【特徴】
PIC16F818/819は機能的にはPIC16F84Aの強化版の位置付けで、
低消費電力化と周辺機能強化が行われています。
PIC16F84Aとピンコンパチなので、そのまま置き換えて機能アップをすること
ができます。
PIC16F818/819の差異は下表のようにメモリ容量のみで他は全く同じと
なっています。
項 目 PIC16F818 PIC16F819 単位 プログラムメモリ 1 2 kワード データメモリ 128 256 バイト データEEPROM 128 256 バイト 入出力ピン 16 16 本 アナログ入力
10ビットA/Dコンバータ5 5 チャネル CCP(PWM) 1 1 チャネル SSP
(SPIマスタ/スレーブ)
(I2Cスレーブ)1 1 チャネル タイマ8/16ビット 2/1 2/1 個
【注意】
メモリレイアウトがPIC16F84Aから大きく変わっています。
汎用RAMエリアが20H番地からとなりましたので、84Aから移行する場合には
変数のアドレスを変更する必要があります。(84Aは0CH番地から)
【強化ポイント】
PIC16F818/819の主な機能強化ポイントを列挙すると下記のようになります。
(1) 動作電圧範囲が広がった
動作可能な電源電圧とクロック周波数範囲が広がり、下記のようになりました。
クロック PIC16F81x PIC16LF81x 〜 4MHz 4.0 〜 5.5V 2.0 〜 5.5V 〜 10MHz 3.0 〜 5.5V 〜 20MHz 4.5 〜 5.5V
(2) 消費電力が少なくなった
どれくらい少なくなったかというとPIC16F84Aと比べると下表のようになります。
全て周囲温度25℃の時のTyp値でWDTはOffの状態
項 目 クロック PIC16F84A PIC16F81x PIC16LF84A PIC16LF81x 単位 SLEEPモード -- --
1.0 (Vdd=4V)0.5 (Vdd=5V) 0.4 (Vdd=2V)
--0.2 (Vdd=2V)
0.5 (Vdd=5V)μA LPモード 32kHz --
--28 (Vdd=5V) 15 (Vdd=2V)
10 (Vdd=2V)
28 (Vdd=5V)μA RCモード 4MHz --
1800 (vdd=5.5V)874 (Vdd=5V) --
1000(Vdd=5.5V)240 (Vdd=2V)
874 (Vdd=5V)μA HSモード 20MHz 10.0 (Vdd=5.5V) 1.8 (Vdd=5V) -- 1.8 (Vdd=5V) mA
また内蔵モジュールの低消費電力化も計られました。
タイマ1やウォッチドッグタイマの消費電力が少なくなっています
(3) 入出力ピンが増えた
全体のピン数は18ピンでPIC16F84Aと同じですが、下記のピンが汎用の入出力
ピンとして使えるようになりました。
・MCLRピン → RA5ピン入力のみ
・OSC1ピン → RA7ピンとして入出力
・OSC2ピン → RA6ピンとして入出力
(4) 内蔵クロックの追加
内蔵オシレータとして従来の37kHzに加えて、8MHzを源信とする内蔵クロックが
追加されました。
コンフィギュレーションで内部クロックモードを指定すると、OSCCONレジスタで
8MHz、4MHz、2MHz、1MHz、500kHz、250kHz、125kHz、31kHzの8種類から
どれかひとつを選択して、命令で切替えることができるようになります。
8MHzのクロックの精度は±1%となっています。
(5) 周辺機能強化
PIC16F84Aに比べ下記機能が追加されました。
・5チャネルのアナログ入力、10ビットA/Dコンバータ
・1チャネルのCCPモジュール PWM制御が可能
・1チャネルのSSPモジュール SPIのマスタ、スレーブまたは、スレーブI2Cが可能
・タイマ1、タイマ2モジュールの追加
これらの機能内容と使い方はPIC16F87xAシリーズと互換になっています。