ニュースレター  Vol.02


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 「PICクラブ ニュースレター」   1998.1.11 Vol.02
                     発行人 後閑 哲也
   ワンチップマイコンと電子工作の情報をお届けします。
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-------------------- PICクラブについて ----------------------
 本クラブは、Microchip社の小型ワンチップマイクロコンピュータの
「PICシリーズ」を中心にして、「手作り精神」をモットーにエレク
トロニクス工作に関するノウハウを交歓することを目的としています。
本クラブは会員制としていますが、入会の制限は何もありません。会員
には、本「ニュースレター」の無料配信サービス(不定期発行ですが)
とPIC講習会の割引特典などがあります。 ----------------------------------------------------------------

【PICニュース】(Microchip社の動向、新製品、講習会、展示会など)

1998年マイクロチップ新製品の紹介をいたします。
1998年もっとも注目できるのは、フラッシュメモリのラインアップで
しょう。フラッシュといえば16F84が有名ですが、UARTやコンパレータを
搭載した20ピンタイプの16F627や10bitのA/Dコンバータを内蔵した16F716
が開発予定です。
 I/O数が使いやすい28ピンタイプでは、10bitのA/Dコンバータを搭載した
16F872,873あたりがおもしろそうです。これらのラインアップのほとんど
にはEEROMが搭載されます。
EEROMの構造は製造プロセスの違いからPICのコアにハイブリッド状態で
乗せています。(16F84の構造と違う)そのため、I/OポートにEEROMを接続
したのと同じようなアクセスになると思われます。I/Oポートが2本節約
でき、実装面積が少しもうかったというような感じです。
 もう一つ楽しみなのは10bit-A/Dを8pinパッケージに搭載した12F675です。
パソコンなどのバッテリ電圧計測を狙った製品と思われます。センサと
組み合わせて面白いアプリケーションが生まれるのではないでしょうか?
 新製品開発の裏話をしましょう。新製品を作るには約1億円の費用がかか
ります。そのため、その初期投資が短期間に消却できることは、ビジネスに
重要なポイントになります。新製品の発表は数多く出されますが、その機能
を見たユーザが、実際のアプリケーションに採用を決めたデバイスから優先
的に開発を進めます。ですからユーザの反応がないデバイスは開発中止にな
りますから、発表されたものが確実に製品化されるとはかぎりません。
大口ユーザがいなければ製品化もありえないわけですね。
ICの価格に関しても、大口ユーザの存在が重要です。安いICを手に入れるに
は大口ユーザが動くタイミングと数量に関係します。
16F84に関しては、アマチュアユーザの力も影響しています。日本では16F84
のユーザが多く、かなりの数量のデバイスが流れていますので価格が安くな
っています。
 日本メーカにおける数万単位の量産品が中国や東南アジアに移ってしまい
国内に大口ユーザが存在しません。そのこともあり安いデバイスが流出しな
い状況があります。


【PIC工作アイデア】(PICに関するアイデア紹介)

 最近秋葉原にPIC16C71JWを買いに行ったら、16C711JW
に変わっていました。
何が変わったかと調べたら、レジスタが倍の68個になったのと、電源の
低下を監視する「Brown-out Reset(BOR)」という機能が追加されていました。
このBORという機能は、電源がある値以下になった時リセットをかけて動作
を強制停止させ、復旧したらリセットを戻すという機能で、産業用にPIC
を使う時には不可欠な機能です。これでさらに安心してPICを使うことが
出来ます。
 どうやらこのBOR機能は今後の新製品には皆実装されるようで、最近発行
された「Reference Manual」に詳しく説明されています。
詳しくはMicrochip社のホームページより下記をダウンロードしてご覧下さい。
   「PICmicro Mid-Range MCU Family Reference Manual」


【ちょっと散歩】(雑誌の話題など)

 PICの応用範囲はどんどん広がっているようです。最近見た雑誌の記事
によると、プレイステーションやセガサターンで自作のゲームソフトを動か
そうとすると通常はエラーとしてはじかれる様なのですが、このマシンに
「MOD-Chip」というものを追加すると立派に自作ソフトやカスタマイズした
CD-ROMのゲームが動作するそうです。
この「MOD-Chip」なるものの正体は、実は「PIC12C508」か「PIC16C54」なの
です。ゲーム機の改造用にもPICが使われているとは驚きです。


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 許可が頂ければ、私のホームページにて紹介致します。
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