ディジタルステレオアンプ

  最近、簡単に製作できて音が良いという評判のトライパス社
のディジタルアンプICを使ったキットでステレオアンプを作ってみました。
評判通りのなかなか透き通ったきれいな音を出します。


【概要】

 高効率のディジタルアンプは、ディジタルノイズを取るのが難しいため自作するのは
手強いのですが、最近はディジタルアンプそのものの機能を1個のICに納めてしまった
ものが開発され、ディジタルノイズを減らす工夫がなされているため自作も容易になりました。
 そこで、これらのICの中から入手が易しく、音が良いという評判のトライパス社の
TA2020-020というICを使ってディジタルアンプを自作してみました。
 さらに、このICを使ったアンプキットが株式会社カマデンから発売されていますので、
このキットを使うことで誰でも自作できますので、このキットで進めることにしました。

音量用ボリュームだけが前面パネルにあります。
ボリュームの横側に赤外線リモコン用の小さな穴が
あいています。これで赤外線リモコンで音量調整と
イコライザの切り替えができるようになっています。


【カマデンのディジタルステレオアンプキット】

トライパス社のTA2020-020を使ったオーディオアンプキットが、株式会社カマデンから
発売されています。内容は、トライパス社の評価ボードとほぼ同じ回路構成、実装方法
となっていますので、ICの性能を十分引き出せるキットかと思われます。
実際このキットの評判はよく、できあがったアンプの音が良いといわれています。
キットを組み立て完成したときの外観は写真のようになります。このキットは
スペシャル版となっていて、スタンダード版よりコイルが大きくなっているため、
表面からだけでは実装できず、表からと裏からと両方からの実装となります。


(注) キットのシルク印刷のスピーカ出力が
  間違っていますので要注意
  (OUT2の±が逆になっている)
★株式会社カマデン

★入手は 若松通商


【回路構成】

今回製作したステレオアンプの全体構成は下図のようにすることとしました。
 左右の入力にはピンジャックを使います。この入力信号に可変抵抗を接続して
音量調整が左右独立にできるようにしておきます。
 当初はこの可変抵抗の中央の端子を直接ディジタルオーディオアンプ基板の
IN1IN2端子にそれぞれ接続します。
別途製作するVUメータや、赤外線リモコンの音量調整の基板を挿入しますので、
そのスペースだけケース実装のときにあけておきます。
出力のスピーカの接続は、ターミナル端子を用意して簡単に接続できるようにします。
 電源にはデンセイラムダ社製の12V2.5A出力のVS30B小型スイッチング電源を使いました。
実は、アンプをフルパワーの20W20W=40Wを出すためには、電力効率が88%ですから
40W÷88%=45Wの電源が必要ですので、12Vでは4Aの電源が必要になります。
選択した12V2.5Aではちょっと不足してしまいますが、ケースを小型にしたかったのと、
実用的には数W程度以下でしか使わないので小型のものとすることにしました。
ケースのスペースに余裕があれば、12V4.3AVS50Bタイプの電源を使った方が良いでしょう。
 この電源出力には、電源の出力インピーダンスを低くして、低音時や急激な音の変化にも
十分な電力を供給できるようにするため、電源出力に4700μF 16Vの電解コンデンサを
2個並列接続で追加しています。これで低音が不足することも防げます。





 オプションの音量制御ユニットの製作は下記へ。
  ★赤外線リモコン音量制御ユニットの製作


【実装詳細】


もっとも基本の構成の場合の内部配置
アンプと電源と電解コンデンサのみ
前面パネルに音量調整用の可変抵抗が
2個配置されている。
電解コンデンサはブラックゲートです。

★入手は 若松通商

赤外線リモコンによる音量調整とイコライザ
切り替えユニットを追加したときの内部配置



スピーカ端子と入力ジャック部



音量調整ユニット周りの配線の様子



音量調整ユニットの外観
PICですべてをコントロールしている。


赤外線リモコン送信機の外観

左右チャネルの音量調整とイコライザ切り替え
用の3個のつまみがある。




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