USB2.0内蔵PICの概要


【USB2.0内蔵PICの種類】

PIC18Fシリーズの最新デバイスとしてUSB2.0対応モジュールを内蔵したものが
発売開始されました。

USB2.0のフルスピード(12Mbps)に対応したハードウェアが内蔵されています。
外付けの部品はUSBコネクタのみで、USBに直接接続できますので、結構複雑な
USB機器を容易につくることができるようになりました。

PIC側にはUSB規格の第9章に準拠するプロトコルソフトウェアが必要ですが、
このプロトコルソフトウェアもマイクロチップ社からフリーで提供されています。

さらにパソコン側に必要なUSBドライバや、RS232C変換ソフトなども提供されて
います。

これらを利用すれば、PICのユーザーアプリケーション部分のみ作成すれば、
USB機器ができるようになっています。

現在リリースされていて入手可能なUSB2.0内蔵デバイスは下表にようになっています。

デバイス名 ピン数 メモリ容量 RAM容量 10bitA/D
100ksps
最高速度
PIC18F2455 28 12kW 2kB 11 48MHz
PIC18F2550 16kW
PIC18F4455 40 12kW 13
PIC18F4550 16kW


【USBモジュールの内部構成】

 このPIC内蔵のUSB2.0モジュールの内部構成は下図のようになっています。

まずUSBの全体を制御するエンジン部がSIEとなり、ここでシリアル通信やバッファ
の読み書きを制御しています。
USB転送モードは、コントロール、インタラプト、アイソクロナス、バルクの4つの
すべてに対応しています。

エンドポイント(EP)は全部で32個あり、送信パイプ16、受信パイプ16として使う
ことができますので、USBのフルスペック対応です。各パイプは最大64バイトを
転送単位として送受信が可能です。

バッファは1kバイトのRAMとなっており、デュアルアクセスで送受信とPIC側とが
同時にアクセスすることが可能です。
このRAMは0x400〜0x7FF番地の高位側となっています。

USBトランシーバやプルアップ抵抗も内蔵なので、外付け部品はUSBのBタイプ
コネクタのみとなります。

バスパワーかセルフパワーどちらでも可能ですが、PICで判定することになります。

これ以外に40ピンのPICには8ビットパラレルのDMAポートが追加されており、
USBのデータを直接DMAでパラレルに送受信することができます。これで
データストリームも間断なく送受信することができます。









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