PICクラブ 第38回情報交換会


【第37回情報交換会概要】


開催日時  2011年 5月 1日 PM1:00〜PM5:30
開催場所  川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)
      7階 第3会議室

【まとめ】 

連休ど真ん中にも拘わらず大勢の方々の参加をいただいきました。

《スナップ》





【作品紹介】

1.8ビットPICマイコン新製品紹介 : 後閑

 これから製品がリリースされる8ビットマイコンの紹介と、新しく実装される
新モジュールに関する説明をしました。 (資料は会員の方々には送付)

【新製品】
 (1) PIC10F30x  6ピン、ミッドレンジPIC16と同じアーキテクチャ
   新モジュール搭載(PWM+ADC+DDS+CLC+CWG)
 (2) F1ファミリの新製品
  ・PIC1xF18xx : 少ピン 高機能版
  ・PIC16F15xx : 多ピン ADC多チャネル(Max30)、PWM多チャネル(Max10)
  ・PIC16F178x : アナログ強化 12ビットADC、OPアンプ、8ビットDAC、COMP
  ・PIC16LF190x: LCDモジュール内蔵 廉価版

【新モジュール】
 (1) CLC:Configurable Logic Cell
    プログラマブル ロジックを内蔵
 (2) CWG:Complementary Waveform Generator
    単純PWMを相補のPWMパルスに変換する デッドバンド付き
 (3) DDS:Direct Digital Synthesizer
    20ビット分解能の周波数可変のパルス出力
 (4) 温度センサ
    -40〜85℃ ADCの1チャネルとして内部接続
 (5) PSMC:Programmable Switch Mode Contoroler
    3相相補PWM出力  3相BLDCモータの制御
 (6) DSM:Data Signal Modulator
    デジタル変調器
 (7) SRラッチ
    555タイマ相当の機能

2.USB利用の作品紹介 : 後閑

新版USBフレームワークを使った作品を紹介。USBの著作改版用に製作したもの
(1) リモートPIO組み込みホストとPIO端末
  汎用クラス、またはHIDクラスで動かすことができる組み込みホストと、同じクラスを
  使ったデバイスの製作例
  組み込みホストは、PIC24FJ256DA206を使ったカラーグラフィック液晶表示器
  を搭載したリモートPIOのセンター装置で、タッチスクリーンで操作してPIO端末を
  制御できる。
  PIO端末は、PIC18F14K50を使ったデバイスで、デジタル入出力と、アナログ入力が
  できる汎用端末。

QVGAサイズのタッチスクリーン付き液晶表示器
タイプA USBコネクタが見える
裏面にはSDカードソケットと16Mビットのフラッシュ
メモリが実装されている
PIC24FJ256DA206を使用


汎用クラスで動作させたときの画面例

DOのボタンをタッチすると制御出力される
DIとAIの状態はリアルタイムで更新される


PIO端末
PIC18F14K50を使用
デジタル出力5点 デジタル入力4点
アナログ入力3点 の入出力容量



3.LED電球の応用:可視光通信 : 横田さん

前回のLED電球の応用で、このLED電球の光を変調してセンサデータや、音楽データ
を送受信してしまおうというものです。

(1) LED電球をDクラスアンプに接続して、500kHzのキャリアを音楽データで変調した
  信号でLED電球を駆動。 結果は十分きれいな音質の音が転送できた。

音楽の転送実験中
iPhoneの音楽出力を7404を使ったDクラスアンプ
の入力とし、その出力でLED電球をドライブ

受信側は、SPDIF受光デバイスで受けて
同じ7404のDクラスアンプの入力とし、
アンプ出力でスピーカを駆動
十分きれいな音質の音楽でした
直線の見通しできる範囲での通信として十分
実用になることがわかりました


これが7404を使ったDクラスアンプを利用した
LED電球の駆動部で、光通信の送信機となる

右側のサブ基板はリモコン受信部と加速度センサ部で
通常のリモコンで照明を制御すると同時に、
地震により自動で照明を点灯させ、同時に加速度
センサの情報を照明の光通信を使ってデータ送信する


  
こちらが7404を使ったDクラスアンプの入力に
SPDIF受光部を接続して入力源とし、
Dクラスアンプとしてスピーカを駆動しています。



(2) 可視光を使ったデータ通信
  上記で500kHzが十分送信できることがわかったので、データも送れるはずという
  ことで、データ通信も試しました。加速度センサのデータを調歩同期式で38.4kbpsで
  送信し、リアルタイムで受信端末に通信できることが確認できました。
  送信側は上記の送信機に加速度センサの情報をPICで調歩同期信号に変換して
  照明LEDを駆動
  受信側は、受信したデータを液晶表示器に表示しています。
    

受信機側
加速度センサの受信情報を液晶表示器に表示



4.超小型USB接続タッチスイッチ : 小島さん(阿部さん代理)

前回の続きで、超小型タッチスイッチの製品版です。
mTouch機能を使った汎用スイッチで、スイッチ機能は設定で自由に決められます。

2層基板の下側がタッチセンサになっている
PIO18F14K50のSOICタイプを実装

潟rット・トレードワン


同じ機能の応用で円盤型
車のダッシュボード等に貼り付けてスイッチとする
ことができる
2層基板の下側がタッチセンサとなっている



PIC応用製品でデジタル温度計
温度をデジタル表示
USBで接続してログを取ることもできる
PIC18F2550を使用



5.低消費電力時計 : 西村さん

実用的な時計を目指して奮闘中の作品紹介
まず、前回作成した時計が下記

前回製作した時計
台座は木材加工で漆塗り
3回ほどの塗りで結構時間がかかったとのこと



自立させるため、アクリル兆番をうまく活用

この時計は電源にACアダプタが必要で、
いまいち実用度が課題であった


で消費電流を削減し電池動作としたのが今回の作品で、まだ動作させたばかりで
製作途中とのこと。それでも前回作品より大幅に消費電流を削減できた。
それでも課題は液晶表示器の消費電力とのこと
単なる時計だけでは面白くないということで、国民の祝日と、家族の誕生日を
自動的に表示させるようにしています。
あと、温度と湿度の回路も組み込んでいて、これをどう表示させるかが今後の
課題とのこと。

液晶表示器にはI2C接続の低消費電力タイプ
を使用。
RTCCをクロック源とする
現状で3ヶ月程度の連続動作可能



6.ガイガーカウンタVerUp : 小野寺さん

いま話題沸騰中の放射能カウンタで、以前の作品のバージョンアップ版。
結構高感度のものが製作可能で、今回の福島原発による影響が観測できたとのこと。
しかし、現状ではガイガーミュラーセンサの入手が困難になっているとのこと。
放射線に関する単位がいくつかあるので、それにすべて対応させた表示をするための
変換が大変でC言語で対応したとのこと。

右端がガイガーミュラーセンサ
DC500Vを印加して検出するため
単3電池2本の3Vから500Vを生成する回路が
組み込まれている。

資料:ガイガーカウンタ



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