【I2Cとは?】
I2Cはもともと Inter Integrated Circuit の略で正確には「I2C」と書いて アイ・スクウェア・シー
と呼びます。
フィリップス社が1980年代に提唱したもので、2本の信号線 SCL(Serial CLock)とSDA
(Sirial DAta)によって、どちらかというと比較的近い場所にあるデバイス間の情報伝達を行う
ためのシリアルインターフェースです。
提唱された当初は100kbpsの速度でしたが、データの増加とともに高速化が図られました。
1992年 ファーストモード 400kbps
1998年 ハイスピードモード 3.4Mbps となっています。
I2C対応のデバイスは基本的にインターフェースのための回路を内蔵していることになって
いますので、接続のための外付けの部品は必要がありません。
また追加削除も2本のラインへの接続だけですので簡単に行うことができます。
用途としては、家電製品が中心でしたが、最近では、オーディオ機器、ディジタルカメラ、
玩具など多くの製品に使われるようになりました。
フィリップス社のオリジナルの仕様は下記ホームページからダウンロードできます。
★ フィリップス社 I2Cについての仕様等
★ 日本フィリップス社 I2Cについての仕様等(日本語の仕様書がある)
「I2Cバスの使用法(仕様を含む)」はここからダウンロードできます
【I2Cバスのシステム特徴】
フィリップス社の仕様書によれば、I2Cバスの特徴は下記となっています。
(1) 2本のラインで通信が可能
I2C通信は2種類の信号で通信が可能で、SCLとSDAの2本の信号となっています。
Iこのときの接続関係を図で示すと下図のようになり、複数のデバイスがバス構成で接続
されます。この形態のため「I2Cバス」と呼ばれています。
(2) マスタとスレーブで通信
接続されたデバイスはマスタとスレーブに別れ、それぞれ固有のアドレスを持っていて
マスタからアドレス指定をすることで1対1の通信ができます。
(3) マルチマスタが可能
複数のマスタが存在でき、同時に通信を始めようとした場合には衝突検出機能と
アービトレーション機能によりデータ破壊を防いで共存させることができます。
(4) 高速シリアル通信が可能
100kbps、400kbps、3.4Mbosの高速通信が可能
(5) バスインターフェース回路はデバイスに内蔵
フィルタ機能を持つインターフェース回路をそれぞれに内蔵し、スパイクの無い
安定な通信が外付け部品なしで可能。
(6) 多くのデバイス接続が可能
バスの静電容量が400pF以内であれば、ひとつのバス上にいくつでもデバイスを接続
することが可能
【I2Cの用語の定義】
I2Cバスで使われる用語は下記として定義されています。
用 語 定 義 トランスミッタ データをバスに送信するデバイス レシーバ データをバスから受信するデバイス マスター データ転送を開始し、クロック信号を生成し、
データ転送を終了するデバイススレーブ マスターからアドレス指定されるデバイス マルチ・マスター メッセージを失うことなく、複数のマスターが
同時にバスをコントロールすることアービトレーション 複数のマスターが同時にバスをコントロール
しようとしたときに、1つのマスターだけがバス
をコントロールできるようにし、さらに、メッセージ
が失われたり内容が変更されないようにする
手順同期化 複数デバイスのクロック信号の同期をとる
ための手順