力しますが、その音楽はタイマ2の時間で生成しています。
曲データjはExcelを使って音階と長さで作成しているとのこと。
これから曲を増やすことと、外装を考えて、キット販売もしたいとのこと。
外装は豚とペンギンを用意しています。
詳しくは下記資料を参照してください。
「キッチンタイマ」
2.大型LED時計 : 今井さん
三重県からの初の参加です。遠路参加ありがとうございます。
はじめてのC言語プログラムへの挑戦ということで、ダイナミック点灯方式の
大型LED時計の紹介です。
16×32ドットのドットマトリクス方式のLEDで数字を表示させる時計です。
メモリが不足して苦労されているとこと。
これからドットグラフィックで任意の位置に数字を表示することに挑戦されるとのこと。
動作させたところ
現在では1行目で文字の表示位置も
固定位置となっているとのこと
文字パターンデータをROMデータとして
確保したことでメモリ不足をクリアした。
PIC16F1938を使用
クリスタルに高精度発振器を使用して
時刻精度を確保
3.ネットワーク百葉箱 : 松元さん
かねてより製作中のTI社の「センサータブ」とラズベリーパイを使ったネットワーク百葉箱の
継続報告です。
センサータブが新製品に更新されより高性能になっているとのこと。
Bluetooth Low Energyだけでなく、いろいろな無線通信に対応しているとのこと。
今回はかねてより課題だった数mAという消費電力の作品をバッテリで長時間動作を
させるための工夫の紹介です。結論は太陽電池を使うということでした。
ラズベリーパイのプログラムは製作するというより、既存ライブラリを探して組み合わせる
という作業になるとのこと。
TI社のセンサータグ本体
これで温度、湿度、気圧、磁気
加速度、ジャイロ、のセンサーが
内蔵されている。無線はBLE
コイン電池を入れれば即動作する
この次世代品ができているとのこと
ラズベリーパイにI2Cで各種センサーと
センサータグを接続し、
Bluetoothでスマホにセンサーデータの
ログ情報を送信します。
詳しくは下記資料を参照してください・
「ネットワーク百葉箱」
センサータグの電源を太陽電池に変更
屋外に設置することから
これで十分長時間動作が確保できる
4.Harmonyを使った試作 : 齋藤さん
PIC32MZのボードを試作し、Harmonyの使い勝手を試してみたとのこと。
試したのは、ファイルシステム、USB、グラフィックの3種類。
いずれも使うのは結構難しそうでした。
ファイルシステムの試作品
右側のSDカードへの読み書きを
行うテストプログラムとなっています。
USBのテストではパソコンとの通信
テストとなっていました。
グラフィックとタッチパネルの
試作品です。
カラーグラフィックの液晶表示器への
グラフィック表示とタッチパネル動作
のテストプログラムです。
タッチ動作は右下のキャラクタ液晶表示器に
座標が表示されます。
5.ヒーターコントローラの製作 : 平峯さん
オシロ+ロジアナの製作過程で、100ピンのTQFPデバイスのはんだ付けができずに
行き詰ってしまった。そこでいろいろはんだ付けの工夫をしてみた。
結果、基板全体をプレヒートして熱した状態で手はんだ付けすると、TQFPのピンへの
ハンダがスムーズに溶けうまくいくことがわかった。
そこでこのプレヒートを自動的に温度管理する装置を作ることにした。
パワートランジスタの発熱を利用して作る。
詳しい経緯は下記資料を参照してください。
「Heater Controllerの開発」
これがプレヒートコントローラ
PIC16F1705を使っている。
この開発途中でフラッシュメモリを
EEPROMとして利用する際の
問題を発見したとのこと。
6.Edisonを使った試作、Webカメラ : 崎田さん
インテル社から超小型マイコンボードとして発売されている「Edison」ボードを使った
試作品の紹介です。
Edison Breakout Boardで上に搭載されて
いるのがEdison本体
非常に小型ですが、IntelのATOMプロセッサ
が搭載されています。メモリもなんと4Gバイト搭載です。
ワンボードパソコン相当ですね。
Linuxで動作します。
上側はArduino互換とするための
拡張ボードです。
コネクタの通常のArduinoの各種拡張シールド
が搭載できます。
試作したウェブカメラでWi-Fi経由で
向きを自由にコントロールでき、画像を
パソコン等でみることができます。
さらにMUGBOTと同等のことができるように
なっていて音声による出力もできます。
詳しくは下記を参照してください。
「Intel Edisonってどうなの?」
7.OBD-U−I2C変換器 : 小野寺さん
OBD(On Board Diagnostic System)という車の故障診断を行うために用意された
CANによる車の情報通信システムと接続し、CANの高速データをI2Cに変換して
取り出すための変換装置です。
CANが高速なのでRS232Cでは間に合わないためI2Cに変換することにしたとのこと。
mbedを使って情報内容を液晶表示器に表示しています。
試作品の外観
詳しくは下記を参照してください。
「ODB2I2C(CAN-I2C変換)」