【第48回情報交換会概要】
開催日時 2013年12月21日(土) PM1:00〜PM5:30
開催場所 川崎市総合福祉センター(エポックなかはら)
7階 第3会議室
【まとめ】
年末も差し迫った3連休ではありましたが、多くの皆さんに参加していただきました。
特に今回は最先端の半導体の研究内容の紹介があったりとなかなかアカデミック
な内容でした。
《スナップ》
【講義】
1.マイコンのインターフェース回路の設計方法 その2 :後閑
マイコン回路を設計する際に必要となるインターフェースの設計の仕方について
前回に引き続き出力インターフェースと通信インターフェース、電源について
解説しました。
出力では基本のポート出力方法と、モータ制御のインターフェースなどについて、
通信では基本のシリアル通信方法について、
電源ではレギュレータやDC/DCコンバータ回路について説明しました。
解説資料は会員の皆様には別途配布しています。
2.WAVプレーヤの製作例紹介 : 後閑
特定のdsPIC33ファミリに内蔵されている「Audio DAC」を使って、SDカードに記録した
音楽のWAVファイルを高音質で再生します。
dsPICとオペアンプだけで構成。DSP機能は使っていません。
16ビット分解能、44.1kspsというCDと同じレベルのデータを256倍のオーバーサンプリング
のデルタシグマD/Aで実行します。このため、CDドライブで再生したときより、より高音質の
再生音となります。
詳しくは「資料」を参照してください。
【作品紹介】
1.電子射的製作結果の報告 : 林さん
前回紹介のあった電子射的の製作結果と学園祭での成果の報告です。
市販のプラモの銃の中に電子回路をかなり詰め込みレーザ光を発射します。
レーザ光を銃の区別のためパルス変調し、受信側で区別がつくようにしています。
フォトダイオードとPICで構成した受信部からラズベリーパイにデータを渡し、
そのデータをイーサネット経由でPCに送ります。PCでゲームの進捗gととの点数表や音を
鳴らしたりしています。
学園祭では高校生など多くが参加して盛り上がったようです。でも製作には何度も
徹夜が続いたようです。
プラモの銃にかなり電子回路を
詰め込んでいる
的となるフォトカプラの周囲をELチューブで囲んで
います。かんりこの部分に力が入っています。
PICで受信検出と実行し、下側にあるラズベリーパイ
にデータを渡しています。
2.おもちゃ修理へのPICの応用 : 大泉さん
ボランティアでおもちゃの修理を無料でしているそうです。その修理に必要となる壊れたICの
代用としてPICマイコンを使う応用例の紹介です。
トイラジコンや音声応答などのICの代用にはPICマイコンがぴったりということです。
でも狭いスペースに納めるのはかなり苦労されているようです。
実際に修理した例を下記で紹介しています。
・解説資料
・音声出力への応用例 「うたおう!おうた」、「ドライブハンドル」、「ミミクリーペット」
・トイラジコンへの応用例 「ラジコンデコーダ」
音声出力を試すためのセット
マイクから入力し録音し、音声を変えて
スピーカで出力する
ラジコンのテスト用のセット
送信部と受信部で構成
送信部でスイッチを押すと受信部の
LEDが点灯、消灯する。
得体のしれない製作品
スイッチング電源か??
3.CTMUマウス : 平峯さん
PICのCTMUモジュールを活用してマウスを製作しようというものです。
基板でマウスパッドを作り、それを4現象のセンサーとして使います。
そのうえでマウス本体を動かすことで、座標変化をとらえマウス動作とする構想です。
まだ製作途中段階でしたが、基板そのものはきれいに出来上がっていますが、
実験では、中心のグランドパターンから出た瞬間に大きくデータが変化してしまい
その対策に悩んでいるとか。
上側の基板を4個組み合わせて
下側のようなマウスパッドを構成する
基板ごとにPICが実装されていてCTMUで
容量を検知する
詳細は下記資料参照ください。
「touch_switch2」
基板裏側の詳細
USB接続となっている
4.半導体装置の低温測定装置 : 渡辺さん
新しい色を発光するLED半導体を開発するための研究をしている中で、
半導体の表面構成を電子顕微鏡で観察しながら適当な場所で電圧
を加えバンドギャップの値を計測している。
この観察には半導体内部の電子の動きを止める必要があるため、
液体ヘリウムを使って-260℃という極低温に冷やしている。
その温度を測定するため、センサーダイオードという素子を使っている。
その素子をPICマイコンに接続して計測し、リニアライズを行っている。
自作のセンサーダイオードによる
温度測定装置
ダイオードに数10μAの定電流を
流し、そのときの順方向電圧を計測
することで温度に変換する。
詳しくは下記資料参照ください。
「ダイオード温度測定装置2」