コンパイルが正常に完了したら次は書き込みです。
書き込みには道具が必要に なりますが、現状では次の3種類の道具
があります。
@ MPLAB REAL ICE
A MPLAB ICD3
B PICkit3
ここでは最も簡易で安価なPICkit3を使う方法で説明します。
(1)PICkit3をUSBで接続する
PICkit3をパソコンにUSBで接続します。PICkit3はHID(Human Interface Device)
という標準機器として接続されますので、USBドライバはWindowsの標準ドライバ
で接続されます。
USBで正常に接続されると、MPLAB X IDEには下図のようにHardware Toolsの欄
にシリアル番号でデバイスが区別されるようになります。
したがって、同じパソコンに複数のPICkit3を接続して区別しながら使うこともできます。
このダイアログは下記手順で表示できます。
[プロジェクト名で右クリック] → [Properties]
この表示のHardware Toolsの欄で、ツール名の前に緑色のボタンがあれば正常に
使えますが、赤色のボタンの場合はサポートされていないという意味になり、使うこと
はできません。
(2)電源供給の設定
書き込む場合、ターゲットに電源が必要ですが、PICkit3から電源を供給しながら
書き込むことも可能です。この場合、PICkit3から供給可能な電流容量は30mAまで
となっていますので、この範囲でよい場合はPICkit3から電源を供給しながら書き込む
ことが可能になります。この供給を可能にする設定は次のようにします。
上図のプロパティのダイアログを開いてから、[Categories]欄のPICkit3をクリックすると
下図のようなダイアログとなります。
ここで図のように最上段の欄の矢印をクリックすると図のようなドロップダウンメニュー
が表示されますので、ここで[Power]を選択します。
これで下図のようなダイアログになりますので、上段にチェックを入れ、電源電圧を
選択してから[Apply] → 「OK] とすれば電源供給状態となります。
(3)書き込み実行
これでメインメニューで、[Make and Program Device for Main Project]アイコンをクリック
すれば書き込みを実行します。
この際、相手デバイスに対応したファームウェアになっているかどうかがチェックされ、
もし、合わない場合や、バージョンが古い場合には、MPLAB X IDEから最新のファームウェア
が自動的にダウンロードされて更新されます。この更新にしばらかく時間がかかりますが、
この書き込み中に他の操作をするとファームウェア更新が正常に完了せず、書き込みは失敗
します。書き込み中は、MPLAB X IDEの左下のStatus欄にバーチャートが表示されて動いて
いますので、動いている間は他の操作をしないようにしてください。
正常に書き込みが完了すれば下図のようなメッセージで表示され、「Verify complete」と
なります。
(4)書き込み失敗時の対処方法
書き込みが正常に完了せず失敗した場合の対処方法です。エラーメッセージがいくつかあります。
@ Target Device ID (0x0) does not match expected Device ID (0x2480). の場合
これにはいくつかの原因が考えられます。
★ターゲットが接続されていない場合
ターゲットを接続してから再書き込みを実行します。
★ターゲットの電源が供給されていない場合
電源供給するか、PICkit3から電源供給する設定をします。
★指定デバイスと実機が異なる場合
この場合はプロジェクトのプロパティダイアログの右上にあるDevice欄ででデバイス名を
変更して合わせます。
A Failed to program device の場合
★何らかの接続不良で正常に通信ができなかった場合
ハードウェア障害ですので修理してやり直す必要があります。
★PICkit3のUSB接続不良の場合
USB接続をし直すかUSBポートを変更する。
B Connection Failed. の場合
★PICkit3のファームウェア不具合の場合
PICkit3の内部ファームウェアが切り替わっていて接続できない場合です。
この対処方法にはいくつかあります。
−PICkit3のUSBを接続しなおすかUSBのポートを変更する
−PICkit3のボタンを押しながらUSBの接続をし直す
−MPLAB IDE V8.91で手動でファームウェアを更新してからMPLAB X IDEで使う
★PICkit3そのものが不良の場合
PICkit3を交換するしかありません