コンデンサ

【コンデンサ】

コンデンサとは、直流には電気を貯める働きを、交流には周波数により
抵抗値の変わる「抵抗」として機能します。
この貯められる量を「静電容量(略して「容量」)」といい、単位は、
F(ファラド)です。
しかし、1Fというのは膨大な量を貯えられる量で、電子回路ではこれほど
の大きな容量のものはあまり使いません。 通常は、

    pF(ピコ(=10の12乗分の1)ファラド)
   μF(マイクロ(=10の6乗分の1)ファラド)  をよく用います。

また、コンデンサの電極間にかけることのできる最大電圧を「定格電圧
(耐電圧)」といい、これ以上の電圧を加えるとコンデンサがこわれます。


【回路図記号】

コンデンサにはいくつかの種類がありますが、回路図で表現するときには
下図の3通りが多く使われています。

回路図記号

略号

名  称

機  能 

コンデンサ 小型の同調回路用

バイパス
コンデンサ
高周波バイパス用
単位はμF

電解コンデンサ 低周波バイパス、平滑用
極性有り、耐電圧に注意


【外観】

セラミックコンデンサ

 容量により円盤の直径が異なる
 が小型。
 高周波特性が良いため、バイパス
 コンデンサとして多用される。


フィルムコンデンサ
マイラーコンデンサ

 温度特性に優れる
 雑音特性が良いため
 オーディオに多用される




積層セラミックコンデンサ

小型で比較的容量大
パスコンの多用される



電解コンデンサ

 大容量ながら小型である。
 電源の平滑用
 電源バイパス用に
 多用される
 耐圧があるので注意

ブロック型
電解コンデンサ
大容量です。

電気二重層コンデンサ

特に大容量で、メモリの
バックアップなどに使われる




【コンデンサの種類】

コンデンサには、主にその容量を増やすのび使う「誘電体」の材料により
多くの種類があります。
私たちが電子工作で良く使うコンデンサには下表のようなものがあります。
それぞれに、容量、耐電圧、周波数特性 (両端にかける周波数をどの
程度高くできるか)、 漏れ電流、内部抵抗、などなどによって 様々な特徴
があり使い分けが必要です。

コンデンサ種類

特徴

使い方

アルミ電解
 コンデンサ
比較的容量が大きい
(0.1μF〜15000μF)
±の極性がある
定格電圧がありそれ以下で使用
(2V〜500V)
比較的許容差が大きい
(±10%,±20%,-10%〜+30%)
比較的低周波帯域用
(DC〜数100kHz)
直流回路の電源フィルターや交流回路のカップリングやフィルター
として使う
使用可能周波数が比較的低いので注意
オーディオ用で特別低雑音用という種類もある
2本のリード線の長い方がプラス極
タンタル電解
 コンデンサ
比較的容量が大きい
(0.1μF〜220μF)
±の極性がある
定格電圧がありそれ以下で使用
(3V〜35V)
電解コンデンサより周波数特性
が良い(DC〜数10MHz)
周波数特性が比較的良いのでノイズリミッターやバイパス、カップリング、電源フィルターとして使う
2本のリード線の長い方がプラス極
セラミック
 コンデンサ

積層セラミック
 コンデンサ
比較的容量が小さい
(数pF〜数μF)
定格電圧がある、高電圧に耐える
(25V〜3kV)
温度補償用として温度係数が管理
されているものがある
積層型以外は極性が無い
許容差は大きい
(±10%,±20%)
適用周波数帯域が広い
(数kHz〜数GHz)
高周波帯域での使用に適しているので高周波用バイパス、同調用、高周波フィルターとして使う
極性は無いのでどちら側でも良い
電気二重層
 コンデンサ
特別に大容量なコンデンサ
(0.01F〜0.5F)
定格電圧が比較的低い
(数Vが一般的)
周波数特性は悪い
直流の蓄電用、バッテリの代用として使えるが大電流供給は無理。
メモリのバックアップ電池代用



【容量値は?】

 コンデンサの大きさ即ち容量値はどう表現されているかを説明します。
抵抗の所で説明したJISの「E3系列」か「E6系列」が採用されています。
従って一般にある値は下記となります
  E3系列
    1.0  2.2  4.7
  E6系列
    1.0 1.5 2.2 3.3 4.7 6.8


実際のコンデンサの物には下記のような印刷で容量値が示されて
います。
1.電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサ、電気二重層の場合
  普通は下記のような2行で表現されています。
       
     10μF    -----> 静電容量値
     16V     -----> 定格電圧

2.セラミックコンデンサの場合

  一般的に下記3桁の数値表現となっています。単位は「pF」です

     103   -----> これは10x10の3乗pF=0.01μF

     上位2桁 容量値有効数値
     3桁目  10の乗数     となっています。

      <早見表>

表示

変換値

単位

101 100 pF
102 1000
0.001
pF
μF
103 0.01 μF
104 0.1 μF
223 0.022 μF
333 0.033 μF
473 0.047 μF
474 0.47 μF


 誤差の表示は次の通りです

  J : 5%以内    K : 10%以内    M : 20%以内



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