電子工作に必ず必要となるのが「はんだ付け」です。このはんだ付け
の善し悪し、上手下手で電子工作の成功、不成功が左右されます。
はんだ付けが上手に出来るようになれば、電子工作もまた楽しい
ものとなって来ます。
上手くなるには、練習です、繰り返しやってみることです。
【はんだ付けに使う道具】
はんだ付けに使う道具には下記の様なものがあります。はんだ付け
の対象によって、方法が異なり、また道具も異なって来ますが、
それぞれに適した道具があり、それらの道具を上手く使い分ける
ことで上手な工作が出来ます。
名 称
外 観
使 い 道
はんだこて
熱の強さで2種類
あると便利
15Wか20Wが基板
用で、30W程度が
配線用はんだ吸取り
大き目の方が
吸引力が強く
使いやすいはんだ
細めのヤニ入り
基板用と配線用
は同じもので可
【はんだ付けの基本】
はんだ付けの基本は、次のことを守れば上手く出来ます。
(1) はんだ付けの対象がきれいであること、油や錆が無いこと。
はんだは油面や錆ではじかれてしまいますので付きが悪く
なってしまいます。
(2) はんだ付けするものに予備はんだ付けをしておくこと。
あらかじめリード線や線材にはんだを付けておくと、はんだが
流れやすくなって上手に付けられます。
(3) 数秒の間、こてをあてて十分はんだが溶ける様、両者を
熱し、そこに糸はんだをあてて溶かし込むようにします。
(4) こての先を常にきれいにすること。
こて台についているスポンジに水をたっぷり含ませて時々
こて先を拭き取ってきれいにしながら使います。
【プリント基板のはんだ付け法】
プリント基板に部品を取り付けるためのはんだ付けは、下記の
ことに注意します。
(1) パターンや部品のリードがきれいで酸化していないこと。
もし酸化しているような時は、パターンはクレンザーで磨き、
リードは細かなサンドペーパーやヤスリなどで磨きます。
(2) 部品の極性のあるものに注意すること。
極性のあるものには
・電解コンデンサ ・ダイオード ・トランジスタ
・IC(ICソケット) ・発光ダイオード など
また背の低いものから順に取り付けていく
(3) リード線ははんだ付けした後に切断する
抵抗やコンデンサなどのリード線ははんだ付けをしながら
ひとつづつ、付けては切断するということを繰り返します。
《はんだ付けの順序》
・部品のリード線を取り付け穴の間隔に合わせて折り曲げる
・リードを穴に通し一寸リードの間隔を広げて落下しない
様にする。あまりきつく曲げると修正などのとき取り外せなく
なってしまうので真っ直ぐのままに近い状態としておく
・はんだこてをあててリードとパターンを熱する
・糸はんだを一緒にあてて溶かし込む
・はんだが水を流したように溶け周りに行き渡ったら
こてを離す
・一寸待ってはんだが固まったら手を放す
・リード線の余分をニッパで切断する、余りリードは長くせず
出来る限り短めに切断する
(4) はんだ付けのチェック
はんだ付けが完了したら、回路図と照らし合わせながら確認
して行きますが、この時下記も一緒にチェックします。
・はんだが隣のパターンやピンと接触していないか
・切断後のリード線が隣のリードと接触していないか
・はんだがきれいに溶けず、盛り上がったままになって
いないか(イモはんだ)
・部品の極性を間違えていないか
・ICソケットのピンの付け忘れは無いか
・はんだくづが残っていないか
(5) はんだ付けのやり直し
間違って部品を取り付けたような場合には、はんだ吸い取り器
を使って次の手順で交換します。
・はんだこてを取り外す部品のリードにあてて、はんだを十分
溶けた状態にする。
・こてをあてたままで、吸い取り器をあて吸い取る、同時に
こてもはずす
・すべてのリードの吸い取りが完了したら、部品面から部品を
ペンチなどで挟んで引っ張る。
・抜いた後の基板の穴が完全にあいていない時は、再度
こてをあてて溶かしたあともう一度吸い取ります
【線材のはんだ付け法】
線材を使って配線するときのはんだ付けの方法です。
この時のはんだ付けの手順は下記の様にします。
《線材のはんだ付けの手順》
・線材の被覆をむき芯線を撚る
・「予備はんだ」ということで線材の先をはんだ付けする
・部品の端子の穴に線材を通し先を曲げて絡げる
・こてをそこにあてて熱する
・糸はんだをさらにあてて十分溶かし込む
・はんだが水のように流れて周りに行き渡るまでこてをあてておく
・はんだが行き渡ったらこてをはずす
・しばらくしてはんだが固まったらてを離して完了