基板のパターン図作成手順と外形作画


【基板パターン作成手順】

 パターンを作成する順番として通常の場合には下記のようにします。

(1) 基板外形図を作画する。
  まずは入れ物の作図です。
(2) 基板取り付け穴の作画
  取り付け穴が必要な場合には、先に穴のスペースを確保しておきます。
  そしてパターンを逃げる範囲も指定しておくと便利です。
(3) 部品の配置
  これが結構勘に頼るところがあって、慣れが必要です。いくつか作って
  訓練しましょう。まずは回路図の配線を見ながら大体配線がし易そうな
  配置で部品を描画します。その後は配線をしながら配置変更をして行きます。
(4) パターン配線
  部品間の接続です。市販のCADと異なり、ネットリストのようなものは
  ありませんので、回路図と見比べながら忘れ物や配線ミスが無いように
  気をつけながら配線していきます。
  配線ができるだけ短くなるよう、通しやすくするように部品配置を変更
  します。
(5) 文字入れ
  端子名称や、製作年月など好みで文字を作画します。
(6) グランドベタパターンの作画
  基板で空いているスペースにはグランドのベタパターンを作画します。
  こうすれば余分なエッチングが少なく出来るのでエッチング液を長く
  使えるようになるのと、グランド電位を安定させてノイズに強くすることが
  出来ます。

【基板外形作画】

まず最初に描画するのが基板外形です。アマチュアの基板作成の時には
多くはサンハヤトの感光基板を使うと思いますので、ここではサンハヤトの
10Kとして、100mm×75mmの基板を使うこととします。
この描画は下記のようにしていきます。

(1) レイヤー7の外形を選択する。
  まず作画するレイヤを指定します。のアイコンを選択して下記のダイアログ
  で、レイヤ7を指定して「決定」とします。




(2) ラインの作画
  ラインのアイコンを選択してから、直ぐアパーチャ選択アイコンを押して
  下記ダイアログで線の幅を指定します。
  外形の場合には、一番細い0.1mmを選択します。




  この後、編集窓に移動して、外形の最初のコーナーを右クリックして指定
  します。この基点はどこでも構わないのですが、PCBEをスタートさせた時の
  作画画面の左上隅を基点としましょう。ここからまず右へ水平線を100mmの
  長さだけ引きます。PCBEの左下のステータスラインに現在のカーソル位置の
  座標がmmで表示されていますから、ここで100mmを加えたところまでカーソル
  を進めその位置で左クリックします。これで水平線が1本作画されます。
  続けて同じように今度は下側へ75mmだけ進め左クリックして縦線を描きます。
  続いて左へ100mm、次は上の基点に戻ってそこで左クリックしてから、右クリック
  します。右クリックするとラインの作画は一旦途切れここで完了します。






  この作画の時、基板外形が画面からはみ出てしまうときは、横、縦のスクロール
  バーで画面をずらすか、の縮小アイコンで画面を縮小して作画しやすくします。

 このように直接描画しなくても、X,Y座標を指定して描く方法もあります。実際には
この方が簡単で正確に描けます。
まず、ボタンを押してから、ボタンを押して表示される下記ダイアログで、
始点の座標を絶対座標で入力します。 このとき画面のステータスラインに表示
されている座標を入力すると、インチベースのmm座標になるので正確に入力
出来ます。




 次に再度ボタンを押して、X座標を100mm大きい座標を入力します。これで
 長さ100mmの水平線が描画されます。さらにボタンを押して今度はY座標を
 75mmだけ小さな値とします。これで縦の線が描画されます。あとは、真っ直ぐの
 直線で長方形を描きます。



【取り付け穴部品の描画】

基板の取り付け穴が必要な場合には、ここで穴の位置を指定します。あらかじめ
穴の位置を指定しておかないと、パターンを作画するとき逃げが判らないので
あとで穴をあけるスペースが無くなってしまうかもしれません。
取り付け穴の指定は下記の手順で行います。

(1) レイヤの指定
  基板外形と同じように、のアイコンを選択してレイヤ7を選択します。外形作画
  の直ぐ後であればこの操作は不要です。

(2) 穴の部品を描画します。
  部品配置のアイコン をクリックすると下記ダイアログが現れますので、ここで
  一覧を選び表示されるリストの中から、「取り付け穴(3mm)」という部品を選んで
  決定とすれば取り付け穴の部品と編集窓に貼り付けることが出来ます。



  上記で選択した取り付け穴を適当な位置に移動させてから、左クリックすれば
  その位置に穴が描画されます。下図が描画ししたところです。穴の部品がすでに
  ある場合にはこのように簡単に穴を描画することが出来てしまいます。



【取り付けの作画】

取り付け穴がまだ部品として用意されていない場合には、次のようにして穴を
作画します。

(1) レイヤーの選択
  まずレイヤーをレイヤ8の穴に変更します。方法はこれまでと同じように
 のアイコンを使います

(2) 穴のサイズ指定
  次に、丸を描くためにアイコンをクリックします。続いてサイズを指定するため、
  アパーチャアイコンをクリックして表示される下記ダイアログで、適当な穴の
  直径を選択します。 ここでは3mmのねじを使いたいので、3.2mmの穴とします。




(3) 穴の描画
  これで編集窓に移動すれば丸い穴を配置できるようになっていますから、
  適当な位置に移動してから左クリックして配置します。配置は下図のように
  なります。



以上で取り付け穴を作画完了です。





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