【発振素子】
一定の周波数の信号を出力するために使われる素子です。
いかに安定な信号を発振するかにより、色々な素子があります。
一般には、セラミック振動子、と水晶振動子が使われています。
この安定度と周波数精度を比較すると下表のようになります。
(注) RC:抵抗とコンデンサ LC:コイルとコンデンサ
発振素子
周波数安定度
周波数精度
RCまたはLC発振 100ppm/℃
±2〜5%
セラミック振動子 30ppm/℃
±0.5%
水晶振動子 数ppm/℃
±0.001%以下
水晶発振ユニット 3ppm/-20〜60℃
3ppm以下
回路図記号
略号
名 称
機 能
XTAL
クリスタル 水晶発振子、高周波発振用
XFIL
FILクリスタル
フィルター
セラミック
フィルター高周波用フィルター
(1)セラミック振動子
水晶振動子ほどの精度が不要なときには安価なセラミック振動子
が使われています。水晶より悪いといっても、10×−5乗/℃
程度の温度安定度があるので、RC発振回路に比べれば遥かに
優れた特性を出すことが出来ます。
また水晶振動子に比べ優れているのは、電圧制御発振回路で
周波数可変をする場合、セラミック振動子の方が遥かに広い
可変範囲を得ることが出来ます。
(2)水晶振動子
アマチュアで簡単に入手できる安定な発振素子としては、最も
良く使われている振動子です。
簡単に、10×−6乗/℃程度の温度安定度が得られます。
周波数範囲も広く、発振回路も比較的簡単なため、数多くの
場面で使われています。
形や大きさにも種々あり下図写真のような種類があります。
(3)水晶発振ユニット
最近良く使われものに、あらかじめ水晶振動子と電子回路を
組み合わせてユニット化したものがあります。
電子回路には、より安定な発振をさせるための工夫が施されて
おり、電源さえ接続すれば即信号が出力される便利なものと
なっています。下図がその例です。
特定用途向けなため、
周波数は12.8MHzに限定
されている。
端子は3端子
+電源と出力とGND
【フィルター】
ある特定の周波数の信号だけ取り出すために使われるのが
フィルターです。これにもセラミックフィルターと水晶フィルター
(クリスタルフィルター)があります。特徴は振動子の特徴と
同じですが、クリスタルフィルターは特性の良いものは、非常に
高価となっています。
(1)セラミックフィルター
良く使われるのは、AM、FMラジオの中間周波数フィルター
であるため、455KHzと10.7MHzの周波数に限定されて
います。(アマチュアが容易に入手できるという意味で)
左側が10.7MHz用 右側が455KHz用
フィルター特性により大きさ形が変わって来ます。
《製品例》村田製作所カタログより
455KHz用セラミックフィルター
品名
6dB帯域幅
減衰帯域幅
挿入損失dB
CFU455B2 ±15
±30
4
CFU455C2 ±12.5
±24
4
CFU455D2 ±10
±20
4
CFU455E2 ± 7.5
±15
6
CFU455F2 ± 6
±12.5
6
CFU455G2 ± 4.5
±10
6
CFU455HT ± 3
± 9
6
CFU455IT ± 2
± 7.5
6
(2)クリスタルフィルター
アマチュア無線の受信機には必ず使われています。非常に
シャープな狭い周波数だけを通すフィルターを作ることが出来、
受信機として高性能なものとすることが出来ます。高精度クリスタルフィルター例
周波数は何種類かに限られて
いる。
(3)セラミック検波素子
フィルターとはちょっと異なるのですが、FM検波回路で使う
簡易の検波素子として使われるものがあります。CDB455C7
(村田製作所製)