PICクラブ 第54回情報交換会


【第54回情報交換会概要】


開催日時  2015年7月4日(土) PM1:00〜PM5:30
開催場所  川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)
      7階 第3会議室


【まとめ】 

雨が続く季節になってしまいましたが、今回も大勢の方々に参加をいただきました。
特に今回は初参加の方が多くいらっしゃいました。遠方からも来ていただきありがとうございます。



【講義】

1.dsPICの最新情報の紹介 :後閑

久しく紹介していなかったdsPICの最新状況についてご紹介しました。
dsPICでは特にモータ用と電源用のデバイスが新たに強化開発されています。
電源用のSMPSシリーズの最新デバイスには3.4MspsのA/Dコンバータが
5個実装されていて、インターリーブで使うと最高16MspsのA/Dコンバータを
実現することができます。
モータ用ではデュアルモータ制御が可能なシリーズが追加されています。

解説資料は会員の皆様には別途配布しています。

【作品紹介】

1.キッチンタイマ : 村上さん

PICfunクラブのフェースブックの現状報告

  「PicfunClub.G

「Maker Fair 2015」の出展申し込みの件
 残念ながら今回は抽選に落選してしまったとのことでした。

  「Maker Fair 2015

フェイスブックでも紹介されているキッチンタイマの二次試作の紹介がありました。
今回は新たに導入したレーザーカッターを使ったケースの紹介が中心で結構苦労された
ようです。でも仕上がりはとてもきれいで複雑な構造も容易にできるようです。


  「キッチンタイマ


今回の試作品の外観
豚の外観で前回よりかなり小型化
されています。



全体の構造です。
板の周囲がレーザーで焦げています。



箱の部分の構造です。
ねじを使わず組み合わせで
ロックするような構造になっています。
中の基板はねじ止め


制御基板の外観
これに音楽データが内蔵されています。

2.ネットワーク百葉箱 : 松元さん

今回も課題のネットワーク百葉箱ですが、新たにMSP432という新しいデバイスの
評価基板を使って、非常に安価に完成できたいうことで紹介がありました。
ソフトウェア開発環境の方もEnergiaというarduino互換ということで容易にできたようです。
さらに使ったセンサが温度、湿度、気圧を高精度で測れるものですが安価である
ということで便利に使えるとのことでした。

  「MSP432+Energiaの紹介

センサーの情報をLCDに表示している
ところ
かなり薄いガラスのLCDなので取扱い注意


大型基板のmbedで駆動




安価で高性能のセンサ
温度 分解能:0.01℃
湿度 分解能:0.008%
気圧 分解能:0.18Pa 1mの高さの違いが分かる



発表は課題の百葉箱でしたが、今回は制御基板をきれいに納められるプラスティック製
の化粧箱の紹介が中心でした。
同じ箱に、arduino、RasberryPi、mbedを実装でき、液晶表示器も実装できるということで
便利に使えるということでした。

  「万能ケース(LCD+シールド)の紹介

       mbedの実装             arduinoの実装             rasberryPiの実装



3.ヒーターコントローラの製作 : 平峯さん

オシロ+ロジアナの製作過程で、100ピンのTQFPデバイスのはんだ付けができずに
行き詰ってしまった。そこでいろいろはんだ付けの工夫をしてみた。
結果、基板全体をプレヒートして熱した状態で手はんだ付けすると、TQFPのピンへの
ハンダがスムーズに溶けうまくいくことがわかった。
ヒータ制御器を作って実現してうまくできました。

 「引きはんだをやりたい!


成功した引きはんだで実装した
サンプル
きれいにできていました。


このプレヒートを自動的に温度管理するために製作したヒーターコントローラ。
パワートランジスタの発熱を利用しています。

  「Heater_Controllerの開発

製作途中で必要になったオシロジを基板化して作ってしまいました。
PIC32でオシロスコープ+ロジックスコープの機能を持っています。

  「Oscilogi_32の開発




4.大型LED時計 : 今井さん

今回も三重県からの参加です。遠路参加ありがとうございます。
大型LEDによる時計表示で、ダイナミック点灯方式を極めるレベルの作品です。
今回は前回ではピン数がたりなくなったため多ピンのPICを使っていますが
この配線方法がびっくりでした。
ブレッドボードで組み立てていますが、かなり高速で動かしているのですが
これでよく正常に動作するなという感じです。

時計表示部分です。
32×32のLED表示パネルです。
これのダイナミック点灯を実行しています。



これが制御部で64ピンのPICマイコンを
使っています。
すべてブレッドボード上に組み立てています。




PIC部分の配線です。
64ピンの変換基板にPICを実装してから
ジャンパケーブルで配線しています。




5.ビンテージ送受信機向け周波数カウンタの試作 : 槻木澤(つきのきざわ)さん

初めての参加の方です。PIC16F88を使ってアセンブラで開発
ふるーーいアマチュア無線用送受信機の同調周波数を直読するためのカウンタの製作です。
EEPROMに局発用の周波数を設定し切り替えられるようにしていろいろな送受信機に対応
できるようにしています。
外部の高精度発振器を接続して較正もできるようにしています。


内部構成
PIC16F88で構成してアセンブラで開発



表示例
上段が局発の設定用
下段が周波数表示



較正用高精度発振器




6.シリアル通信への挑戦 : 小林さん

PICとパソコンをBluetoothで接続しようとしていて、USARTのシリアル通信でつまづいて
いることの紹介とアドバイスの依頼でした。
アドバイスにより無事パソコンと通信することができました。

下記が試作品です。

最上段がBluetoothモジュールです。
中央段がPICマイコン



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