PIC16F630/676のタイマ1の使い方


【概要】

PIC16F630/676のタイマ1は、他のミッドレンジPICと基本構成は同じですが、
一部機能追加が行われています。

下図がPIC16F630/676のタイマ1のブロック構成図です。この図で追加変更
された内容を説明します。

(1) 外部ゲート制御を追加
 この図で黄色の枠で囲った部分が追加された機能で、PICのピンから入力
される外部信号でカウンタのゲートの開閉が制御できるようになりました。
これで、カウンタなどを構成するときに外付けのゲートICが不要になりました。

ただしこのT1GピンはCLKOUTピンと共用になっていますので、外部発振器
(ECモード)か内部発振(RCまたはINTOSCモード)によるクロック供給の時で
無いと使えません。

(2) タイマ1用発振回路とシステムクロック発振回路は兼用
 これまでタイマ1用発振回路はシステムクロックとは別端子となっていましたが
これが同じ回路を兼用しています。
従って、システムクロックを内部クロックにするか、LPモードにしないと、タイマ1
用の発振回路としては使えないことになります。
LPモードの時は、システムクロックとタイマ1クロックが同じ発振器を共用して
いることになります。

 この切替を行う回路が図の赤枠の部分で、システムクロックをCLKOUT無しの
INTOSCモードにして、かつT1CONレジスタでT1OSCENビットを1にしたときか、
LPモードの時に有効となってタイマ1用の発振器として動作します。

 LPモードの時でも、T1OSCENを1にしていればSLEEP中も発振回路は動作
します。




【関連SFR】

タイマ1に関連する特殊レジスタは、T1CONレジスタとCONFIGレジスタ
となります。
まずT1CONレジスタは下図のようになっています。これでこれまでのPICと
異なるのは、TMR1GEビットで、外部ゲート信号の許可・禁止を制御します。




【使い方の注意】

その他、タイマ1を使うときの注意事項は下記となっています。

(1) 外部事象カウンタとして使うときは、入力は常時Highとすること
  外部入力信号をカウントする場合には、立ち上がりでカウントアップと
  固定になっています。(従来はエッジを選択できた)
  このとき、外部入力を常時Lowにしておくと、最初の立ち上がりエッジで
  カウントミスがおき、1パルス少なくなることがあります。
  従って、常時Highとして、最初に立下りが来るようにしておく必要があります。

(2) SLEEP中もカウントさせたいときはクロック同期をオフにすること
  タイマ1を外部クロックか、タイマ1専用発振回路を使ってSLEEP中も動作
  させることができます。このときには、T1CONレジスタのクロック同期(T1SYNC)
  を「1」にしてオフにしておく必要があります。
  これはSLEEP中はシステムクロックが停止してしまうため同期クロックが
  無くなってしまうからです。




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