ケース加工法(取り付け)ノウハウ

【取り付け】

ケースを加工したあと、各種の部品を取り付けて行きますが、部品に
よって取り付けかたに工夫が必要なものがあります。

【取り付けに使う道具】

ケースへの部品の取り付けに使う道具には下記の様なものがあります。
それぞれ使い道があり、使い分けることで上手な工作が出来ます。

名 称

外  観

使 い 道

ドライバ

プラス、マイナスと
大きさで幾つか
の種類が必要
ラジオ
  ペンチ

配線用と取付け用
と兼用
ボックス
 ドライバ

ナットを固定する
時便利(M3ネジ用)
6角レンチ

ツマミなどのネジ
固定に使う
セットになって
いるのが便利
両面接着
 テープ

色々なものの
固定に重宝
薄手と厚手を
用意

【取りつけ用小物】

部品の取付けに良く使う小物パーツで、一式用意しておくと便利に
使えます。

名 称

外  観

用意する種類

ボルトナット

M3x5、M3x10、M3x15
スプリングワッシャ
ワッシャ
ナット
スペーサ

貫通型 5mm、10mm
ネジ付き10mm、15mm
絶縁シート

TO-220用、TO-3用
シリコングリス

放熱用フィンと
素子との熱結合用
タイラップ

配線の束線用
細めのもの
L金具

30mm、50mm高さ
固定ネジはM3
コード用
 ブッシュ

AC電源ケーブルの
固定に使用
線材

カラー線材が色分け
できて良い
太さも2種類程必要

【取り付け方法詳細】

部品の取付けは部品によって特別なものがあります。以下では
それらの例を紹介します。

(1) プリント基板の取り付け方

プリント基板をケースの中に取り付ける時には、裏側のはんだ付け
が、ケースと接触しないように浮かせて取り付ける必要があります。
これには普通、スペーサを使います。
スペーサには絶縁タイプの貫通型が安全です。金属タイプの物は
パターンとショートしてしまう危険があるので避けた方が良い。
また、高さの違いで何種類かのものがありますので、適当なものを
選びます。
そして実際の取り付けは下図の様にします。

ケースの外側にネジの頭側が来るように
すると仕上げがきれい。
スプリングワッシャを使うと振動にも強く
なりますが、普通は無くても良いでしょう。
スイッチなどが基板にある時は、その近く
にスペーサが来るように取り付けると、
押す操作をしても丈夫になります。

基板の取り付けの時表示面などが
ケースにぴったりと高さが合うように
スペーサの高さを選ぶことも必要
です。この写真では液晶表示パネル
がケースの裏側にぴったり付くように
スペーサを使っています。

(2) トランジスタなどの放熱フィン取り付け方法

放熱が必要なレギュレータやパワートランジスタに放熱フィンを
取り付けたり、ケースを放熱フィン代わりにするときの取り付け方
です。絶縁シートと絶縁カラーを使って電気的に絶縁しながら
熱的には放熱し易いように接続します。放熱をよくするために
素子と絶縁シートの間にはシリコングリスを塗布します。



この場合の取り付けネジにはプラスチック
製のネジを使って絶縁して取り付けます。
シートの両面にはシリコングリスを塗布
して熱を伝えやすくします。


この場合には絶縁するため、取り付け
ネジの穴には絶縁カラーを挿入して
その中にネジを通してケースや放熱
フィンから絶縁します。従って取りつけ用
のネジ穴は4Φ程度のやや大きめにします
シートの両面にはシリコングリスを塗布


(3) 数字表示発光ダイオードの取り付け

数字表示の発光ダイオードを取り付けるには、必要な桁数の
発光ダイオードを取り付けたプリント基板を使います。
この基板の表示面をケースのパネル面にピタッとなるように
取り付けるのですが、そのまま外に見せたのではきれいに
ならないので、色付きの透明アクリルをパネルと発光ダイオ
ードの間に挟みます。
このアクリル板は薄手の両面接着テープでケースの前面パネル
に固定し、発光ダイオードの基板はL金具でケースに固定します。

褐色のアクリル板の両端を両面接着
テープで前面パネルに固定。
発光ダイオードの基板はL金具で高さ
と奥行き両方を調整してアクリル板に
密着させている。

(4) スイッチ類の取り付け

スイッチには色々な種類のものがありますが、電源スイッチなど
に良く使うトグルスイッチの取り付けは下図のようにします。
表面に余り余分なネジの部分が出ないように、ナットを2個使って
ナットで前面パネルを挟むようにして取り付けます。

ナットとスプリングワッシャを裏側に入れ、
表側からナットで締める。
裏側のナットの位置を調整して、前面の
出っ張りが丁度良いようにします。

ペンチやプライヤでナットを締める
前面の出っ張りがきれいになるよう
裏側のナットを調整
押しボタンも同じ。


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