【シリアル通信とは?】
「シリアル通信」とは、一般にコンピュータ機器を接続する方法の一つで、
接続する線の本数を減らし、かつ遠距離まで信号が送れるようにした方式を
呼びます。このとき信号が1ビットごとにシリアル(直列)に送られるため
シリアル通信と呼ばれます。
このシリアルになった信号を伝達する媒体は、電気信号ですので当然ながら
銅線が基本となりますが、電気信号を光の信号に変換してから、光ファイバー
で伝達する方法も最近では多くなっています。
【シリアル通信の種類】
一口にシリアル通信といっても、現実的に世の中で使われている方式は非常に
沢山あります。
この中で特にパソコンやその周辺機器で使われている主なシリアル通信には
下記のような方式があります。
この分類は物理的に規格が異なることを前提にしたものですが、この物理的な
規格の上に、さらに論理的なプロトコルの違いによりもっと多くの方式に分類
されますが、ここではこれ以上は触れません。
No 方式名称 概 要 規格等 1 RS232C パソコン等に標準で装備されているシリアルインターフェースで
最も古くから良く使われています。
そのままでは長距離の通信は出来ませんが、モデム等を接続
して世界中の通信ネットワークに接続することができます。EIA-232-E 2 RS422 RS232Cよりも高速、長距離のデータ伝送ができるように改善
さらに送受信が1対Nと複数の受信が同時に出来るようになって
いるEIA-422-B 3 RS485 RS422をさらに改善したもので、より多くの送受信を同時に行う
ことができます。EIA-485 4 イーサネット 同軸ケーブルを使って高速な通信を複数の送受信端末が同時
に通信できるようにしたもので、最近のLANはすべてこの方式
を採用している。IEEE802.3 5 IEEE1394 イーサネットをさらに高速にする通信方式で、複合ケーブルで
マルティメディアデータを通信する。IEEE1394 6 USB パソコンの周辺機器間の高速大容量の通信を実現するための
方式で、通信だけでなく接続/切り離しなどの自動認識機能な
ども持たせている。
【良く使う規格の内容一覧】
上記の物理規格の中で電子工作に良く使うものについて、規格の差異は下表の
ようになっています。
この表のように最も一般にパソコンに使われているRS232C通信は、通信方式
としては遅く、距離も短いなど制限事項が多くありますが、これまで電話回線に接続
するための標準として使われて来た経緯があり、標準化が最も広く行き渡った方式
であるため、今でも標準のシリアル通信の代表として使われ続けています。
仕様項目 規 格 RS232C RS422 RS485 IEEE1394 ドライバ出力方式 シングルエンド ディファレンシャル ディファレンシャル 接続可能台数 1ドライバ 1ドライバ 32ドライバ 63ノード 1レシーバ 10レシーバ 32レシーバ 最大ケーブル長 規定なし(*1) 1200m 1200m 4.5m 最大伝送速度 20kbps 10Mbps 10Mbps 400Mbps ドライバ出力電圧 ±5V min ±2V min ±1.5V min 6本の線
電源2本
信号4本±15V max ±5V max ±5V max レシーバ入力方式 シングルエンド ディファレンシャル ディファレンシャル レシーバ感度 ±3V ±200mV ±200mV