【特徴】
PIC16F627A/628A/648Aは機能的にはPIC16F84Aの強化版の位置付けで、
低消費電力化と周辺機能強化が行われています。
PIC16F84Aとピンコンパチなので、そのまま置き換えて機能アップをすること
ができます。
PIC16F627A/628A/648Aの差異は下表のようにメモリ容量のみで他は全く
同じとなっています。
項 目 PIC16F627A PIC16F628A PIC16F648A 単位 プログラムメモリ 1 2 4 kワード データメモリ 224 224 256 バイト データEEPROM 128 128 256 バイト 入出力ピン 16 16 16 本 コンパレータ 2 2 2 チャネル CCP(PWM) 1 1 1 チャネル USART 1 1 1 チャネル タイマ8/16ビット 2/1 2/1 2/1 個
【注意】
メモリレイアウトがPIC16F84Aから大きく変わっています。
汎用RAMエリアが20H番地からとなりましたので、84Aから移行する場合には
変数のアドレスを変更する必要があります。(84Aは0CH番地から)
【強化ポイント】
PIC16F627A/628A/648Aの主な機能強化ポイントを列挙すると下記のようになります。
(1) 動作電圧範囲が広がった
動作可能な電源電圧とクロック周波数範囲が広がり、下記のようになりました。
特にPIC16Fタイプでもクロックが10MHz以下なら3Vから動作します。
クロック PIC16F6xxA PIC16LF6xxA 〜 4MHz 3.0 〜 5.5V 2.0 〜 5.5V 〜 10MHz 3.0 〜 5.5V 〜 20MHz 4.5 〜 5.5V 4.5 〜 5.5V
(2) 消費電力が少なくなった
どれくらい少なくなったかというとPIC16F84Aと比べると下表のようになります。
全て周囲温度25℃の時のTyp値でWDTはOffの状態
項 目 クロック PIC16F84A PIC16F6xxA PIC16LF84A PIC16LF6xxA 単位 SLEEPモード -- --
1.0 (Vdd=4V)0.1 (Vdd=2V)
0.2 (Vdd=5V)0.4 (Vdd=2V)
0.1 (Vdd=3V)
0.2 (Vdd=5V)μA LPモード 32kHz --
--21 (Vdd=3V)
38 (Vdd=5V)15 (Vdd=2V)
12 (Vdd=2V)
38 (Vdd=5V)μA RCモード 4MHz --
1800 (vdd=5.5V)370 (Vdd=3V)
670 (Vdd=5V)--
1000(Vdd=5.5V)240 (Vdd=2V)
670 (Vdd=5V)μA HSモード 20MHz 10.0 (Vdd=5.5V) 3 (Vdd=5V) -- 3 (Vdd=5V) mA
また内蔵モジュールの低消費電力化も計られました。
タイマ1やウォッチドッグタイマの消費電力が少なくなっています
(3) 入出力ピンが増えた
全体のピン数は18ピンでPIC16F84Aと同じですが、下記のピンが汎用の入出力
ピンとして使えるようになりました。
・MCLRピン → RA5ピン入力のみ
・OSC1ピン → RA7ピンとして入出力
・OSC2ピン → RA6ピンとして入出力
(4) 内蔵クロックの追加
内蔵オシレータとして従来の37kHzに加えて、4MHzの内蔵クロックが追加されました。
コンフィギュレーションで内部クロックモードを指定すると、高速と低速の2速度で
命令で切替えることができるようになります。
4MHzのクロックの精度は±1%となっています。
(5) 周辺機能強化
PIC16F84Aに比べ下記機能が追加されました。
・2チャネルのアナログコンパレータモジュールと電圧リファレンスモジュール
・1チャネルのCCPモジュール PWM制御が可能
・1チャネルのUSARTモジュール RS232C通信が可能
・タイマ1、タイマ2モジュールの追加
これらの機能内容と使い方はPIC16F87xAシリーズと互換になっています。