PIC18Fxxxxシリーズとは?


【どんな物?】

 PIC18Fシリーズそのものは、マイクロチップ社のPICmicroシリーズの最上位にあたる
デバイスで、ハイエンドシリーズといわれています。
その中でも、PIC18Fxxxxシリーズは、戦略的なデバイスで、これまでのミッドレンジの
PIC16シリーズも含めて置き換えを狙っているデバイスです。
これを図で表すと下図のような感じになっていて、ちょうどミッドレンジからハイエンド
までの範囲をカバーするデバイスとなっています。

 PIC18Fxxxxシリーズは、16ビットの命令長を有し、これまでのミッドレンジのPICの
使い難さをかなり改善したものとなっています。
特に、メモリアーキテクチャや、命令構造に顕著な改善が見られます。

さらに命令構造がC言語に良く合う命令体系となっているため、C言語での開発が主流
となるPICとなるものと考えられます。








【特徴】

PIC18Fxxxxシリーズの特徴は下記のようになっています。

【これまでのPIC18シリーズに対して】

(1) nanoPower Technology として超低消費電力化が計られた。
  内蔵モジュール自身の低消費電力化も実現して、もともとの消費電力
  が少なくなった。
  さらに、モジュールを使わないで部分的に停めた状態とすることができ
  消費電力を削減できる。

(2) クロック機能の強化
    クロックがいろいろなモードを選択でき、特にプログラムでクロックの切替を
  することができるようになった。
  従って、忙しいときは高速で、暇なときは低速で動作させるということが可能に
  なった。これで消費電流も大きく削減可能になった。

(3) 内蔵モジュールの機能強化
  ・CCP機能が強化され、直接モータのフルブリッジを構成できるようになった。
   ポートに直接MOSトランジスタを接続するだけで、PWM制御のフルブリッジ
   が構成できる。
  ・USARTモジュールの機能強化で、ボーレートの自動認識や、LINコントローラ
   としても動作できるようになった。


【PIC16シリーズに対して】
(1) メモリサイズが拡大され、直接アクセス範囲が拡大した。
  プログラムメモリ:最大1Mワードまで直接アドレッシング可能となった。
  データメモリは、256バイト×16バンク=最大4kバイトまで拡張可能となった。

(2) クロックが内部で4倍されるようになり、最高40MHzという高速で動作する。
  これにより命令実行サイクルは、100nsecとなった。

(3) 命令数が75個とミッドレンジの2倍の数となった。さらに演算命令も強化されて
  より複雑な演算制御の高速実行が可能となった。
  8×8の乗算命令が追加され、Carry付き演算も追加された。
  またテーブル検索専用命令も追加され、大量データの扱いが高速化された。

(4) 割り込みのレベルが拡張され、基本レジスタの退避復旧がハードウェア化された。
  これにより、より高速な割込み処理が可能となった。

(5) タイマ0とウォッチドッグタイマのプリスケーラがそれぞれ独立に追加された。
  またその他の16ビットタイマの読み込みが高位バイト、上位バイト同時に取り込む
  ことが出来るようになった。

(6) タイマ3が追加され、このタイマ出力をシステムクロックにも使うことができるように
  なった。このためより低速、低消費電力の動作をさせることが可能となった。

(7) アナログ入力チャンネル数の増加と高速化
  さらにコンパレータ機能も追加された。

(8) リセット条件の区別ができるようになり、各リセット毎の処理区別が可能となった。

(9) I2C、USARTなどのシリアル通信機能が強化され、さらに使いやすくなった。

(10)低電圧検出、リセット機能が強化され、検出電圧の選択肢が増えた。
  これにより電池動作も安定に行うことが可能となった。


【デバイスの種類】

現在、提供されているPIC18Fxxxxを含めたPIC18ファミリーは下表となっています。
下表は拡大出来ます













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