回路図の基本的な約束事と見方/書き方


【回路図とは?】

電子回路の働きを他の人に伝えたり、同じものを作れるようにするため、
のいわば「ことば」が「回路図」です。従って、回路図が見れないとことばが
解らない事と同じで、内容を理解する事は出来ません。
 
電子回路を趣味で始める場合でも、やはり回路図が読めるのと読めない
のでは面白さに圧倒的な差が出てしまいます。
是非回路図が読め、描けるようにしましょう。


【回路図の基本的な要素】

電子回路を回路図として表現し内容を伝えるため、基本的に下記の様な
内容が表現されています。 従ってこれだけのことが最低理解できれば、
回路図が読めるといって良いことになります。

  @ 使っている部品の種別
  A 部品の定数
  B 部品同士の接続関係
   
たったこれだけの内容ですから誰でも回路図は見る事ができます。しかし、
中に使われている部品や記号に基本的な約束事があり、これがもともと
解っていないと回路の働きを理解する事が難しくなってしまいます。
いわゆる回路図が見れても、読む事が出来ないということになります。
そこで、以下に基本的な約束事を説明します。


【接続と交叉】

回路図で部品同士を接続することを表現するために、一般には直線で
結びます。
この時混乱するのは、直線同士が交叉している時の接続です。
回路図では一般に交叉した直線は下記の条件としています。

  @ T字交叉は接続されている。
  A 十字交叉の場合は、交差点に黒丸があれば接続されているが、
    無い場合は接続されず、単に横切っているだけ。
    (但し、黒丸付き交叉は紛らわしいので、できるだけT字交叉とする)
  B 十字交叉の交差点でいずれかの線がを描いていれば接続されて
    おらず、単に横切るだけ。

これを図で表現すると、下図の様になります。





【回路図上の基本単位】

回路図にある部品の近くには色々な数字と記号が描かれています。
この中に部品の値(定数)が含まれているのですが、それらには単位が
付いています。
この基本的な単位には下記が一般に使われます。

電気定数

記号

意味

読み方

良く使う単位

電圧

Volt ボルト μV、mV、V
電流

Ampere アンペア μA、mA、A
電力

Watt ワット μW、mW、W
抵抗

Ω

Ohm オーム Ω、kΩ、MΩ
インダクタンス

Henry ヘンリー μH、mH
静電容量

Farad ファラッド pF、μF(uF)
周波数

Hz

Hertz ヘルツ Hz、kHz、MHz、GHz

上記にも含まれていますが、補助単位として下記が多く使われています。
大文字と小文字の使い分けも慣用的に下記のようにしています。

記号

単位

読み

1000000

メガ

1000

キロ

m

0.001

ミリ

μ

0.000001

マイクロ

0.000000001

ナノ

0.000000000001

ピコ

(注)実際の回路図では、μはuで代用し、Ωは省略することが多い。

    


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