配線の仕方ノウハウ

【配線とはんだ付け】

ケース加工が終わり、各種の部品を取り付けたら、いよいよ最後の
接続配線となります。この配線を決めるのははんだ付けの善し悪し
で、特にプリント基板でのはんだ付けと異なり、大きな物や、特殊な
ものへのはんだ付けがあるのでコツが必要です。

【配線に使う道具】

部品の配線に使う道具には下記の様なものがあります。
それぞれ使い道があり、使い分けることで上手な工作が出来ます。

名 称

外  観

使 い 道

はんだこて

熱の強さで2種類
あると便利
20Wと30W程度
はんだ吸取り

大き目の方が
使いやすい
はんだ

細めのヤニ入り
基板用と同じ
ピンセット

あると固定しな
がら出来便利
ニッパ

線材の被覆むき
と切断用
ラジオペンチ

端子折り曲げ
固定
タイラップ

束線し固定する
線材

一寸太めの方が
丈夫。多色の
線材が良い。
12/0.18〜30/0.18
(本/直径mm)

【配線の方法詳細】

部品への配線とはんだ付けは、部品によって特別なものがあります。
以下では、それらの例を紹介します。

(1) 線材の被覆のむき方

結構簡単そうでコツがいるのが線材の被覆むきです。
中の芯線に傷を付けると、後で断線の元にもなってしまうので
丁寧にむく必要があります。
私の使う手はまず太めの線材は、下図のようにして、ペンチと
ニッパを「てこ」の様にして軽くむきます。
細い線材の時にはニッパだけで、向きを逆にして使います。
この方が線材に余り力が加わらずきれいにむけます。


線材被覆むきは
結構コツが必要
でも結局は慣れ。



(2) プリント基板への配線

プリント基板に外部部品を接続したり、電源線などを配線する
には、プリント基板にあらかじめ端子を実装しておきます。
端子には色々ありますが、太くて丈夫な方が、熱にも強く安心
です。
また、配線に使う線材は、信号の種類で色分けをしておくと
後からのチェックが非常に楽になります。
配線が終了したら、タイラップで束ねて型を作ってきれいに
曲げておくと出来上がりが美しくなります。タイラップの余分
な部分はニッパで切り落としてしまいます。

プリント基板には配線用のピンを
立てておくと配線し易い
ピンは太目で丈夫な物を使う


タイラップで固定するときれい
に配線できる
コネクタで配線する方法もある。

プリント基板からの配線は
あらかじめ配線出来れば直接
線を基板にはんだ付けも可能


(3) スイッチ類への配線

パネル取り付け型のスイッチへの配線は、取り付け端子の
穴にケーブルを通し、絡めてからはんだ付けします。
こうするとしっかり固定でき丈夫にできます。

スイッチ類へのはんだ付けは
端子の穴に線材を通して
絡げておく。電源ケーブルなど
太い線材の時は十分のはんだ
でしっかりと固定しておく。
AC電源の線は2本を撚っておく。


(4) 同軸ケーブルの処理方法

線材の中でも面倒なのが同軸ケーブルです。被覆も固く、
シールドもしっかりしているので芯線を出すのにコツが要ります。
処理方法は下図の様にします。
そしてRCAジャックや同軸コネクタへの配線は写真のように
してシールドをグランド端子に配線します。この端子はシャーシ
に直につながっているため、熱が逃げてしまうので、一寸大き
目のはんだこての方を使います。
はんだこての大きいのが無い時は、ラグ端子をはずして線を
はんだ付けした後で同軸コネクタを取り付けます。

カッターナイフで外皮の周りに
切れ込みを入れる。
深く入れすぎないこと。
ニッパで外皮を破る。
カッターの切れ目から剥がす。


外皮が切れ目から剥がれたら
外皮を抜き取る


シールドの編線の根元を細めの
マイナスドライバでこじ開け
芯線を抜き出す

芯線を抜き出した所

シールド編線を伸ばしてまとめ
撚って1本にする。

芯線を5mmから1cmくらいの
ところで被覆をニッパで
むく

芯線、シールド線を適当な長さに
切断して完成。
いずれも余り長くしない方が良い。


同軸のはんだ付けは同軸
コネクタへの場合が多く、
特にシールド側のはんだ付
けはシャーシ直接のラグ板
にはんだ付けすることが
多く、大き目のはんだこて
が良い



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