【概要と性能仕様】
電子回路の実験用として使える簡単なオシロスコープです。PICで対象信号を
高速サンプリングしメモリに保存します。
保存したデータをパソコンにUSBで送信し、パソコン側でグラフとして表示します。
USB2.0対応PICに内蔵のA/Dコンバータは100kspsという高速で動作します。
これは他の汎用のA/Dコンバータの約4倍の速さです。これを使えば信号のサンプ
リングを高速にできます。
今回のオシロスコープでのサンプリング速度の実力は約30μsecが最速でした。
これで約2kHz程度までの信号でしたらきれいに表示することができます。
外観は下記写真のような小型透明ケースに実装しました。
仕様的には下記のような感じになります。
・電源 USBバスパワー
・入力 ACまたはDC 0.1V以上
最高3kHz以下
・A/D 分解能8ビット
サンプリング数 960回
実際に測定した結果のグラフは下図のような感じになります。
下図は1kHzの正弦波を計測した結果です。結構きれいな波形として表示できます。
これでしたら1kHz以下の信号なら十分実用的です。
【全体構成】
このオシロスコープの構成は実に簡単で、USB2.0対応PICとオペアンプだけ
で構成されています。USBバスパワーにしましたので電源も不要なので簡単な
構成とすることができます。
入力信号がACとDC両方扱えるように2系統の入力回路とし、AC入力側には
入力にコンデンサを挿入するだけとします。
【回路】
上記の構成で作成した回路図が下図となります。 オペアンプも5V単一電源ですので
入力に可変のオフセット電圧を加えてグラフが上下できるようにします。
またゲインも可変としてグラフのサイズが変更できるようにします。
あとは特別の回路は不要ですので、実に簡単な構成になります。
【組み立て外観】
回路が簡単なので組み立ても実に簡単です。
基板を組み立てケースに実装したところが下記写真のようになります。
入力には周波数も低いのでRCAジャックを使い、AC用とDC用独立に用意しました。
あとはUSBコネクタに外部から接続できるように穴をあけておくだけです。
垂直位置調整とゲイン調整用の可変抵抗を基板用として基板に直接取り付けてしまい
ましたので、外部から調整できるようにケースの蓋に穴をあけておきます。