【プロジェクトマネージャの管理窓】
MPLAB IDEを使う時最初に作成しなければならないのが「Project」です。
このプロジェクトを作成すると、下図のようにProject Windowに内容が表示
されます。
【ビルドの自動化】
プロジェクト管理の大きな役割は「ビルド」を自動化することにあります。
ビルドとは、ユーザがエディタを使って作成したソースファイルをアセンブラ
やコンパイラに送って中間オブジェクトに変換し、それらをリンカーに送って
あらかじめ用意されているライブラリなどを加えて、全体をひとつの実行形式
のファイルにまとめる作業です。
実行形式だけでなく、デバッグ用にシンボルリストなどの各種の情報を含ん
だファイルも一緒に生成します。
これらの自動生成されるファイルは、プロジェクト用に用意したディレクトリ
の中にすべて保管され統合管理されます。
このときの流れは下図のようになります。リンクの流れの制御はリンカー
スクリプトで行いますが、このスクリプトのファイルはあらかじめデバイス
種類ごとにMPLAB IDEの中に用意されています。
【ソースエディタの管理】
MPLAB IDEにはエディタが含まれていますが、これは単なるテキストエディタ
ではなく、プログラム作成に専用に作られたものです。
プロジェクトマネージャはソースプログラムの形式により、適切な色づけなど
が行えるようにソースファイルの構成情報をエディタに渡します。
とくにデバッグの際にもこのエディタのソースを元にデバッグ作業を行える
ようになっていて、変数やマウスの状態を互いに協調されるようにプロジェクト
マネージャが管理しています。
【プロジェクトの生成】
MPLAB IDEでプロジェクトを生成する手順は下記のようにします。
プロジェクトの生成は、ウィザードにより簡単に作成できるように
なっています。
(1) デバイスの選択
Project→Project Wizard とするとWelcomダイアログが表示されます。
ここで「次へ」として、デバイスの選択つまり使うPICの種類を指定します。
(2) 開発言語の選択
これで「次へ」とすると開発言語の選択となります。例ではアセンブラ
の場合とCコンパイラの場合です。下側のチェックを入れるとインストール
している全ての言語が選択肢に現れるようになります。
(3) プロジェクト名、ディレクトリの設定
これで「次へ」とするとプロジェクトの名称とそれを格納するディレクトリの
設定となります。
プロジェクト名とディレクトリ名は同じでも異なっていても構いません。
指定したディレクトリが存在しなければ自動的に作成されますが、
これらの名称には日本語は使えません。またディレクトリ名の文字数が
62文字を超えると、ビルド時にエラーとなりますので、注意が必要です。
この結果で、既存だったり新規の場合には下記のようなメッセージが表示
されますが、新規でもすでディレクトリがある場合には何も表示されません。
(4) ソースファイルの登録
これで「次へ」とすると、プロジェクトへのソースファイルの登録ダイアログと
なります。新規プロジェクトの場合には、ソースファイルはまだ無いはずですから
ここは何もしないで「次へ」としますが、既存のソースファイルをコピーしたり
すでにソースファイルが保存されているような場合には、これを指定して「Add」
ボタンを押せば、右側の窓に追加されてプロジェクトの登録されます。
登録画面の最初にある□にチェックを入れると、既存のファイルをコピーして
使うという指定になります。
(5) 設定内容の確認
これで「次へ」とすると確認ダイアログになり、下図のように生成する
プロジェクトの設定内容が表示されますので、確認して「完了」とすれば
プロジェクト生成完了となります。
生成されたプロジェクト