WebPACK ISEの概要


【Webpack ISEとは?】

 WebPACK ISEはザイリンクス社より無償で提供されているCPLD開発ツールである
「WebPack」のバージョンアップ版です。
   (ISEはIntegrated Synthesis Environmentの略)

このWebPack ISEには、ザイリンクス社の XC9500 または CoolRunner シリーズ CPLD の
設計に必要なものすべてが提供されています。
特に従来の「WebPack」に比べ、シミュレータのModelSimが統合され、さらに回路図入力や
STATECADツールが追加されました。
また操作画面もより統合された構成になって一層使いやすくなりました。

【WebPack ISEの特徴】

 WebPackは、下記4種類のCPLD開発ツール群から構成されていますが、それぞれがまた
複数のツールで構成されていて、全体が統合されるようになっています。

  ・デザイン入力と合成ツール
  ・デバイスフィッタツール
  ・backPACKツール
  ・デバイスプログラマツール


(1) デザイン入力と合成ツール
  基本的なデザインプラットフォームとなるモジュールで、基本機能の他に他の機能モジュール
  を統合させることが可能になっています。
  このモジュールにはCPLD設計基本機能として下記のプログラム群が含まれています。
 
 ・Project Navigator
   開発工程全体を管理するツールで、VHDL機能を開発する単位毎にprojectとして統合的に
   扱い、数多く生成されるレポートやファイル群をまとめて管理してくれます。
   また統合した他のモジュールとも連携して機能させることができるようにします。
 ・HDLエディタ
   ABEL、VHDL、Verilogのいずれにも対応したエディタが含まれており、フレームワークの
   用意と色分けによるキーワードの区別などが行われて編集を容易にする工夫が組み込ま
   れています。
 ・デザイン合成
   デザイン入力として、HDLと回路図の両方を受け付け、混在も可能です。このデザイン入力を
   元にして合成を実行し、CPLDにダウンロード可能なオブジェクトファイルを生成します。

(2) デバイスフィッタツール
 特定のCPLD向けに最適化とデザイン検証を行うモジュールで、現在は下記2種類のCPLDに
 対応するフィッタツールがあります。
 
 ・XC9500フィッタツール
   XC9500シリーズの全CPLDに対応しています。
   最小36マクロモジュールから最大288マクロモジュールまでのサイズがあります。
 ・CoolRunnerフィッタツール
   低消費電力が特徴のCoolRunnerシリーズの全種類に対応したフィッタツールです。
   最小32マクロセルから最大960マクロセルまでのサイズがあります。

(3) backPACKツール
 WebPackを機能強化するプログラム群で下記のものが含まれていて、いずれも導入すると
 Project Navigatorに統合されます。
 
 ・MXE Starter(ModelSim XE CPLD Simulator)
   モデルテクノロジー社の有名なシミュレータであるModelSimのXilimx Editionで、VHDLと
   Verilogのシミュレーションとデバッグをすることができます。
   ModelSimの全機能を使うことができます。
    ・ソースコードビューア/エディタ     ・波形ビューア
    ・デザイン構造ブラウザ
 ・HDL Bencher
   MXEなどのシミュレータに使うテストベンチの自動生成ツールで、最新のHDLデザイン
   ファイルを読み込んで解析し、ModelSimで使用可能なテストベンチファイルを自動生成します。
 ・StateCAD
   ステートマシンのデザインツールでウィザードに従ってステートマシンの設計をすると、
   それをHDLフォーマットに変換してデザインに含めることができます。
 ・XC9500シリーズChip Viewer
   デザイン結果の内部状態をグラフィカルに表示するツールです。
   入出力ピンの使用状態やドラッグによる変更、内部ブロックの接続状態などをグラフィカル
   に表示して確認することができます。
 ・CPLD Capture Library
   回路図入力ツールが基本機能で提供されていますが、それを支援する回路図入力
   ライブラリ群です。

(4) デバイスプログラマツール
 合成が完了したオブジェクトファイルをデバイスに書き込むためのツールで、デバイス対応で
 2種類用意されています。

 ・JTAG Programmer
   XC9500の他に、PROMやFPGAの書き込みに使えます。
 ・XPLA Programmer
   CoolRunnerのXPLA3、XPLA2、XPLA/Eをサポートしています。


【WebPACK ISEのダウンロードの仕方】

 WebPACKはザイリンクス社のWebページからダウンロードできますが、まずユーザ登録
が必要です。この登録は誰でも自由にでき、何の義務もありませんので気楽にできます。
WebPACKのホームページは下記となっています。

   ★ザイリンクス CPLD WebPACK ISE

ダウンロードの手順は下記となります。

(1) ユーザ登録
  まず上記Webページから「Register」をクリックして登録ページに行きます。
  ここでユーザIDとパスワードを登録してダウンロードの権利を得ることになります。

(2) ダウンロードページへ
登録後しばらくしてから、上記Webページで「ダウンロード」をクリックするとユーザIDと
パスワードを聞かれますので、先に登録したものを入力します。そうするとダウンロード
可能となってダウンロード画面が開きます。
ダウンロードの仕方には2種類ありますのでどちらかを好みで選択します。ディスクの
空き容量が十分な場合にはシングルファイルダウンロードで全て自分のディスクの中に
ダウンロードしてしまった方が、あとから何回もインストールのし直しができますから
お勧めです。

 ・Webインストール
   Webから直接インストールする方法で、余分なディスク容量を必要としません。
 ・シングルファイルダウンロード
   まずファイルを自分のディスクにダウンロードしてから、実行させることでインストール
   する方法です。

プログラムは全部で4種類、10個のプログラムがダウンロードできるようになっています。
ここから必要なものをダウンロードするのですが、XC9500かCoolRunnerかによって必要な
ものが下記の表のように変わります。
  

名  称 ダウンロードファイル名 XC9500 CoolRunner
デザイン入力と合成ツールモジュール webpack_hdl_abel.exe
MXE backpack webpack_mxe_simulator.exe
HDL Bencher webpack_hdlbencher.exe
StateCAD webpack_statecad.exe
Chip Viewer webpack_chipviewer.exe ×
CPLD Capture Libraries webpack_ecs_cpldlib.exe
XC9500シリーズフィッタモジュール webpack_cpld_fitter.exe ×
CoolRunnerシリーズフィッタモジュール webpack_xpla_fitter.exe ×
JTAG Programmerモジュール webpack_programmer.exe ×
XPLA Programmerモジュール webpack_xpla_programmer.exe ×
                 ○:必須   △:必要なときのみ  ×:使用不可

【インストールの仕方】

最初にデザイン入力と合成ツールをインストールすれば、あとはどんな順序でインストールしても
構いません。
途中で再起動するかと聞かれることがありますが、それにはすべてチェックしないでおき、全ての
インストールが完了したあと1回だけ再起動すればOKです。




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