【部品ライブラリ】
PCBEは部品のパターン図をあらかじめ用意しておき、それを貼り付けることで
パターンを描画できるようになっています。この部品を集めたファイルをライブラリ
と呼んでいます。
もともとのオリジナルのPCBEには、「Part1.lib]というライブラリが添付されている
のですが、これには10個程度の簡単なライブラリしかありませんので、実際の基板
パターンを作成するためには、ちょっと不足です。
このライブラリ内の部品を増やし、常に部品を選択するだけで描画ができるように
ならないと本当の便利さを享受することができません。
そこでこのライブラリに部品を追加する機能がPCBEにはあります。その使い方を
説明していきます。
【専用ライブラリファイルの作成】
添付されている「Part1.lib」に部品を追加していくことで進めても構わないのですが、
PCBEをバージョンアップしたりする際に再インストールすると上書きされてしまいます
ので、うっかり追加したライブラリを消してしまうことにもなりかねません。
そこで、自分用の専用のライブラリを「mylib.lib」として確保します。
既に、初期設定のページでこのための準備が出来ていますので、最初は、Part1.libの
ファイル名を「mylib.lib」に名称変更して始めます
【ライブラリファイルの構造】
さてここでライブラリの中身について調べておきましょう。まず、ライブラリは単純な
テキストファイルで出来ています。
従って、例えばPart1.libをメモ帳などのテキストエディタで開くと内容が全て表示
されます。
この内容を調べると基本構造は下記のようになっていることが判ります。
GROUP:部品名称
(描画内容)
ENDGR:
つまりGROUP:で始まり、ENDGR:で終わる一連の内容が1個の部品のライブラリ定義
となっている訳です。
次に各内容を見てみると
LAND:X=0.000,Y=0.000,LE=9,AP=18
これはランド描画の指定で中心座標が(0, 0)で レイヤが9 アパーチャつまりランド
種類が18番という意味です。
LINE:XS=0.000,YS=-0.750,XE=0.000,YE=0.750,LE=3,AP=3
これはライン描画の指定で、座標が(0, -0.750)から(0, 0.750)の間の線で、レイヤは3、
アパーチャつまり線幅種別が3番という意味です。
FLSH:X=-0.800,Y=0.000,LE=5,AP=18
これは角ランドの描画で、座標(-0.800, 0)を中心とする正方形を表しています。
レイヤは5、アパーチャは18番となっています。
このように構造が判れば、ライブラリを編集することは簡単で、テキストエディタだけで、
下記のような編集をすることが出来ます。
(1) 複数ファイルからのライブラリの合成
インターネット経由でダウンロードした他の人が作成したライブラリから、好きな
ものだけをコピーして自分のライブラリに加えることが出来ます。
(2) 特定部品の削除
不要な部品を削除できます。
(3) レイヤやランド型などの一括変更
エディタの置換機能を使えば、他の人の作成した部品も一括変換して自分用に
作り直すことが出来ます。
【部品の追加】
では実際に部品の追加/変更をする方法を説明します。
PCBEにはもともと部品追加をボタンで出来るようになっています。
その操作は下記手順で行います。
(1) 部品にしたい部分を範囲指定
部品登録する部分をブロック範囲指定ボタンで選択します。
(2) 部品登録
選択後 部品登録ボタンを押すと下記ダイアログで何をするかを確認されますので、
ここで部品登録を選択します。
部品登録を指定すると下記ダイアログで部品名称の入力を求められますので、ここに
入力をします。部品名は日本語も可能です。
これでmylib.libのファイルにsample12という名称の部品が登録されたことになります。
一度作成した部品の内容の変更をしたい時は、PCBEでは同じ部品の上書きが出来
ませんので、テキストエディタでライブラリファイルの該当する部品の部分を削除してから、
再度登録作業を行います。
→【修正】 ライブラリ内部品の削除はメニューの '設定 ⇒ 部品削除' で可能です。
*ダイアログボックスに部品名を入力する
→【ポイント】
部品ですが、移動基準点に '基準レイヤーの丸ランド' を、配置するとそれが
部品の基準になります。
(基準レイヤーの丸ランドが二個以上あれば認識しません)・・・ サンプル(part1.lib)を参照
*レイヤー名が 基準、センター、datum、等で始まっていればそれを、基準と
して認識します ・・・ レイヤー名をそれ以外に変更すると認識しません
【ライブラリの例】
実際に私が作成したライブラリを参考までに置いておきます。
ダウンロードしてお使いください。
本ライブラリは、CYTECさんが公開されているものを再編集したものです。
★ 部品ライブラリ(mylib.LZH)