ケース加工法(切断)ノウハウ

【切断加工】

ケースを加工する際、市販のケースを使っていても切断加工が必要
な場合があります。
例えば、内部のアルミのL型板の長さを合わせる時や、前面化粧用
のアクリル板などは、どうしてもケースや穴に合わせるためには、
適当な大きさに切る必要があります。

【切断に使う道具】

切断に使う道具には下記の様なものがあります。それぞれ使い道が
あり、使い分けることで上手な工作が出来ます。

名 称

外  観

使 い 道

金のこ
(小型)

アルミ、アクリルなど
の切断、刃だけでも
使える
アクリル
  カッター

アルミ、プリント基板
などの切断
刃の形に特徴あり
アルミ定規

切断時の補助
金属製が丈夫
小型ジグソー

写真は小型ジグソ
で自在曲線用
薄板切断に便利
罫書き針
ポンチ

切断境界に線を
引く
万能はさみ

薄手の金属、
アクリル、銅板など
何でも切れ便利

【切断方法】

アルミ板はせいぜい1mm程度の厚さまでが電子工作で使うもの
ですので、切断は比較的楽です。むしろ、意外と苦戦するのが、
アクリル板の切断です。電子工作に使うアクリル板は3mmくらい
の厚さまでなのですが、3mmの厚さは、切断するには結構分厚
いものになります。
この切断法の幾つかを紹介します。

(1) けがき
  切断する前には、切断する境界がはっきり分かるように罫書いて
  おく必要があります。
  直線を引くには定規が必要ですが、工作にはアルミなどの金属製
  の定規を用意しておくとあとの切断時にも補助用として使え便利
  です。線を引くには、罫書き針か、先端の尖ったセンターポンチを
  使います。また油性のペンを使っても大丈夫です。
  市販のアクリル板やアルミ板によっては傷防止用に保護シートが
  貼り付けてあるものがありますが、この保護シートは最後まで剥が
  さないようにして工作します。

(2) 金のこによる切断
  一番手軽なのがこの金のこによる切断です。しかし普通の金のこ
  には弓状の枠が付いています。幅のある板を切断する時には
  この枠が邪魔になりやり難いこともありますが、この時には金のこ
  を寝かせて30度くらいの角度にして使います。
  直線の切断が主ですが、大きなRの曲線なら切ることが出来ます。

(3) アクリルカッターによる切断法
  比較的幅広の薄板を直線で切断する時には、このカッターを使う
  のが簡単です。金属定規でしっかりと補助してカッターで溝を付け
  て行きますが、コツは最初の内はカッターに余り力を加えず軽く
  溝をつけ、大体の溝が付いてから力を加えます。その後溝が十分
  についたら定規をはずして何回もカッターをかけて溝を深くします。
  最初からカッターに力を加えると、補助定規に沿った線でなく、別
  の方向に刃がそれてしまうことがあります。
  また、最初に溝をつけるのは裏側になる方にします。万一傷を
  つけても隠れる方ということです。
  半分くらいの深さの溝が付いたら、今度は表側からカッターを使い
  ます。この時のコツは、端面で表裏面の溝位置が合うように確認
  して表面に溝を付けます。
  表面に浅く溝がついたら、机の端などに溝線を合わせて板を折り
  曲げます。さらにこの折り曲げを反対側に折り曲げることを繰り返
  せば、板の切断が出来ます。
  切断後は切断面をヤスリなどでバリを取りきれいにします。

(4) ジグソーによる切断
  最近は電動鋸であるジグソーも安価に手に入れることが出来る
  ようになりました。機会があったら是非入手しておきたい道具です。
  ジグソーを使うと容易に切断が出来ますが、刃により真っ直ぐに
  切断するのはなかなか難しくコツが必要です。
  写真はいわゆる糸鋸タイプのジグソーで、曲線切断に向いている
  ものです。
  ジグソーを使う時には、ジグソー側を作業台に固定し、材料側を
  動かして切断する方法の方が作業しやすいと思います。
  


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