WinBoardのネットリストの読みこみ


【ネットリストとは?】

いよいよパターン図の作成の段階に入ります。
WinBoardは回路図エディタWinDraftと連携していますが、その間をつなぐ
ものが「ネットリスト」と呼ばれるものです。

つまり回路図をWinDraftで作成した結果を、テキストファイルのリスト形式で
出力したものがネットリストを呼ばれるものです。
中味には、部品情報、配線接続情報、位置情報などが含まれています。

このネットリストを基板作成のために読み込むと何ができるかというと、

 (1) 部品の部品パターンを指定されている部品図として読みこむ。
   これにより、部品をいちいち指定して入力し張りつけなくても、
   自動的に必要なだけの部品図を入力してくれますので、配置だけ
   指定すれば全部品を並べることができます。
 
 (2) 部品間の接続関係を読みこみ「ラッツネット」でピン間の接続を表示。
   この接続の間をパターンで配線ルートを指定し、パターンの幅を指定して
   いくことで、全接続を忘れることなく配線(ルーティング)することが出来ます。

【ネットリストの読みこみ手順】

実際にネットリストからパターン図を作成するまでの手順を説明します。
ここで作成するのは下図のような回路でプロジェクト名は"test2"とします。



このネットリストを入力するための順序は下記のようにします。

(1) ネットリストファイルの指定
  読みこむネットリストのファイルを指定します。前項で説明したように、
  File → Load Netlist で表示される"New Board"ダイアログでOKとすれば、
  下図のようなファイル指定のダイアログが表示されます。
  ここでは各窓に初期設定で指定したディレクトリが自動表示されますので、
  その中から目的のファイルを指定します。例では、test2.net というファイル
  を指定しています。




(2) 部品ライブラリの指定
  これでネットリストが読みこまれ、何やら複雑な”Netlist Module Selection”
  ダイアログが表示されます。
  これで何をするかというと、各部品に必要な部品図を指定します。下側の
  ”Netlist Part Information"という広いテキストリストの一番左側に「」が
  表示されている部品は、まだ部品図が指定されていないことを示しています。
  そこで各部品の部品図を指定します。
  しかし、いちいちひとつずつ指定していては面倒ですので、自動的に設定を
  行うことが出来ます。
  
  下記ダイアログで”Auto”をクリックします。そうすると、あらかじめネットリスト
  の中で指定されている(回路図作成の時に、Module Nameで指定した)
  部品図(Foot Print またはModule Libraryと呼ばれる)が自動設定されます。



  上図でAutoにより自動設定された結果が下図となります。 下側のリストの
  左端の文字が「」から「」に変わっているものは自動設定されたものです。
  次にはこのリストの中で、「*」で残っているものを手動で指定します。

  

  


(4) 部品図の手動設定
  次ぎは、自動設定されなかったものや、変更したいものを手動で設定します。
  
  特に、トランジスタなどは、皆一律の部品図になっているので、それぞれ
  の外形に合った部品図に変更し直す必要があります。
  抵抗やコンデンサ、ボリュームなども縦型、横型、サイズなどそれぞれに
  合わせて変更してやることが必要です。

  設定の仕方は、
   ・まず下図のように未指定の部品(例ではY1のxtal)を選択
   ・次ぎにLibrariesボタンをクリックすると下図のダイアログが表示されるので
    この中で、指定したい部品図があるLibraryとその中の求めるModuleを指定
    します。
    (例題では、mylibの中の18DIP300を選択)
   ・そして下図でSelectとすれば、その部品図が選択されたことになり、上図の
    ダイアログに戻ります。
   ・そこで”Manual”ボタンをクリックすればリストに設定されます。




(5) ネットリスト読みこみ完了
  これで全ての部品の部品図が指定されたら、”Netlist Module Selection"ダイアログ
  のOKボタンをクリックすると、スタッフファイルの指定を要求されるので、ネットリスト
  と同じファイル名.stfとして設定します。さらに更新する先のネットリストファイル名も
  聞いてきますので、もとのネットリストを同じファイル名を指定します。
  これらは、Manualで変更した分をもとのファイルに更新するための差分を保存する
  ためのファイルです。

  これで全てのネットリスト読みこみの準備が完了し、部品図が基板図に張りついた
  状態で、図面が出来あがります。
  下図がその一例です。

  
 
 このとき、部品の配置場所は自動で行なわれるので、必ずしも近くに全てが配置されるとは
限りません。場合によっては離れた場所に配置されることもあります。
これらを確認するには、左上のコントロールボタンのチェックマークボタンを押せば、
全部品が表示された状態で画面が更新されるので、場所を確認することが出来ます。  



 


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